J-POPの音域を詳しく調べる

J-POPを中心にボーカルの音域(キー)をそこそこ詳しく、細かく調べていきます。最高音や最低音以外も表記してます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

『赤黄色の金木犀』(フジファブリック)の音域と感想

 こんにちは。今回はフジファブリックの『赤黄色の金木犀』(2004)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。秋が近いので選曲してみました。


『赤黄色の金木犀』(フジファブリック)、Akakiiro no Kinmokusei(Fuji Fabric)


【地声最低音】mid1A#(A#3)  ※Aメロ

★もしもm1A#[過]ぎ去りしあなたに 全てm1A#[つ][え]られるのならば


【地声最高音】mid2G#(G#4)  

★たmid2F[ま]mid2G[ら]G[く]mid2G#[なっ]G[て](サビ)
★かんm2F[しょ]mid2G[う][て]mid2G#[き][に]はな[り][き]れず(Cメロ)
★かmid2G[お]mid2F[り][~]mid2G#[が]G[し]て(ラストサビ)


【補足】mid2Fmid2G辺りの注意箇所

★あmid2G[か]mid2F[き][ろ][の]金木犀の(サビ)
★期待外れなmid2F[程] (Cメロ)


『赤黄色の金木犀』(フジファブリック)









 まず、『赤黄色の金木犀』(あかきいろのきんもくせい)についてです。この楽曲は、2004年にロックバンドのフジファブリックによりリリースされた通算3枚目のシングル作品です。四季をテーマにして作られた楽曲の一つで、「秋」がモチーフになっています。タイアップなどは付いていないようです。
 フジファブリックのYouTube公式チャンネルではMVが公開されており、2019年8月現在、約450万回もの再生回数を記録しています。人気曲の『若者のすべて』には届かないものの、それに次ぐ人気の高い楽曲だと言えます。

 『赤黄色の金木犀』のサウンドについてです。まず、イントロのエレキギターが非常に美しいです。木々から紅葉がヒラヒラ落ちてゆく様が表現されているような儚いアルペジオです。このフレーズはアウトロでも流れ、楽曲の世界観を彩ってゆきます。また、個人的にはAメロの間奏で入るキーボード、Cメロのドラムなども聴きどころだと思います。
 歌メロディーについてです。Aメロが2回繰り返され、サビ、Cメロ、サビという構成です。シンプルながメロディーの構成だと思います。歌メロディー自体はポップでありながら、非常にもの悲しさを感じます。秋が深まっていく様が上手く表現されているサウンド、メロディーだと思います。

 『赤黄色の金木犀』の歌詞についてです。全体としてやや抽象的な表現もありますが、別れてしまった「あなた」について物思いにふけっている姿が想起されます。世界観としては、以前取り上げた『若者のすべて』と通じる面があると私は解釈しています。例えば、「何故か無駄に胸が騒いでしまう帰り道」というフレーズは、『若者のすべて』に登場した「ないかな ないよな きっとね いないよな会ったら言えるかな」といった姿と重なりました。ただ、2曲は「あなた」を思い浮かべるきっかけとして、それぞれ「キンモクセイ」と「最後の花火」が引き金となっています。全体として非常に美しく、聴き手に想像を促す歌詞だと思いました。
 フジファブリックは『若者のすべて』が近年特に知名度を上げていますが、この『赤黄色の金木犀』もこれからもっと知られていく楽曲なのではないかと私自身は考えています。





 さて、最後に『赤黄色の金木犀』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#3) ~【地声最高音】mid2G#(G#4) でメロディーが構成されております。大よそ、一般的な男性の音域の範囲内だと言えます。
 
 まず、地声最低音についてはmid1A#です。一般的な男性の音域の範囲内ですが、高音域が得意な男性には少しきつい箇所かもしれません。場合によってはキーを上げるなどの対応を取っても良いと思います。

 さて、地声最高音はmid2G#です。サビやCメロで登場します。このmid2G#は一般的な男性の音域のボーダーラインに当たる音階です。一般的な男性でも苦しいということは十分にあり得ます。十分に歌い慣れた上で臨みたいところです。もし苦しい場合は少しキーを下げても良いかもしれません。
 ちなみに、歌い慣れていない人は、mid2F~mid2G等の音階で苦労する可能性があります。ただ、ある程度歌い慣れてくると歌いこなせる可能性が高い音階でもあります。少しずつ練習を重ねてください。

 『赤黄色の金木犀』は全体的に見ると音域がやや広い楽曲だと私は判断しています。ゆえに、キーを下げ過ぎると、逆に低音部がきつくなるという可能性もあり得る楽曲です。その点は留意しておいてください。場合によっては、別の曲で歌い慣れた上で、この『赤黄色の金木犀』に挑戦するという選択肢もあり得ると思います。

 この『赤黄色の金木犀』はやや憂いを帯びたメロディーや歌詞ですので、必ずしもカラオケで盛り上がるといった楽曲ではないかもしれません。ただ、私自身は非常に良い楽曲であると考えています。また、今の時期にも非常にマッチする作品なのではないかと思います。



『飛行艇』(King Gnu)の音域と感想

 こんにちは。今回はKing Gnuの『飛行艇』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『飛行艇』(King Gnu)、Hikoutei


【地声最低音】mid1E(E3)  

★正しさばかりに恐れおm1E[の]のかないで


【最高音】hF(F5)  ※転調後のサビで頻出

hiC[い]hiF[の]hiD[ち]hiA#[揺]hiC[ら]hiD[せ] hiD#[イ][ェイ] 


【補足】mid2F#hiD等の箇所

★どんなゆm2#F[め]を見に行こうか(Aメロ)
★大地震m2G[わ]m2F#[せ] [過]hiA[去][を]F#[え] (ラストサビ前)
mid2G[この時代に飛び]hiD[乗っ]hiC[て] mid2F[こ]G[ん]hiA#[や](転調後サビ)


『飛行艇』(King Gnu)









 まず、『飛行艇』についてです。この楽曲は2019年に4人組バンドKing Gnuによりリリースされた作品です。配信限定シングルとしてリリースされました。航空会社ANAのキャンペーンCMのタイアップが付き、私自身も時折耳にしました。
 『飛行艇』はKing GnuのYouTube公式チャンネルでMVが公開されております。公開からおよそ1週間になりますが、2019年8月現在、300万回ほどの再生回数を記録しています。非常に注目度が高い楽曲であると言えます。

 『飛行艇』のサウンドについてです。私自身King Gnuのすべての楽曲を把握しているわけではないですが、『飛行艇』これまでにないほどロックバンドとしての側面が強い作品であると思います。イントロのギターリフが非常に心地よいです。荒野や砂漠などを想起させるオリエンタルな音作りです。1番終了後に入るギターソロも耳に残ります。
 また、個人的に面白いと思った音色はイントロやサビで登場するシンセサイザーの音(だと思います)です。基本的に楽曲全体を通して同じフレーズが繰り返されているのですが、ベースギターとともに地を這い、地面から突き上げるような推進力を担っていると思います。どこか不気味な雰囲気も感じます。
 歌メロディーについてですが、ラストのサビで転調が行われ、キーが1つ(半音)上がります。King Gnuはサビを半音上げるなど移調を伴ったアレンジがよく見られる印象です。ただ、『飛行艇』では歌メロディーの構成がAメロサビといったシンプルな構成ですので、ラストの転調が入ってもあまり仰々しさを感じません。こうしたバランスの取り方も美しく感じます。ただ、カラオケなどで歌う際は、サビの転調は非常にしんどくなる場面だと想像できます。





 さて、最後に『飛行艇』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3) ~【最高音】hF(F5) でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。

 まず、以前より申しておりますが、King Gnuはツインボーカルです。中低音部(mid2G辺りまで)をフロントマンの常田さんが、高音部(hiA辺り~)を井口さんが担当しています。一般的にJ-POPででよく見る同性デュオはそれぞれ音域が被っており、ハーモニーを上手く利用して個性を出します。そうした点から考えると、King Gnuはやや特殊といえます。元々難易度の高い楽曲が散見される彼らですが、①ツインボーカルかつ②音域が被ってないという側面も楽曲の難易度を上げている一つの側面だと言えます。
 ちなみに当ブログで添付してある音域の図ですが、King Gnuについては常田さん+井口さんのパートが一緒に記載されています。1人1人が担当する音域はもっと狭いですが、例えば『飛行艇』を一人で歌唱する際はそれだけの音域が必要になります。


 こうしたことを踏まえた上で『飛行艇』の音域を見ていきます。まず、最低音はmid1Eです。大ヒット作の『白日』(最低音mid1A#)と比較すると、『飛行艇』の低音部分は少し余裕があります。例えば、一人でこの『飛行艇』を歌唱する際は、『白日』よりは余裕のある発声がしやすいと言えると思います。

 次に最高音hiFについてです。このhiFは裏声で発声されています。ただ、息漏れするファルセットではなく、息漏れのしない強さを伴った裏声です。井口さんはこうした発声を上手く利用し、高音域を歌いこなしています。こうした裏声はすぐに使いこなすのは時間がかかると思います。まずは、一般的な裏声に慣れ、少しずつ息漏れを減らし声の強さを上げていくような練習をしていくと良いと思います。


 King Gnuの高音パートを担当する井口さんは、他の曲などを分析していくと、大体hiB辺りまでは地声で歌唱し、それ以上を裏声で対応している印象です。この『飛行艇』についても大体hiA#辺りまでが地声です。『飛行艇』を歌唱する際は、理想を言えば、hiA#~hiB辺りまで地声で歌いこなせると、上手く歌いこなせる可能性が高くなると思います。

 ちなみに、King Gnuはツインボーカルですので、ボーカルを二人に分けて練習するというのも有効な選択肢だと思います。中低音域を担う常田さんが大体mid2G辺りまでを歌いこなしていますので、常田さんのパートを男性が担当し、井口さんの高音パートを女性(もしくは高音域が得意な男性)が担当するというのも良いです。



『花束』(back number)の音域と感想

 こんにちは。今回はback numberの『花束』(2011)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です(返信できずで、すみませんでした)。

 なお、『花束』はアーティストやレコード会社の公式チャンネルでフル配信されていません。よって、当ブログにおいてもショートバージョンの動画を添付いたします。ご了承ください。


『花束』(back number)、Hanataba


【地声最低音】mid1A(A2)  ※Aメロ

★どう思う?1A[こ]れから2人で やっていけると思う?


【地声最高音】hiA#(A#4)  ※転調後サビで2回

★ふたhiA#{りが]mid2G[忘]mid2F[れな][け][れ]
★きmid2F[っ]mid2G[と]hiA#[す]mid2G#[れ][ない][から]


【裏声最高音】hiC(C5)  ※転調後サビで登場

mid2F[あや]まる[しか]hiC裏[ん]hiA#[しゃの]mid2G[言][葉]
★君とならどmid2F[ん]mid2G[な]hiC裏[あ]hiA#[さ][もよ][る]も夕方[だ][っ][て]


【補足】mid2Fmid2G#辺りの注意箇所

mid2F#[い]mid2G[ま][ま][の]ぼくは(Cメロ)
★曲がっm2F#[た]事ばっかだった 気がするんだよ
★だからせめてきmid2F#[み]のとこには
★まっmid2F#[す]ぐには[しって]mid2G[くよ][oh]

★僕はmid2G[何]mid2F[回]だって何十[回]mid2G#[だ][って](転調後サビ)
mid2F[き]みと抱き[合っ]mid2G[て][手]を 繋いで[キ][を][て]
mid2G[あ]mid2F[まい][あ]まいこの気持ち[を]
★何も問mid2F{題]mid2G[は]mid2G#[ない][じゃ][ない]
★ケンカもするんだろうけmid2F[ど]
mid2F[笑い合っ]mid2G[て]mid2G#[生][き]
★いけるんじゃないかおmid2G[も]mid2F[うん][よ]

『花束』(back number)









 まず、『花束』についてです。この楽曲は2011年に3人組バンドのback numberによりリリースされたシングル作品です。メジャー2枚目の作品です。タイアップとして、音楽番組『CDTV』の月間テーマ曲になっております。編曲はback numberと島田昌典さんによりなされています。島田昌典さんは『オールドファッション』(2018)や『fish』(2014)なども担当されています。

 『花束』のサウンドについてですが、ミディアムテンポのギターロックです。近年はストリングスを大胆に取り入れるなどのアレンジも目立つback numberですが、この楽曲ではバンドの音色が非常に目立ちます。ギター、ベースなどの音色以外では、イントロのキーボード、サビでピアノの音色などが取り入れられたりしております。back numberは3人組バンドということもあり、一人当たりの仕事が多くなりがちです。特に、作詞作曲を手掛けるギター&ボーカルの清水依与吏さんは、非常にハードワークが求められます。
 この『花束』に関して、例えばギターの仕事量が凄まじいといったことは無いと思います。しかし、そこにメロディアスな歌メロディーを歌唱しつつ、ギターも奏でなければならない、ソロも弾かなければならないとなると、やはりボーカルの大変さというものを感じます。

 歌メロディーについてです。AメロBメロサビというJ-POPで多く見られる形です。Aメロが低音、Bメロサビへと進行する形で楽曲が盛り上がっていきます。また、最後のサビでは転調が行われ、楽曲がドラマティックに締めくくられます。こうした形も日本のポップスでは多く見られるものです。
 一方で、『花束』には2番というものがありません。つまり、1番のAメロBメロサビ⇒Cメロ⇒転調サビという形になっています。そこも特徴的な点だと思います。2番が無い分、タイトにまとめられ、密度が濃くなっているように感じます。

 
 『花束』の歌詞についてです。まず、タイトルの『花束』についてですが、この楽曲内では「花束」もしくは「花」というフレーズは登場しません。つまり、『花束』というタイトルについては聴き手が自由な解釈をしやすいと言えます。私なりの解釈では「二人の仲むつまじさの暗喩」として『花束』が使われているのだと考えます。また、「だからせめて君のとこには まっすぐにまっすぐに走ってくよ」というCメロのフレーズで、何となく主人公が花束を抱えているような描写が思い浮かびます。

 歌詞についてですが、個人的にはやや情けなさを隠し切れない主人公の姿が思い浮かびます。「ごめんごめんありがとうごめんくらいのバランスになる危険性はすこし高めだけど許してよ」辺りのフレーズを見て、そのように感じました。ただ、どこか愛らしさや母性などがくすぐられる憎めない男性像が思い浮かびます。こうした頼りなさや弱さが垣間見えるような歌詞もback numberの魅力なのではないかと思います。






 さて、最後に『花束』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2) ~【地声最高音】hiA#(A#4)、【裏声最高音】hiC(C5) でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。また、音域自体も広めだと思います。

 まず、『花束』はラストのサビで転調が行われ、キーが1つ上がります。通常のサビでは地声最高音がhiA,転調後はhiA#になります。一般的な男性の音域では少しきついかもしれません。できれば地声で発声したい箇所ではありますが、もし、器用に裏声が使えるのであれば、hiA場面は裏声でも良いかもしれません。ただ、その場合でもmid2F,mid2Gといった音階を地声で確実に歌える必要があります。

 『花束』を歌いこなすうえでの基本はmid2F,mid2Gといった音階を確実に歌いこなすことが一つの基準となります。普段歌い慣れていない人は、このmid2F、mid2Gの音階を安定的に発声できるようにすると良いと思います。『花束』ではサビの一部を除いて、このmid2F,mid2Gの音階が頻出します。コレラを意識して練習すると良いと思います。

 一方で、『花束』は音域が広めの作品でもあります。故に、少しだけキーを下げる程度ならまだよいのですが、例えば、3つ以上下げるとなると、低音部がかなりしんどくなると思います。ゆえに、『花束』はキー調整による練習にはあまり向きません。普段歌い慣れていない人は別の曲で歌い慣れた上で、この『花束』にチャレンジした方が良いと思います。

 『花束』は歌詞も分かりやすく共感しやすい内容です。カラオケなどでも歌いやすい作品だと思います。



管理人プロフィール

もりっしー

北九州市近郊に在住するギター初心者。

「気になる歌の音域データ、感想」を述べていくブログです。

【好きなもの】音楽(特に80年代~のポストパンク、邦楽ロック)/漫画/地理/炭酸飲料

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