なお、『最後の雨』はアーティストおよびレーベルの公式チャンネルではミュージックビデオのショートバージョンのみが公開されております。よって、当ブログでもその動画を添付いたします（ストリーミングでは配信されております）。
『最後の雨』(中西保志)、Saigo no Ame(Yasushi Nakanishi)
【地声最低音】mid1B(B2)
★m1B[さ]よなら呟く君が 僕の傘 残して 駆けだしてゆく【Aメロ】
★m1B[か]なしみ降り出す街m2D#[じゅ]うが 銀色に煙って 君だけ 消せD#[な]い
※個人的にはmid1F#辺りを低音の基準にしてもよさそう
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で7回
★ひhiA–m2G#–F#[と]み]閉]じ[た]【Bメロ】
★泣けるほど あhiA–m2G#–m2F#[い]し]た]りF#–G#[し[ない]【サビ】
【補足】mid2E(一部略)～mid2G#を含むフレーズ一覧
★最後の雨に 濡れm2F#–m2E[な]いよ]う[に]【Bメロ】
★追いm2E[掛]け[て] [た]だE–m2F#–m2G#[抱[き[寄]せ]ぇ]
★本m2E–m2G#–m2F#[気でわ[す]れ]るくらいなら【サビ】
★誰かに 盗m2G#–m2F#[ら]れ]るくらいm2F#[なら]ぁ
★強く抱いて 君をこm2E–m2F#[わし[た]い]
まず、『最後の雨』についてです。この楽曲は、１９９２年に男性歌手の中西保志（なかにしやすし）さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年の『VOICE PEAKS』（ヴォイス・ピークス）に初収録されました。
さて、『最後の雨』は週間ランキングの最高位が１６位であるにも関わらずロングヒットし続け、９０年代末には９０万枚を超えるCDセールスを記録します。カラオケランキングでも今もなおトップ１００にランクインし続けるなど、長く愛されるバラード曲となっております。また、今もなお多くのアーティストからカバーされており、２００３年に倖田來未さんがカバーしたバージョンはカップリング曲にも関わらず、１０万ダウンロードのヒットを記録しました。
さて、『最後の雨』はシンセアレンジが印象的なバラード曲です。歌メロはAメロBメロサビといったJ-POPらしい展開をし、メロの進行に従い、ボーカルも盛り上がっていきます。カラオケで歌うと気持ちよさそうです。作詞は夏目純さん、作曲は都志見隆さん、編曲は富田素弘により行われました。作曲の都志見 隆（つしみたかし）さんはジャニーズアイドルや中森明菜さん、郷ひろみさんなどとも縁の深い作曲家です。
『最後の雨』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
同曲の最低音はmid1Bとなっておりますが、音程が取れなくても影響は小さいと私は考えております。どうしても不可欠な低音域はmid1F#辺りになります。そのため、見た目よりもキー下げはしやすい印象です。
ちなみに、女性が同曲をカバーする場合、過去に同曲をカバーした歌手のキーが参考になります。例えば、女性歌手のJUJUさんは原曲キー+２(#2)、倖田來未さんは＋３(#3)でカバーされております。JUJUさんが歌ったキーだと女性でもある程度取っ付きやすいのではないかと推測します。もし原曲キーがマッチする女性がいるのであれば、「標準よりも低めのレンジの女性」になると思います。
最後に『最後の雨』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1BはAメロで登場します。この辺りは男性の音域としては低いです。ただ、今回については、mid1Bは絶対に必要というわけではないですので、場合によってはmid1F#などの音を充ててもよいと思います。低音域は見た目よりも高いです。また、女性が同曲をカバーする場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいと思います。
次に、地声最高音hiAはBメロやサビで登場します。登場回数は7回程度です。この辺りは男性の音域としては高めです。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。ちなみに、歌手の氷川きよしさんは原曲キーから１つ下げたキーで歌唱されております（これだと少し高いかもですが…）。
『最後の雨』は見た目よりも低音域に余地があるので、キー下げは可能です。そのため、ある程度歌い慣れた人であれば、自分が得意なレンジに調整することができそうです。一方で、同曲を歌いこなすためにはしっかりとした練習が不可欠です。キー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
先述のように、同曲は今もなおカラオケで人気の高い作品ですが、ボーカルの良さが活きやすく、歌いこなせると非常に映えます。低音～高音までメリハリがあり、そうした点も人気の1つなのではないかと思います。
『最後の雨』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiAといった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは男性の音域ととしては高めになり、Bメロ～サビにかけて非常に頻度が高いです。そのため、「標準より高め～ある程度高音域が得意な男性」等が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
『最後の雨』はボーカルの良さが活きやすく、その点でカラオケなどでも歌いやすいと思います。また、Aメロで中低音、Bメロ後半～サビでは中高音まで要求され、J-POPらしいドラマチックな展開も魅力だと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。