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『斜陽』(ヨルシカ)の音域- 『僕の心のヤバイやつ』OP曲

 こんにちは。今回はヨルシカの『斜陽』(2023)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。


『斜陽』(ヨルシカ)、Shayou(Yorushika)
『斜陽』(ヨルシカ)の音域







【地声最低音】mid1E(E3) ※Aメロでmid1Fとコンボ

★眩しくって仕方がないし m1F[途]方にF[暮れた] Fm1E[か[え]り]【Aメロ】

※女声としてはかなり低い


【地声最高音】hiC(C5) ※全体で4回程度

★もう少しで 僕hiAhiC地hiA#[は[ぼ]く][ひ]と])つはA#[愛]せ]たのに【サビ】
★斜陽に気付hiAhiCA#[け[ば]目][開]か])ぬまま


【裏声最高音】hiC(C5) ※頭サビやラストサビ

★頬色にあかhiAhiC裏-A#[ね[さ]す][は]や]わらA#[か]に] 爆ぜた【頭サビ】
★落ちていくのに理由もないのならもう Ah Ah hiC裏[Ah]【2番Bメロ】


【補足】mid2GhiA#を含むフレーズ一覧

★落ちて行くよm1F{うに]茜がhiA#hiAm2G[差し]た]か]【Bメロ】

 まず、『斜陽』(しゃよう)についてです。この楽曲は、2023年に音楽ユニット・ヨルシカによりリリースされたシングル作品です。ヨルシカは今年の4月にアルバム『幻燈』(公式としては「画集」)をリリースしたばかりです。そうしたこともあり、『斜陽』は配信限定のシングルであり、アルバムには収録されておりません。

 『斜陽』は桜井のりおさんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『僕の心のヤバイやつ』のために書き下ろされました。同漫画は累計発行部数が300万部を超える人気作です。ちなみに、桜井さんはこれまでに『みつどもえ』、『ロロッロ!』といった作品も連載しており、それらも含め私自身も親しんでいました。今回、オープニングテーマをヨルシカが担当するのは、非常にマッチしているのではないかと感じます。


 『斜陽』は夏らしいミドルテンポのバンド曲です。頭サビでメロが始まり、AメロBメロサビと展開します。また、2番にはサビが無く、AメロBメロから間奏を挟んでラストサビへと突入します。こうしたこともあり、演奏時間が3分半弱と短めです。それでも、これまでリリースしたヨルシカの人気曲と同様に、普遍性のある作品ではないかと私は強く感じました。作詞作曲編曲は、ギター担当のn-bunaさんによりなされました。

 『斜陽』の音域的な特徴についてです。同曲の高音域はおおよそ一般的な女性の音域の範囲内で歌メロが作られております。最近のJ-POPとしてはそこまで高音が辛いわけではないので、原曲キーで歌える人も多いのではないかと思います。
 一方、同曲の最低音はmid1Eであり、女性曲としてはかなり低いです(mid1Fとコンボであるためかなり低音感があります)。そのため、標準より高い音域の女性などはキーを上げてもよいのではないかと私は判断しました。女性にとっては高音よりも低音が大変な作品という印象です。

 ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。ただ、「高音域が非常に得意な男性」だと、もしかしたら原曲キーでも歌唱可能かもしれません(高音が得意な男性でも通常はキーを少し下げた方が安定します)。



 最後に『斜陽』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内(低音が低い)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。このmid1E辺りは女性の音域としてはかなり低いです。また、今回はmid1Fとコンボになっているため、更に低音感があります。そのため、人によってはキーを上げた方が歌いやすいかもしれません。特に「高音域が得意な女性」の場合は、キーを上げた方が歌やすいと推測されます。

 次に、地声最高音hiCはサビで登場します。登場回数は4回程度です。この辺りはおおよそ一般的な女性の音域の範囲内です。hiC辺りは歌い慣れてない人だとスムーズな発声が損なわれやすいです。ただ、この辺りは、一般的な音域の女性であれば、比較的努力が結実しやすいです。少しずつ練習を重ねてください。
 一方、同曲はhiCを裏声で歌唱している場面もあります。そのため、高音域が得意でない人などはhiCを「裏声」で歌唱するのもよいのではないかと私自身は感じました。


 『斜陽』は低音域が低く、キーを下げる余地はほとんどありません(男性ならば可)。そのため、女性の場合、キー調整をするならば、キーを上げるケースがほとんどではないかと思います。先述のように、「高音域が得意な女性」などはキーを上げた方がマッチしやすいと思います。
 同曲は、音域自体が広く、AメロBメロはmid2F以下がほとんどです。そのため、低音域~高音域まで広いレンジが要求されます。メロディー自体は親しみやすい作品ですが、音域が広い分、ビギナーなどには取っつきにくいかもしれません。

 『斜陽』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G~hiCといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。一方、今回はAメロBメロについては低音域も多く、mid1E~mid1Gといった辺りが安定していることも不可欠です。これらを踏まえると、「標準よりやや低め~標準より高め」の音域の女性などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「ある程度高音域が得意な女性」などはキーを上げた方がよりマッチしやすいのではないかと私は推測しております。反面、「高音域が非常に得意な男性」の中には原曲キーがマッチする可能性があります(割合としてはかなり少ないと思いますが)。


 『斜陽』はこの時期に合いそうな穏やかなバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。また、人気アニメの主題歌でもあるため、思い入れの強い人もおられるかもしれません。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. てと より:

    こはならむ「恋してる自分すら愛せるんだ」
    お願いします。
    同アニメ2期のEDです。

    • もりっしー より:

      リストアップしておきます
      実は1期EDの方を取り上げようか迷っていたのですが
      てとさんの方を優先します