なお、同曲は、アーティストやレーベルの公式チャンネルでもショートバージョンやLiveの動画が公開されており、最高音や最低音が登場します。ただ、先日、THE FIRST TAKEにて、一発撮りの歌唱動画がアップロードされましたので、当ブログではそのTHE FIRST TAKEバージョンの動画を添付いたします。
今回は、音域調査でラップパートは基本的に除外しております。一応地声最低音にあたる部分がラップパートで登場しますので、その点については触れております。
『Imitation Rain』(SixTONES)
【地声最低音】mid1D#(D#3)
★m1D#[You said] “m2D#[I] will be the sky and D#[you] will be the sun m1F[to] shine【Aメロ】
★Imitation Rain 時には激しく心にm1D#[降]り注m1F[ぐ]【サビ】
※厳密にはラップパートでmid1A#が多く登場します。歌メロではmid1D#
【地声最高音】hiA(A4) ※曲全体で5回程度
★m2G#[戻]hiA[れ]な[い] [時代(とき)を]A[振][り]返る【ラストサビ[転調パート]】
☆hiA地–m2G#[ゆ]め[の]hiB裏[世]A[界][に]
※☆のフレーズはTHE FIRST TAKEでは裏声中心に歌われております。
【裏声最高音】hiC#(C#5) ※曲全体で1回
★m2G#-hiA[いつか[は]た[ど]hiB-hiC#裏[り[着]く]A{よ]【ラストサビ[転調パート]】
【補足】mid2D#(一部略)~mid2Gを含むフレーズ一覧
★Fake dreams 壊れてゆく ガラスm2D#[の]薔[薇]m2F[の][よう]に Ah-【Aメロ】
★Imi[ta]tion Rain 時にm2D#[は]はげしく【サビ】
★くれなm2D#[い]に[染]m2F–m2G[ま[る]ま][で] [あ]めD#–F[に[打]た]れて
★Close your eyes (m2G–m2F[La]la]la [la]lala lalala you will be loved)【2番Aメロ】
★m2D#[Dan]cing in the rain 夢[を]もm2F#–m2F[と]め]て【Cメロ[ラップの後]】
★m2E[な]m2F#[が]れ[る時]間を(止めてMy friend)【ラストサビ[転調パート]】
まず、『Imitation Rain』(イミテーション・レイン )についてです。この楽曲は、2020年に男性アイドルグループのSixTONES(ストーンズ)によりリリースされたシングル作品です。記念すべきデビューシングルであり、ライバル関係であるSnow Manの『D.D.』を含めた両A面ののスプリットシングルとしてリリースされました。Snow Manとのライバル関係や記念すべきデビュー曲、また楽曲の質も相まって、『Imitation Rain/D.D.』はCDシングルとしてミリオンヒットを記録しました。
『Imitation Rain』はアルバムとしては、『1ST』(ファースト)に収められており、『NAVIGATOR』、『NEW ERA』といったシングルが収録されております。こちらの『1ST』についても50万枚を超える大ヒットを記録しております。シングル曲にはアニメの主題歌なども含まれておりますので、アニメを視聴していた方には思い入れのある楽曲かもしれません。
SixTONESの昨年リリースされたシングル『マスカラ』はKing Gnuの常田大希さんの楽曲提供で話題を呼びました。一方、デビューシングルの『Imitation Rain』については、作詞作曲編曲をX JAPANのYOSHIKIさんが担当しております。同曲を視聴された方はどことなく、X JAPANっぽさが感じられるのではないかと思います。SixTONESのYouTube公式チャンネルで公開されているMVはフルバージョンではないにもかかわらず、4000万回近い再生回数を記録しております(2022年1月現在)。
さて、『Imitation Rain』はイントロのピアノなどが印象的なバンドナンバーです。歌メロはAメロサビ、Cメロラップパートなどから成っております。Aメロは四つ打ちでダンスっぽい反面、サビではしっとりと歌謡的であり、ラップパートはエレキギターが活きたサウンドとなっており、パートごとに特色があります。また、要所要所で転調が行われております。とりわけラストサビの【戻れない時代を振り返る】の部分は楽曲の大きな見せ場ですが、慣れないと少し音程が取り辛いかもしれません。
『Imitation Rain』の音域的な特徴についてです。同曲は、基本的な部分は一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。ただ、ラストサビの一部だけは男性として高めのパートがあります。そのため、同曲を一人で歌唱する場合は、一般的な男性の音域よりも高めのレンジが要求されます。よって、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。但し、同曲は一部難しい部分がありますので、キーを下げ過ぎるのは禁物です(また、人によっては原曲キーの方が良いかもしれません)。
最後に『Imitation Rain』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1D#はAメロやサビで登場します。この辺りは男性の声域の範囲内でありますが、低音域が苦手な人は少し歌いにくいかもしれません。また、女性にとってはかなり低いレンジになります。よって、女性や高音域が非常に得意な男性は、キーを上げた方が歌いやすいです。
次に、地声最高音hiAについては、ラストサビの転調部分で登場します。ここは京本大我さんが中心となっており、楽曲一番の見せ所といえるかもしれません。この地声最高音hiAが登場する場面だけは、男性として高めの声域となっております。よって、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
一方、『Imitation Rain』は全体的にみると、J-POPの男性曲としてはそこまで高くありません。そのため、先ほど挙げた「最高音が登場する盛り上がり場面」と、「通常のサビ等」との間のギャップがあります。よって、キーを下げ過ぎると、通常のサビの部分が歌いにくく感じられたりするかもしれません。その点は、各々実際に歌唱してみて、「少しキーを下げた方がしっくりくる」、「少し無理をしてでも原曲キーで歌った方が合いやすい」といったそれぞれにちょうど良いキー探してみてください。
『Imitation Rain』は低音部分に余地があり、キー下げなどは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意な声域に調整することができるのではないかと思います。一方で、同曲は最低音がサビで登場する等、アップダウンが激しい曲でもあります。その点は留意しておいてください。
ちなみに、私なりのイメージですが、同曲は初心者などには向きにくい作品だと思います。音域の広さなどもそうですが、全体としてメロの上下があり、表現力が求められます。その点で、歌い慣れていない人は手を付けにくいのではないかと思います。
『Imitation Rain』を原曲キーで歌唱する場合、高音域はhiA,mid2G#といった高めの地声声域が求められます。反面、通常のサビではmid2D~mid2G辺りで魅力的な歌唱が出来ると映えやすいです。全体として低音から高音までしっかり要求されるため、低音域も高音域も安定した歌唱力が求められます。その点で表現力が試される作品といえるかもしれません。
原曲キーで合いやすいのは、hiA,mid2G#辺りがしっかり出せる男性だと思います。ただ、先にも述べたように、通常サビは滅茶苦茶には高くないですので、高音域が得意過ぎると、逆に通常のサビが歌いにくいかもしれません。
『Imitation Rain』はアイドルの作品ですが、歌いこなすにはしっかりとした音程や表現力が求められます。音程を取るだけならそうでもないかもしれませんが、歌いこなすには力量が必要な作品だと個人的には感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。