J-POPの音域を調べる(リクエスト受付停止中)

J-POPを中心にボーカルの音域を調べていきます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べ、楽曲の感想なども述べていきます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

『I beg you』(Aimer)の音域と感想

 こんにちは。今回はAimerさんのトリプルA面シングル『I beg you/花びらたちのマーチ/Sailing』から、『I beg you』(2019)を取り上げます。よろしくお願いします。

 Aimerさんは以前に『蝶々結び』を取り上げて以来、2回目の登場となります。

『I beg you』(Aimer)
2019年1月9日発売


【地声最低音】mid2A#(A#3)

★哀れ「みをく」ださい 落ちた「」鳥にそっと触れるような
★涙汲「」で 見「」ろして
★靴の先で転がしても構「わな」いわ


【地声最高音】hiD#(D#5)   ※Cメロで2か所

★津々と悲しみだけが降[][]もる hiD



【補足】サビの部分の最高音はhiC(C5)です。

★ねぇ(輪に)なって踊りましょう
[lie] lie lie lalala


『I beg you』(Aimer)










 さて、まず『I beg you』の紹介です。この楽曲は劇場版『Fate/stay night[Heaven's Feel]』第二章の主題歌に起用されました。『I beg you』の作詞作曲プロデュースは梶浦由記さんによって行われています。梶浦由記さんはアニメやゲームを中心に音楽プロデュースを行っており、日本を代表するプロデューサーの一人といえます。
 この楽曲が収録されたトリプルA面シングル『I beg you/花びらたちのマーチ/Sailing』により、Aimerさんはオリコン週間シングルランキングで自身初のチャート1位を記録しました。

 『I beg you』のサウンドについてですが、バンドサウンドとオリエンタルなストリングアレンジが特徴的であります。そこにAimerさんの独特なボーカルが重なり、楽曲の重厚感が一層強くなっております。個人的には2番のAメロで展開されるリードギターのサウンドが耳に残りました。ただ、やはり楽曲の全編にわたり展開されるストリングアレンジが圧倒的であります。

 歌詞については、憎悪にも似た狂気に触れ動く愛情が描かれていれています。『I beg you』とは直訳すると「私はあなたにお願いします」となりますが、「beg」とは「請い願う」という意味があり、非常にへりくだった表現です。実際に『I beg you~』という言葉は、日常では「丁寧すぎる」とも感じる方も居られるようです。
 
 では、歌詞に登場する「わたし」は「あなた」に何を請い願っている(beg)のか。一部ですが引用すると、

「哀れみをください 落ちた小鳥にそっと触れるような」
「靴の先で転がしても構わないわ 汚れててもいいからと 泥だらけの手を取って」
「もう辛い 散々傷ついて 優しい世界に誰だって行きたい」
「愛を請う仕草で黙り込んで慎ましいつもりでいた」

混沌としたドロドロ感が漂っています。それがバンドサウンドやオーケストラ、個性の強いボーカルにより一層際立ちます。人によっては非常に重たすぎる世界観ではありますが、その重たさ、非日常感、妖々しさ、気怠さ、混沌が非常に心地よくもあります。






 さて、この『I beg you』の音域についてですが、地声最低音 mid2A#(A#3)~地声最高音hiD#(D#5)  でメロディーが構成されています。楽曲全体で多く登場するサビの部分の最高音はhiC(C5)です。hiD#の箇所は大変だと思います。このhiD#の場面はファルセットで対応するの選択肢かもしれません。それ以外は、歌い慣れた人であれば楽しめる楽曲であると思います。声が低い女性の場合は、原曲よりも2~3程度キーを下げると(♭2~3)良いと思います。

 この楽曲は音域を把握しておくことも大切ですが、もむしろその独特な声質をどうするかという点だと思います。つまり、「妖しさ、気怠さ、混沌」といった要素をどのように声で表現していくか

 Aimerさんの発する歌詞はハッキリと聞き取れますが、必ずしも『日本語の発音』として明瞭かつクリアな発声をしているわけではありません。 そうした点に歌唱力が加わって、「妖しさ、混沌」といった要素が表現されています。必ずしもAimerさんの声を真似する必要は無いと思います。

「優しい声」「力強い声」「気怠い声色」「哀愁深い声」「怒りに満ちた声」「少年性(少女性)を帯びている」などのように声の持つ性格、特質をつかんでおく必要があると思います。

ドラえもん映画2019年主題歌『THE GIFT』(平井大)の音域と感想

(2019/04/06)最低音のミス表記があったので修正しました



 こんにちは。今回は平井大さんの『THE GIFT』を取り上げたいと思います。『THE GIFT』は2019年2月にリリースされ、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の主題歌として起用されました。平井大さんを当ブログで取り上げるのは今回が初めてです。よろしくお願いします。


『THE GIFT』(平井大),The Gift(Dai Hirai) の音域と感想
2019年2月27日(水)


【地声最低音】mid1D#(D#3) Bメロ部分

★背中押した 「」立ちの季節 


【地声最高音】hiA#(A#4)  2番サビ(その他のサビは裏声)  

★そしてそのキセキがまた明[日へ]「」づく hiC#(C#5)裏声

(補足) ラストサビの「This is a gift from the moon」のコーラスで同じくhiA#が見られます。ライブの際は印象度の強いコーラスの旋律を歌う可能性もありますので、補足として記載しておきます。
 


【裏声最高音】hiC#(C#5) ※サビ部分

★そしてキセキは信じるもの「」けに
★そしてキセキは信じるもの「」けに 贈ら[]るモノ(ラストサビ)


『THE GIFT』(平井大)











 
 さて、平井大さんの『THE GIFT』です。こちらの楽曲は映画ドラえもん のび太の月面探査記の主題歌に起用され、話題を呼んでいます。映画などのタイアップに起用されることで大きなヒットが期待されるわけですが、とりわけアニメ映画はメガヒットに繋がることが多いです。SEKAI NO OWARIの『RPG』、秦基博の『ひまわりの約束』、RADWIMPSの『前前前世』、DAOKO×米津玄師の『打上花火』、倉木麻衣の『渡月橋 〜君 想ふ〜』などが例として挙げられるでしょう。
 漫画原作の実写映画なども含めると、ONE OK ROCKの『The Beginning』、サカナクション『新宝島』といった楽曲も列挙できます。


 『THE GIFT』についてですが、非常に馴染みやすいメロディーであり、映画の視聴者の耳に残りやすい楽曲であると思います。一方で、歌唱についてはソウルやリズム&ブルースなどブラックミュージックを漂わせる発声になっており、単純に子どもだけに向けた楽曲ではないようです。一緒に視聴する父母の琴線にも触れるようなことを意識しているのかもしれません。いずれにしても多くの人が口ずさめるような普遍的なメロディー、歌詞であると思います。

 歌詞については、「ともに過ごした時間の愛おしさ、そして別れ」といったことをテーマに書かれていると言えます。『THE GIFT』は映画の世界を彩る暖かいメッセージになっているのではないでしょうか。

 




 さて、『THE GIFT』の音域についてですが、
地声最低音   mid1D#(D#3)~地声最高音hiA#(A#4)、裏声最高音hiC#(C#5)でメロディーが構成されています。音域を見るとキーが高めで、手を出しにくい印象です。
 
 しかし細かく見ていくと、地声最高音のhiA#は1か所のみで、他は裏声で発声しています。例えば、
地声最高音のhiA#裏声で対応するなど行えば、一般的な音域の男性でも原曲キーで歌うことが可能であると思います。ちなみにhiA#部分を除くと、地声の最高音はmid2G#です。声を出し慣れている男性ならば、手の届く範囲になります。

 歌い慣れている人で、裏声の発声がスムーズに行えるならば、努力次第である程度歌えると思います(原曲を忠実に再現するとなると地声のhiA#の再現が必要になります)。一方で、高音域が苦手な男性は、キーを2つ程度下げる(♭2程度)と良いと思います。

 美しいメロディーですので、優しい歌声を意識すると非常に引き立つと思います。

『Flamingo』(米津玄師)の音域と感想

 こんにちは。今回は米津玄師さんの9thシングル『Flamingo/TEENAGE RIOT』から、Flamingo』(2018)を取り上げます。よろしくお願いします。
 
 ※米津玄師さんの音域について、当ブログではこれまでに、『アイネクライネ』『爱丽丝(アリス)』『打上花火』(DAOKO×米津玄師)『打上花火』(米津玄師ソロver.)『馬と鹿』『海の幽霊』『orion』、『かいじゅうのマーチ』『恋と病熱』『春雷』『Nighthawks』『ナンバーナイン』『灰色と青 ( + 菅田将暉)』『飛燕』、『LOSER 』『ピースサイン』、『砂の惑星』米津玄師作詞作曲『パプリカ』(Foorin)『パプリカ』(米津玄師セルフカバー)『Flamingo』『フローライト』、『メトロノーム』『マトリョシカ』を取り上げています。興味を持たれた方は参考にどうぞ。


『Flamingo』(米津玄師),Flamingo(Kenshi Yonezu)
2018年10月31日発売


『Flamingo』(米津玄師)









【地声最低音】mid1D(D3) ※
曲全体を通して頻出

★唐紅の髪飾り あらましき恋敵(「こ」いがたき)
★あなたフラミンゴ 鮮や(かな)フラミンゴ
★寂し(さと)嫉妬ばっか残して 毎度あり
★あたしは右手 「に」ねこじゃら「



【地声最高音】hiA(A4) ※ラストのサビ1か所のみ  

★(ふら) ふら 「f笑っ」()もう帰()ない mid2G(G4)




 さて、『Flamingo』についてですが、2018年にシングルとしてリリースされ、米津さん自身が出演するSONYのワイヤレスイヤホン「WF-SP900」のCMソングのタイアップとしても話題になりました。

 『Flamingo』のサウンドとしては、リズム&ブルース、ファンク、日本民謡の要素から成り立っています。歌唱スタイルとしても民謡や島唄といった要素が非常に強く出ています。これまであまり見られなかった斬新な組み合わせだと思います。 

 個人的に特に耳を引いたは、楽曲全体に『声ネタ』『サンプリングボイス』が仕込まれている点です。これまでも米津さんの楽曲では声ネタが使われることが多かったのですが、この『Flamingo』はそれが楽曲の全体にわたり使われます。

 これら要素が様々合わさることで、非常に中毒性が高い楽曲に仕上がっています。両A面のもう一方の『Tennage Riot』が正当なギターロックであることを考えると、どちらかといえば「変化球」の楽曲であると思います。それがyoutubeのチャンネルでは2019年3月現在、7400万回も再生されていることを考えると、非常に面白くもあります。


 歌詞については、全体的にあまり日常的でない言葉が多用され、楽曲の中毒性を際立たせていると思います。歌詞の内容としては、「失恋」とりわけ「歓楽街での恋」を思わせます。楽曲のテイストもあり、西洋スタイルのナイトクラブ等ではなく、和の遊廓・花街などの想起させます。また、「あなた」のことを「フラミンゴ」と形容してる点、女性の艶っぽさとスタイルの良さなどを思わせます。



 




 さて、『Flamingo』の音域についてですが、地声最低音  mid1D(D3)~地声最高音 hiA(A4)で構成されています。全体として、男性の一般的な音域に該当するといえます。もし高いと感じられる方は、キーを1~2下げる(♭1~♭2)と良いと思います。逆に高音部が得意な方はキーを上げても良いと思います。米津さんの楽曲は必ずしも高い音域ではないので、キーを上げた方が歌いやすいという方もいると思います。

 注意すべき点は曲全体を通して、低音部が頻出することです。米津さんの楽曲群の中では必ずしもキーが低い作品ではないですが、Bメロ、サビ、Cメロと全体にわたり最低音部mid1D(D3)が登場します。特にサビでこれだけ低音部が登場する楽曲も珍しいのではないかと思います。

 カラオケなどで歌う際は高音部の再現に目が行きがちですが、この作品については低音部への意識を強く持った方がいいかもしれません。これは米津さんの楽曲の多くに言えることでもあります。米津さんの楽曲は高音域は必ずしも高いわけではありません。しかし、①テンポが速い、②メロディーの高低差が激しいなどの特徴から、高音部で息切れしてしまうといったことが起こりやすくなってしまいます。中低音部を効率的に発声することで、高音部での余裕を保っていきたいです。
 
 また、この楽曲はメロディーや発声、リズムが独特であります。最低限歌詞はちゃんと覚えておくようにしたいです。