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『You’re the Only・・・』(小野正利)の音域

 こんにちは。今回は小野正利さんの『You’re the Only・・・』(1992)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。小野正利さんの楽曲を取り上げるのは、2011年リリースの『Departure!』(過去記事)以来、2回目です。


『You’re the Only・・・』(小野正利)
『You're the Only・・・』(小野正利)の音域







【地声最低音】mid1G#(G#3) 

★真夜中 君とm2A[ふ]たり 砂浜波の2A[し]らべ【Aメロ】
★I love m2E[you] m1G#m2A[to]night] m2F#[時]が]止まればいいね【Bメロ】


【地声最高音】hiB(B4) ※サビで頻出

hiAm2G#[いつまでも二人]こ[の]ま]hiB[強く抱きしめて] A[Fly] [a[way]A【サビ】
hiBAG#[僕のすべて映]し]て]BA[よ]ぉ]


【補足】mid2GhiAを含むフレーズ一覧

★きm2F#[ら]めく [想いを伝m2G#hiA[え[た][い] G#[す]ぐ]【Bメロ】
m2G[My] song m2G#[for] hiA[you], A[just] on[ly]G# A[you]【サビ】
★きm2G#hiA[み[だ]けを あA[いして] [い][のA[さ]

 まず、『You’re the Only・・・』についてです。この楽曲は、1992年に男性歌手の小野正利さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年の『VOICE of HEART』に初収録されました。同アルバムには、デビューシングル『ピュアになれ』などが収められており、16万枚を超えるヒットアルバムとなりました。

 さて、『You’re the Only・・・』は小野さん3枚目のシングル曲であり、ドラマ『君のためにできること』の主題歌に起用されました。楽曲の質も相まって、同曲は120万枚近くのCDセールスを記録しました。小野さんの代表的な楽曲の1つといえます。今もカラオケなどで人気があるようで、カバーなどもなされております。最近では、2021年にお笑い芸人のほしのディスコさんが、小野さんと共演して同曲をカバーしたようです。


 『You’re the Only・・・』はスローなバンド曲です。小野さんがハードロックに縁が深いこともあって、ロックバラード調のアレンジとなっております。歌メロはAメロBメロサビと展開し、多くの人の取って馴染みやすそうです。作詞は小野正利さん、作曲は柘植由秀さん、編曲は笹路正德さんによりなされました。笹路さんはSHOW-YA、スピッツ、プリンセス・プリンセス、UNICORNなどのアレンジで知られるアレンジャーです。

 『You’re the Only・・・』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 同曲はAメロBメロサビと盛り上がっていき、それに伴いボーカルも高音域が要求されるようになります。サビではhiAやhiBが頻出しますが、高音域が活きやすいメロですので、歌いこなせると気持ちよさそうです。

 ちなみに、同曲を女性が歌う場合、原キーもしくはキーを上げるとマッチしやすいと思います。過去に同曲をカバーしたDo As Infinityの伴都美子さんは原曲キー、島谷ひとみさんは原曲キーから1つ上げたキーで歌唱されております。高音域が得意な女性はもっと高いレンジに調整してもよいのではないかと思います。



 最後に『You’re the Only・・・』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)~【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域としては高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1G#はBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、最低音がmid1G#となる男性曲は、かなり高い確率で「一般的な男性にとってはキーが高い曲」となります。今回の『You’re the Only・・・』についても、明確にこうした傾向が当てはまります。
 同曲は、最低音の登場回数なども考慮すると女性の音域に近いレンジです。そのため、「標準より低めの音域の女性」などは原曲キーでもマッチするかもしれません。私なりの印象ですが、標準的な女性はキーを上げた方がよいのではないかと推測しました。

 次に、地声最高音hiBはサビを中心に登場します。登場回数は9回程度です。ただ、同曲は【hiB[強く抱きしめて]hiA[Fly] 】などに代表されるように、hiBが連続して登場します。そのため、体感的にはhiBの男性曲の中でも高音が辛そうです。一般的な男性の場合は、キーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください(♭3)。


 『You’re the Only・・・』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。音域自体もそこまで広くないため、歌い慣れた人であれば、ある程度高音域が得意なレンジに調整することができそうです。ただ、同曲はハイトーンボーカルが魅力的な作品でもあります。そのため、小野正利さんのようなニュアンスを表現したい場合、ある程度高音を維持したままで歌唱した方がよいのではないかと思います。

 『You’re the Only・・・』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G~hiBといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。この辺りはとりわけサビで多いです。そのため、「高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、先述のように、「標準より低めの音域の女性」なども原曲キーに合う可能性があります。


 『You’re the Only・・・』はバラード曲であり、ボーカルの良さが活きやすい作品です。また、サビではhiA以上の高音域が多いため、高音域が得意な男性が歌うと特に映えると思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. トニオ より:

    よくカラオケで歌う曲なので嬉しいです
    小野さんの曲はどれも無茶苦茶高いんですがこの曲は割と常識的?な範囲で結構歌いやすく感じるんですよね
    似たような音域の曲だと感覚的にはB’zの「今夜月の見える丘に」の方がきつく感じるので発声の違いも大きいのでしょうか?

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      GALNERYUSとかも滅茶苦茶高いですよね。
      それと比べると取っ付きやすいのかもしれません。

      B’zの「今夜月の見える丘に」はサビでのアップダウンが激しいので、
      その点がYou’re the onlyとの難易度の違いかもです。
      発声の仕方の違いというのもあると思います。

  2. 名無し より:

    今夜月の見える丘にの音域調査もお願いしたいです
    個人的にはYou’re the Onlyの方が歌いにくいと思ったので個人差があるんでしょうかね…?

    • もりっしー より:

      リストアップしておきます。
      歌いやすさ歌いにくさには確かに個人差はありますね。
      声質的に活きやすいメロはあると思います。

      • 名無し より:

        自分の声質的にスピッツも結構合わなくて歌うの苦手ですね…
        まぁスピッツの場合は単純に高音がきついってのもありますが。でもスピッツ自体は好きなのでいつか歌いこなせるようになりたいですね…