J-POPの音域を詳しく調べる

J-POPを中心にボーカルの音域(キー)をそこそこ詳しく、細かく調べていきます。最高音や最低音以外も表記してます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

『ええねん』(ウルフルズ)の音域と感想

 こんにちは。今回はウルフルズの『ええねん』(2003)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。当ブログでウルフルズの楽曲を取り上げるのは今回が初めてです。


『ええねん』(ウルフルズ)、Eenen(Ulfuls)


【地声最低音】mid2B(B3)  

★心配m2B[せ]んで ええねん 僕を見[て]れば ええねん


【地声最高音】hiA(A4)  

mid2G[つっぱって突っぱし]hiA[る]
mid2G[それ]hiA[だ]けで(ラスト)



【補足】mid2F#,mid2Gの箇所

mid2G[ええ]mid2F#[ねん](コーラス)
mid2F#[何も言わん]でも ええねん
★それでmid2F#[ええ]ねん それでmid2G[ええ][ねん]
mid2F#[転んで転げ]まわ[る]
m2G[時々ドキド]m2F#][キ][る]


『ええねん』(ウルフルズ)
 まず、ウルフルズについて少し説明します。ウルフルズは1988年に結成された4人組ロックバンドです。1996年にリリースした『ガッツだぜ!!』によりブレイクしました。『ガッツだぜ!!』に加え、『バンザイ 〜好きでよかった〜』、『明日があるさ』(坂本九さんの楽曲のカバー)、『笑えれば』、『ええねん』などがよく知られた楽曲だと思います。

 さて、『ええねん』についてですが、2003年にウルフルズがリリースしたシングル曲です。チャート最高位は20位とあまり伸びなかったのですが、楽曲自体の評価は高く、その後、様々な場面で楽曲が使用されてきました。また、プロ野球の阪神タイガースが日本シリーズでの優勝を逃した際に、この『ええねん』がファンの気持ちを代弁する楽曲として広まった逸話もあるようです。楽曲自体は、一度脱退していたたベースのジョン・B・チョッパーさんの復帰を祝い、歓迎する意味合いが込められているようです。MVもチョッパーさんの復帰がモチーフになっております。このように、楽曲自体はじわじわ浸透していきました。
 ウルフルズのYoutube公式チャンネルではMVも公開されており、2019年6月現在、700万回超の再生回数を記録しております。ウルフルズの作品の中では上位に入る再生回数です。ちなみに、ウルフルズのトリビュートアルバムでは、シンガーソングライターの阿部真央さんがこの『ええねん』をカバー(原曲キーより1つ高い)しております。

 『ええねん』のサウンドについてですが、疾走感のあふれる直球のロックンロールです。非常にかっこいいです。特徴的な点としてですが、歌メロディー自体が非常に簡単なフレーズのみで構成されております。従来のJ-POPのようにAメロ、Bメロ、サビといった構成ではなく、最初から最後まで分かりやすいフレーズで突っ走ります。上図の音域を見ても分かりますが、非常に狭く、1オクターブもありません(ただ、キー自体は決して低くありません)。当ブログが取り上げた作品の中でも最も狭い音域なのではないかと思います。

 歌詞についてですが、『ええねん』というタイトルにあるように、聴き手を全肯定してくれる前向きなメッセージであふれています。無理矢理にでも元気を貰えるパワーの溢れた歌詞(とサウンド)です。個人的には、今のミュージシャンで言えばWANIMAなどが好きな人にはハマりそうな楽曲なのではないかと思います。
 
 


 最後に『ええねん』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3) ~【地声最高音】hiA(A4)でメロディーが構成されています。音域自体は一般的な男性より高いです。

 『ええねん』の特徴は音域が極めて狭いことです。歌メロディー自体は1オクターブもありません。原曲キーだと少し高いと思いますが、自分のキーに合ったところを探して、歌うことが可能な楽曲です。また、音程に合わせて上手く歌うこと以上に、元気に歌うことが重要な楽曲です。カラオケなどで歌う場合は、「元気さ」を意識すると良いと思います。
 
 一応、原曲キーについて言及すると、決して低いキーではありません。楽曲で頻出する高音部はmid2F#,mid2Gといった音階です。こうした音域は努力すれば到達しうるキーです。ゆえにある程度練習すれば、上手く歌いこなすことが出来ると思います。

 ただ、先にも述べたように必ずしも音程の正確さにこだわる必要はないと思います。もちろん、歌が上手く歌えることに越したことはありません。歌の上手さに加えて、元気さを強く意識した方が原曲のニュアンスが再現できると思います。hiAの箇所は少し高いですが、この辺も勢いで大丈夫です。カラオケなどで歌い慣れて、mid2F#,mid2G辺りが確実に歌えている人であれば、心配する必要はないのではないかと思います。

 一方で、声が低い人などは少しキーを落としてもかまわないと思います。自分の出しやすい箇所を探してください。「原曲キーで歌えるか」とかにこだわる必要はなく、歌う楽しさ、声を出す楽しさをかみ締める楽曲です。

 ちなみにこの『ええねん』をカバーした阿部真央さんは原曲キー+1(♯1)で歌唱されております。この場合、最高音がhiA#になります。



『鱗』(秦基博)の音域と感想

こんにちは。今回は秦基博さんの『鱗』(2007)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。
秦基博さんは『ひまわりの約束』以来の登場です。


『鱗』(秦基博),Uroko,(Motohiro Hata)


【地声最低音】mid1C#(C#3)  

★傷付くよりは まだ その方が[い]いように思えて
★まだ何ひとつも 君に伝[え]きれてないのに


【地声最高音】hiB(B4)  ※ラストのサビのみ

m2F#[身]m2G#[に][ま][と][っ][た][も][の]hiA#[は捨]hiB[て][て][ー]


【補足】

★少し伸びた前髪を かき上mid2F#[げ]mid2F[た](Aメロ)
★なm2F#[つ]m2F[の]風が 君をどこか(Bメロ)
★言[い][出]せずにいた想[い]m2G#[を][ー] [ねぇ]
m2F#[oh~き][に][いま] [会][い][た][い][ん][だ](サビ)
[会][い][に]hiA#[行]F#[くよ]
m2F#[お]m2F[よ][で][け] 君のもとへ

『鱗』(秦基博)
 まず、『鱗(うろこ)』についてです。この楽曲は2007年にシンガーソングライターの秦基博さんがリリースしたシングル作品です。編曲は亀田誠治さんにより行われております。
 『鱗』はリリース当初はそこまで大きな話題にならなかった印象ですが、長い時間をかけて広く知られていった印象があります。約2年前に、『タッチ』などで知られる漫画家のあだち充さんとのコラボレーションによるMVがYoutubeで公開されました。MVの動画は、2019年5月現在、およそ1300万回もの再生回数を記録しています。楽曲のリリースが2007年、動画公開が約2年前であることを考えると、『鱗』が根強く支持され続けている楽曲であることがうかがえます。

 『鱗』の歌詞についてですが、相手に対して自分の思いを伝えることを描いたラブソングです。「君」に対してひたむきに思いを伝えようとする「僕」を魚に喩えております。タイトルの『鱗』というのは、魚の体表を覆っているあの鱗(うろこ)です。本来、うろこというものは、魚の体を病原体や外的から守るために存在しているものであり、栄養分の補給なども担っております。必ずしも悪いものではないのですが、秦基博さんの『鱗』では、「言い訳」、「(悪い意味で)自分を守るもの」だという意味だと思います。「殻の中に閉じこもる」などのニュアンスに近いのかもしれません。『鱗』をそうした意味合いで使っているのは、非常に独特な喩えだと思いました。

 サビのメロディーについてですが、「僕」のひたむきさが非常に描かれている伸びやかな旋律だと思います。細かい点は後述しますが、高音部が続き、歌いこなすのが非常に大変です。しかし、そうしたメロディーラインが歌詞の内容をよく体現していると思います。秦基博さんのボーカルは「鋼とガラスで出来た声」だと言われているそうですが、彼の独特な声質が活きているメロディーラインなのではないかと思います。良い声質が活きるメロディーラインです。


 


 さて、『鱗』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3) ~【地声最高音】hiB(B4) でメロディーが構成されています。hiBが登場するのは1箇所のみですが、それでも一般的な男性の音域より高いです。

 まず、Aメロ、Bメロはmid2F,mid2G#といった音階が登場します。この辺りは一般的な男性でも歌い慣れてくると届きうる音階です。『鱗』に関しては、一つの目標として、「AメロとBメロを歌いこなす」という基準を定めておくと良いと思います。ポップスの中で「声が高い」とされる楽曲があります。そうした高音の楽曲は、たとえ全て歌いこなせなくても、使える部分だけは練習として使うというのはありうる選択肢だと思います。

 一方で、サビについてですが、通常のサビでもhiA#という音階が登場します。このキーは一般的な音域の男性では歌いこなすのが難しいゾーンです。しかも、上述しているようにmid2F#,mid2G#といった中高音のキーが続く中で、hiA#が登場します。かなり難易度が高いということを留意しておいてください。

 一つの選択肢として、hiA#,hiBといった音階をファルセット気味に歌うという方法がありえると思います。そうした裏声を使う方法だと、少しニュアンスが壊れてしまいそうです。しかし、例えば[会][い][に]hiA#[行]F#[くよ]の部分でいうと、F#[くよ]の箇所で声量が伴った発声ができると、hiA#[行]の部分でファルセットを使ってもあまり違和感がありません。

 ラストのサビで言えば、[も][の]hiA#[は捨]hiB[て][て][ー]」の部分の後半、「[て][ー]」」の部分で声量が伴った発声が出来ると、[の]hiA#[は捨]hiB[て]の部分が裏声でもカバーできると思います。この場合でもmid2F#,mid2G#辺りの音階は滑らかに歌いこなせる必要があります。その点は留意しておいてください。かなり歌い慣れている人が取りうる選択肢です。

 一般的な音域の男性の場合は、原曲よりも2~3程度キーを下げる方法がオーソドックスであると思います。



『ray』(BUMP OF CHICKEN)の音域と感想

 こんにちは。今回はBUMP OF CHIKENの『ray』(2014)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『ray』(BUMP OF CHICKEN)


【地声最低音】mid1A#(A#2)  

m1A#[お]別れしたのはもっと 前の事だったような(Aメロ)
★その時だけのメロディー1A#[を](Aメロ)


【地声最高音】mid2G(G4)  

★考える暇も無い程 あm2F[る]m2G[く]のは大変だ(サビ)
★あの痛2F[み]は わ2F[す]2G[れ]たって消えやしない



【補足】その他のmid2F箇所

★いつmid2F[ま]でどこまでなんて 正常か異常か2F[なん]

『ray』(BUMP OF CHICKEN)
 まず、『ray』についてです。この楽曲は2014年にBUMP OFCHICKENによりリリースされたアルバム『RAY』に収録された楽曲です。アルバムのと同名のリード曲で、リリースに先立ちYoutubeの公式チャンネルでもMVが公開されました。再生回数は2019年現在で、3800万回を越えており、非常に人気の高い作品の一つであると思います。
 また、『ray』はボーカロイドの初音ミクとコラボレーションしたバージョンも制作され、配信限定リリースされております。MVも公開され1300万回もの再生回数を記録しております。

 『ray』のサウンドについてです。一つの方向性として、このアルバム『RAY』の頃からBUMP OF CHICKENのパブリックイメージである「疾走感のあるギターロック」から変化したイメージです。当然、そうした楽曲が消失したわけではないです。それらの方向性の中で、『ray』はBUMP OF CHICKENの近作ではよく見られるようになったエレクトロニカよりのサウンドが導入されている楽曲のです。ボーカルにもエフェクトがかかっております。BUMP OF CHIKCENの中で一つの変化となった楽曲なのではないかと思います。初音ミクとのコラボも、ただ世の中の流れに乗ったというよりは、そうした意図を持ったものなのではないでしょうか。
 ボーカルのメロディーはポップで明るいものですが、四つ打ちのリズムが心地よいです。メロディー自体は必ずしも疾走感を感じさせるわけではないのですが、リズムが軽快感を演出しています。

 歌詞についてですが、個人的に好きだと感じたフレーズは「晴天とはほど遠い 終わらない暗闇にも  星を思い浮かべたなら すぐ銀河の中だ」です。宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』の一説に、「天の川が本当に川だとするならば、私たち地球もそうした天の川の水の中に住んでいることになる」といった場面が出てきます。これに近いニュアンスは幸村誠さんの漫画『プラネテス』にも登場したと思います。『ray』のこのフレーズは、そうした作品群を想起させるものがありました。今いる自分の場所も星々の煌めく銀河なのだと考えさせられます。

 

 さて、『ray』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#2) ~【地声最高音】mid2G(G4) でメロディーが構成されています。おおよそ一般的な男性の音域であると思います。

 カラオケで歌い慣れている人であれば楽しく歌える楽曲であると思います。普段歌い慣れていない人も努力を重ねることで報われやすい楽曲ではないでしょうか。mid2F,mid2Gといった中高音域を確実に歌いこなせるようにしていきたいです。

 一方で、高音域が得意かつ低音域が苦手な人はキーを少しあげても良いかも知れません。BUMP OF CHICKENは男性にとっては手を出しやすい作品が多いですが、一方で高音域が得意な方にはキーが少し低く感じる可能性もあります。その点だけは留意しておいてください。「キーが低い」と感じていても、高音域が得意でない人は、あまりキーを上げない方が良いかも知れません。その点は各々試してみると良いと思います。



管理人プロフィール

もりっしー

北九州市近郊に在住するギター初心者。

「気になる歌の音域データ、感想」を述べていくブログです。

【好きなもの】音楽(特に80年代~のポストパンク、邦楽ロック)/漫画/地理/炭酸飲料

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