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『打上花火』(DAOKO×米津玄師)の音域と感想

 こんにちは。今回はDAOKO×米津玄師の『打上花火』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。
 
 『打上花火』のついては、以前に米津玄師さんのソロバージョンを取り上げました。今回はアニメ映画にもなった一般的に知られているバージョンの方を取り上げます。

 
『打上花火』(DAOKO×米津玄師),Uchiage Hanabi(DAOKO×Kenshi Yonezu)


【地声最低音】mid1F#(F#3)
 

★より返す波が足元をよぎり[何]かを[さ]らう


【地声最高音】hiD#(D#5)  

hiA#[終]hiC#[わら]hiD#[ない][な]hiB[つ][が](サビ)
[よ][る]に咲いて hiD#[静][か][に][消][えた](Cメロ)
★アウトロの「lalala」の一部


【補足】その他の気をつける点

★夕凪のなか日暮れだけhiA#[が]hiB[通]り過[ぎ]てゆく(Bメロ)
hiA#[きっ]hiC#[と][ま]だ(サビ)



【米津パートの最高音と最低音】mid1A#(A#2)~mid2D#(D#4) 

★同じ花[火]を見られるかなって [笑]う顔に何が(最低音)
[何]度でも言葉にして君を呼ぶよ(最高音)


『打上花火』(DAOKO×米津玄師)











 まず、『打上花火』についてです。この楽曲はDAOKO×米津玄師名義で2017年にリリースされた作品です。この楽曲は、新房昭之監督のアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のために書き下ろされた作品で、主題歌となっております。編曲は米津玄師さんと田中隼人さんがたんとうされました。
 DAOKOさんのYouTube公式チャンネルでもMVが公開され、2019年4月現在、2億6000万回もの再生回数を記録しております。世間的には、映画以上に楽曲が浸透した印象があります。

 『打上花火』のサウンドについてです。以前に、米津玄師さんソロの『打上花火』については、和のテイストが非常に強い作品であることを述べました。一方で、DAOKOさんとの『打上花火』は和と洋がマッチされたような楽曲になっております。冒頭から入るピアノなどは坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス(Merry Christmas, Mr. Lawrence)』などを彷彿とさせますが、楽曲構造的には非常に類似しています。個人的には、前奏途中から登場するエレキギターの音色も良い仕事をしているように感じました。
 
 『打上花火』サビやCメロも和を漂わせるメロディーの構造になっております。こうした構造が聴き手に郷愁を生んでおります。例えば、先に挙げた『戦場のメリークリスマス』に加え、『上を向いて歩こう』、『木綿のハンカチーフ』、『春よ、来い』( 松任谷由実)、『SAKURA』(いきものがかり)『恋するフォーチュンクッキー』、『千本桜』などもそうです。あと、和のイメージとはやや遠いですが、RADWIMPSの『前前前世』もそうした構造になっております。





 

 さて、『打上花火』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3) ~【地声最高音】hiD#(D#5)でメロディーが構成されております(DAOKOさんのパート)。ちなみに米津玄師さんのパートはmid1A#(A#2)~mid2D#(D#4)となっており、やや低音寄りですが、歌い慣れていない男性でも苦労はしないと思います。

 DAOKOさんのパートは一般的な女性の声域よりはやや高い印象です。具体的な箇所としては「hiA#[終]hiC#[わら]hiD#[ない][な]hiB[つ][が]」の場面です。hiD#辺りになると、歌い慣れていても地声で歌うのが難しい人も出てくると思います。場合によってはキーを下げることを考えてみてください。

 ちなみに、裏声が器用に出せる人は、hiD#の箇所のみをファルセットにするなど上手く使い分けても良いかもしれません。1か所のみファルセットならば、原曲のニュアンスはあまり崩れません。

 普段歌い慣れていない女性は、hiBといった音階を上手くこなせるように意識して練習してください。ただ、打上花火は低音部も低いので、キーを下げての練習にはあまり向かない可能性もあります
その辺は各々試してみてください。

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