なお、Sentimental boysは現在、バンド名義をOs Ossos(オズオッソス)と改名して活動されております。ただ、バンドのYouTube公式チャンネルでのタイトルやストリーミングサイトでも「Sentimental boys」名義となっているので、今回はアーティスト名はSentimental boysとして紹介します。
ちなみに、この楽曲は、現在DAMやJOYSOUNDのカラオケなどでは配信されていないようです。ただ、私自身は凄くいい曲だと感じましたので、今後配信されると嬉しく思います。今のところは弾き語りなどで参考になればと思います。
『metro.』(Sentimental boys)
【地声最低音】mid1C#(C#3) ※曲全体で1回
★今m2E[は]まだ遠いm1E[け]ぉ【Aメロ】
★捻くれがちな日m1E[々]m1D#[で]E[す]
★東京の街並みも全部 m1C#[みわ]m1E[た]せ[る]丘があ[っ]たらなぁ【Bメロ】
m2E[きょ]うもまm1E[た] よ[く]ぼうの風に揺[られて]ふ[ら]ふらと
★東京の街並みも全部 m1C#[みわ]m1E[た]せ[る]丘があ[っ]たらなぁ【Bメロ】
m2E[きょ]うもまm1E[た] よ[く]ぼうの風に揺[られて]ふ[ら]ふらと
※mid1E,mid1F#辺りも多い
【地声最高音】hiB(B4) ※曲全体で7~8回
★オレンhiB[ジ]m2G#[色]m2F#[の]ぉひ[か]りで照[らし]G#[て]【サビ】
★この暗い地hiB[下]室をのm2F#[み]B[込]hiA[んで]m2G#[ぇ]【Cメロ】
★hiB[い]m2G#[ま]m2F#[か]らくすん[だ]街で音を[鳴]らすのG#–F#[さ]ぁ[あ]ぁ]
★降m2F#–m2G#[り[ら]れ[た]ら一F#–G#[緒[に]hiB[か]G#[え][ろ]う【ラストサビ】
【補足】mid2E(一部略)~mid2F#を含むフレーズ一覧
★いつm2F#[か]m2E[は]教えてお[く]れ[よ]ぉ【Aメロ】
★m1E[こ]ちらは如何m2F#[せ]m2E[ん]
★m2E[メ]トm2F#[ロ][は][今宵も沈ん]だF#[そ][ら]を 【サビ】
★(同じ駅で)降m2F#–m2G#[り[ら]れ]たら一[緒]にF#-G#[か[え]ろ]う
★押し寄せるせいじゃm2F#[く]に[つ]つま[れ]m2G#[て]【Cメロ】
★沈んだm2F#[そ]ら[をぉぉ]m2G#[ぉぉ]【アウトロ】
★あなm2F#[た]の声と溶け[て]ゆ[くぅぅ]m2G#[ぅぅぅ]
まず、Sentimental boys(センチメンタルボーイズ)について少し説明します。Sentimental boysは長野県出身のロックバンドです。高校時代に結成されたバンドが母体となっており、2012年に本格始動しました。2015年に1stアルバム『Parade』を発表、2018年には『Festival』をリリースします。ちなみに、バンド名はGOING STEADYの楽曲「Sentimental boys」に由来しております。その後、2019年にバンド名をOs Ossos(オズオッソス)に改名しております。Sentimental boys[現・Os Ossos]は、私としては残響感のあるバンドサウンド等が魅力です。今回取り上げる『metro.』にもその特徴が表れております。私は同バンドをリクエストにより初めて知り、作品を一通り視聴したのですが、楽曲単位では『気のあう二人』、『青すぎた空』、『君と泳いだ日』、『春のゆくえ』といった作品が気に入りました。全体として残響感のあるサウンドが非常に心地よく、「もっと早く知りたかった」と思いました。くるりの初期などが好きな方は非常に合うのではないかと思います。
ボーカル上原浩樹さんの声は最近のバンドとしては、男性性が強く、艶っぽさがあります。また、情景などが描写豊かな歌詞なども含め魅力的なバンドです。
さて、『metro.』(メトロ)についてです。この楽曲は、2015年に、ロックバンドSentimental boysによりリリースされたシングル作品です。元々は、タワーレコードやindiesmusic.comでの限定シングルであり、その後、同じ年にリリースされたフルアルバム『Parade』にも収められました。
同アルバムは、『Boredom City Parade』、『青のゆくえ』などが収録されており、私自身は初めて聴いた際に非常にいいアルバムだと感じました。J-POPによくあるような展開の楽曲というのは少ないのですが、もっと多くの人に届いてもいいと強く思ったアルバムであります。演奏はポストロック、シューゲイザー感がありながら、どこか懐かしいようなボーカルです。その中で、『metro.』はアルバムの1曲目に収められており、先述のようにシングル化もされております。
『metro.』はゆったりとしたテンポのバンドナンバーです。歌メロに関しては、アルバムの他の曲と比べてもAメロBメロサビといった構造を明確にもった作品であり、比較的馴染みやすい作品なのではないかと思います。
一方で、同曲は、プログレなどの作品ではないのですが、演奏時間が6分を超えており、最近のJ-POPと比べると非常に長いです。まず、イントロ~歌い出しまでが1分20秒近くあり、1番が終わるころには3分50秒近く経っております。ただ、私自身は、そうした時間の長さを感じさせないほど、バンドの演奏が素晴らしく感じました。反面、歌謡的な歌メロもよく、もっと知られてもいい曲ではないかと思います。バンドの公式チャンネルにはミュージックビデオが公開されておりますが、それも含めて、非常によいです。
『metro.』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性としては高いレンジで歌メロが作られております。楽曲自体は「静」のAメロBメロ、「動」のサビCメロといった形になっており、「静」の部分ではやや低い音が登場し、「動」は男性としてかなり高い場面があります。一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいですが、音域自体が広いため、大きなキー下げなどには向きにくいです。また、女性については、低音域がネックになりますので、キーを上げた方が歌いやすいです。
最後に『metro.』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1C#はBメロで登場します。登場回数は1場面であり、多くはありません。ただ、同曲は、mid1Eなどが比較的多くみられます。その点で、高音域が非常に得意な男性は少し歌いにくいかもしれません。一方、女性にとってはかなり低いレンジになりますので、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。
一方、地声最高音hiBについては、サビやCメロで登場します。登場回数は7回程度とやや多いです。よって、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。目安としてですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください(♭3)。
『metro.』は低音域に若干の余地があるため、キー下げは可能です。ただ、先述のように、音域自体が広く、mid1Eなどの頻度が高いため、大きなキー下げには向きにくいです。そのため、キー調整をするにしても歌い慣れた人向けの楽曲なのではないかと私は分析しました。
同曲は歌メロ自体は親しみやすいと私は感じております。ただ、全体としてメロがゆったりとしているため、ボーカルの力が問われます。そのため、歌い慣れていない人はテンポを上げて歌ってみるのもよいかもしれません。
『metro.』を原曲キーで歌唱する場合、サビなどで多くみられるhiB辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。先ほど、私はAメロBメロは「静」だと比喩しましたが、歌メロに関してはmid2F#などが登場し、意外と高い場面があります。その点で、低音域~中高音域もしっかり歌いこなせる力が求められます。
原曲キーの場合は、ある程度高音域が得意な男性が合いやすいと思います。私なりのイメージですが、高音域が「非常に」得意な男性は低音が若干歌いにくいのではないかと思います。また、女性はキーを上げた方が歌いやすいです。
先述しておりますが、同曲は歌メロがゆったりめであり、その点が逆に難しい部分でもあります。歌い手の音程の正確さや表現力、リズム感など歌唱力が問われます。
『metro.』は音域が広く、その点で難しい部分もあります。ただ、メロや歌詞などは親しみやすく、私自身は非常に耳に残りました。サウンドやMVも非常によいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。