『Girl』(秦基博)の音域

★ぼhiA#裏[く]m2G#[の]m2G[ほ]ほG#地[に]G[き]みが触れる【サビ】

★そhiA#裏[れ]m2G#[だ]m2G[け]でG#地[もう]G[な]にもか[も]

★ふわm2F[り羽根の]m2G[よう]【サビ】

　まず、『Girl』(ガール)についてです。この楽曲は、2013年に男性シンガーソングライターの秦基博さんによりリリースされたアルバム『Signed POP』（サインド・ポップ）に初収録されました。アルバムのリード曲であり、その年の年間有線ヒットランキングJ-POP部門で1位を記録しております。私自身も当時、たまたま街で流れていて、同曲を知った記憶があります。ヨコハマタイヤのCM曲としてもタイアップが付きました。また、秦基博さんのベストアルバムなどにも収められております。
　その後、同曲は2017年に、高梨臨さん主演のテレビドラマ『恋がヘタでも生きてます』の主題歌に起用され、再び話題となりました。ドラマの主題歌起用に伴い、CDシングルとしてリカットされました。私なりのイメージですが、秦基博さんは、楽曲がリリースからしばらくして再評価され、タイアップなどに起用されることが多いように感じます。


　さて、『Girl』はミディアムテンポのバンドナンバーです。頭サビで歌メロが始まり、イントロ、AメロBメロサビへと展開する爽やかな作品です。作詞作曲編曲は秦基博さん自身によりなされております。
　『Girl』の歌詞についてですが、一聴すると恋人へのラブソングのようにも聞こえます。ただ、この楽曲は秦さんが自身の愛娘に向けて書いた楽曲だそうです。確かに、MVに登場する女性も、恋人というよりは娘のような印象です。自身の娘というわけではないですが、「子どもに向けて書いた楽曲」としては、当ブログでは以前にaikoさんの『瞳』(過去記事)、『Pieces』(過去記事)を取り上げたことがあります。実子に向けた作品としては松田聖子さんの『私だけの天使〜Angel〜』が、娘の神田沙也加さんに向けて書かれたものだそうです。

　『Girl』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の声域よりもやや高めで歌メロが作られております。鍵盤画像などを見ると、一見男性の声域の範囲内にも感じられますが、mid2G#,mid2G辺りの登場回数がかなり多く、標準的な男性曲よりも高く感じられるのではないかと思います。全体的に中高音域が多い作品であり、持久力が求められます。


　最後に『Girl』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の声域よりもやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Fについてです。ここは発声自体はあまり問題はないと思います。ただ、男性としては最低音がやや高めです。そのため、「曲全体のメロが高めなのではないか」ということが推測できます。

　一方、地声最高音mid2G#はサビを中心に多く登場します。どの場面でもmid2Gともコンボになっているため、その点でもより高さを感じます。この辺りは一般的な男性の範囲内とも言えますが、通常はキーを少し下げた方が歌いやすいのではないかと私は分析しております。原曲キーが高いと感じた場合は、目安として、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください（♭１～２）。

　『Girl』は低音域に余裕があり、キー調整しやすいです。歌い慣れた人であれば、歌いやすいレンジに調整することは可能です。また、ビギナーに向けての調整も可能なのではないかと私は考えました。サビで裏声が登場するため、やや難しい部分はあるかもしれませんが、原曲キーにこだわらなければ、比較的アプローチしやすいです。

　『Girl』を原曲キーで歌唱する場合、先にも述べたようにmid2G#,mid2G辺りが多く登場します。そのため、mid2F～mid2G#辺りをしっかり歌いこなす力が求められます。これら中高音域が曲全体で絶えず登場しますので、ある程度のスタミナは必須です。原曲キーで歌唱する場合は、その辺りを踏まえて、練習に励んでください。

　『Girl』は全体として爽やかであり、カラオケなどでも歌唱しやすいです。また、キー調整の融通も利きやすく、歌詞なども非常によいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。