『世界の終わり』(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)の音域

がアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』に楽曲提供を行いました。それらをきっかけにミッシェルというバンドを知ったという人もおられるかもしれません。


　『世界の終わり』はアッパーなロックナンバーです。歌メロはAメロサビとシンプルですが、その分、バンド演奏の比率が高く、そうした部分も私は好きです。演奏時間はシングル版では4分半程度、アルバムバージョンだと６分近くあります。作詞作曲はボーカル＆ギターのチバユウスケさん、編曲はバンドによりなされました。

　『世界の終わり』の音域的な特徴についてです。同曲はおおよそ男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。ただ、相対的に高音寄りであるため、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しました。
　同曲は、荒々しいバンドサウンドが印象的な作品ですが、その分ボーカルの声域も中高音寄りとなっております。地声最高音mid2Gも全体で30回以上と多く、相対的にスタミナを消耗しやすいです。一方、全体的に高音寄りの分、ある程度高音域が得意な男性にはマッチしやすいかもしれません。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいのではないかと思います。標準的な音域の女性などはキーを4つ程度上げてみてください。一方、全体的に中高音寄りである分、女性が原曲キーで歌唱することも不可能ではありません。「標準より低い音域の女性」などが原曲キーなどで歌唱するのも選択肢としてあり得ると思います。



　最後に『世界の終わり』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、やや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はAメロで登場します。今回のmid1F#は歌い出しの瞬間的な音であるため、女性などはmid2A辺りで代用してもよいかもしれません。低音域が男性曲としては高いため、相対的に中高音域の割合が高くなり、その分男性は体力が求められます。

　次に、地声最高音mid2Gはサビで登場します。登場回数は32回程度とかなり多いです。今回のmid2Gは男性の音域の範囲内とされることが多いです。ただ、今回は登場回数が多く、全体的に中高音に酔ったメロディーになっていることから、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから１つ程度下げてみてください。


　『世界の終わり』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くないので、キー調整しやすいです。そのため、単純な音域の側面でみると、練習曲に向きやすいといえます。
　一方、ボーカルのチバユウスケさんは荒々しいがなり声が魅力的です。そういたボーカルを再現するには力量が求められます。今回の『世界の終わり』については、音域の面では融通が利きやすいですが、表現面では難しい部分があります。そうしたことを踏まえ、練習曲にすべきかどうか検討してみてください。原曲の表現にこだわらず、とにかく歌いたいのであればおススメだと思まます。

　『世界の終わり』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～mid2Gといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回は低音域が高めであり、その分中高音域の割合も増えます。そのため、スタミナも不可欠になります。
　こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。最低音が高い分、「標準より低い音域の女性」なども原曲キーでチャレンジ可能かもしれません。


　『世界の終わり』は荒々しいロック曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。