なお、今回はセリフパートが多いため、調査対象外としてる場面が多いです。基本的にAメロとサビメロだけを調査しております(サビは幾度の転調で様々なキーが登場する)。その点を踏まえた上で、記事をご拝読ください。
『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』(しぐれうい)
【地声最低音】mid2A#(A#3)
★m2A#[嗚]呼 こ[の]世[の]み[に]く[さ]を【サビ[転調−3](B♭m)】
★真っ白なm2A#–m2G#[キャン]バ]スが 穢れて泣いている
【地声最高音】hiD(D5) ※全体で2回(台詞パートも含めるともっと多い)
★B-hiC–hiD[と[て[もや]さし]く]C[て] 素C[敵]な]お[に]いちゃん【サビ[転調+3](Em)】
【補足】hiB~hiC#を含むフレーズ一覧
★将来は お前hiB[なん]かに 好かれたくない【Aメロ】
★泥水で 口をhiB–hiC#[あ[ら]え
★まともじゃないhiB–hiA[な]ら] 早く消えてください【サビ(C#m)】
★Lovely ロリロリ神 降hiA[臨] 鐘を[鳴]ら[せ]ば[こ]の[と]おhiB[り]【サビ[転調+3](Em)】
★らくhiB–hiA[え]んで]ホラ ねんねしな
★少女m2G#[は] そhiC–hiA#[っ]と]手を掴む 『楽園など無いから』【サビ(C#[B♭m])⇒サビ[C#m]】
まず、『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』(しゅくせいろりかみれくいえむ)についてです。この楽曲は、2022年にイラストレーター・漫画家としても活躍されるバーチャルYouTuberのしぐれういさんによりリリースされたアルバム『まだ雨はやまない』に収録されております。同アルバムは、「雨」をコンセプトとしたアルバムであり、カバー曲も7曲収録されております。
さて、『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』はアルバムの1曲でありますが、2023年9月にミュージックビデオが制作・公開されて以降爆発的な人気を獲得しました。中毒性のあるメロや歌詞もそうですが、【しぐれうい(9さい)】がキレのいいダンスを踊るアニメーションなどが大きな話題を呼び、日本のみならず、世界でも大きくバズっているようです。公開されたミュージックビデオは既に5000万回を超えており、今年を代表するヒット曲の1つとなっています(2023年11月4日時点)。
『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』はアッパーなデジタルポップです。中毒性のある歌詞とメロディーが魅力的な作品であり、セリフパートなども印象的です。また、同曲は全体的に転調が多く、そうした点もより中毒性に拍車をかけております。しぐれういさんも可愛らしい声で歌唱しており、全体的に高い声域となっています。
同曲の作詞はまろんさん、作曲編曲はD.wattさんによりなされました。両者は北海道札幌市に拠点を置く同人サークル・イオシス(IOSYS)に所属しております。イオシスは『東方Project』のアレンジCDなどで2000年代から知られており、またアニメのキャラクターソング、ゲームの主題歌なども担当しております。
『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域と比べ、高めのレンジで歌メロが作られております(台詞パートなども含めると、女声としては「明確に高い」レンジ)。低音域には余地があるため、一般的な女性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
同曲は、最低音がmid2A#であり、女性の音域としては低音がやや高いです。そのため、全体でみると中高音域も多く見られる楽曲となっています。セリフの場面までしっかり歌いこなすと、スタミナが求められる楽曲なのではないかと思います。
ちなみに、同曲は転調が多い作品ですが、比較的音程は取りやすいと思います。ただ、後半に登場する【Lonely 振り向いた少女はそっと手を掴む 『楽園など無いから』】辺りは、やや目まぐるしい動き(B♭m⇒C#⇒C#m)となっており、人によっては少し音程が取りにくい可能性があります。その点は原曲をよく聴き込んでおきたいです。
最後に『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A#(A#3)~【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域としては、高め(台詞パートなども含めると「明確に高い」)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid2A#はDメロにあたる場面で登場します(メロはサビと同じ)。この辺りは女性の音域の範囲内です。ただ、mid2A#が連続しますので、高音域が得意な人だともしかしたら若干歌いにくく感じられるかもしれません。
次に、地声最高音hiDはサビで登場します。登場回数は全体で2回程度です。このhiDに次ぐ高音としては、hiCがピークとなる場面が全体で5回程度、hiBが12回程度登場します。また、今回は全体的に中高音域が多いため、見た目よりも高音感があります。そのため、一般的な女性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原キーから1~2つ程度下げてみてください。
『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。また、ビギナー向けの調整も可能だと思いますが、もしかしたら一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
ちなみに、同曲はセリフのパートも比較的高い声域で歌われております。全部をしっかり歌うと女声域としては明確に高く、体力的に辛くなりやすいです。ただ、高音域が得意な女性だと楽しめる楽曲かもしれません。
『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』を原曲キーで歌唱する場合、地声でhiA~hiDといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は相対的に中高音域が多く、見た目よりも高音感があります。
こうしたことを踏まえると、「ある程度~非常に高音域が得意な女性」が原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。今回は「ういちゃん!ういちゃん!」、「助かる〜ゥ」など合いの手も楽しい楽曲ですので、複数人で歌うのも楽しいかもしれません。
【まとめ】
①滅茶苦茶に高いわけではないが、全体的に中高音寄り(セリフなども高い)
②原キーだと「ある程度~非常に高音域が得意な女性」に合いそう
③複数人で歌うのも楽しそう