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『Love is…』(河村隆一)の音域[1997年の作品]

 こんにちは。今回は河村隆一さんの『Love is…』(1997)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。当ブログでは、以前に河村隆一さんがボーカルを務めるLUNA SEAの『STORM』(過去記事)を取り上げましたが、河村さんのソロ曲を取り上げるのは今回が初となります。


『Love is…』(河村隆一)、Love is…(Ryuichi Kawamura)
『Love is...』(河村隆一)の音域







【地声最低音】mid1C#(C#3) 

★だけどm2D#[キ]ミは m1C#[ぼ]くの前では 上手に笑m1F#[わ]ない【Aメロ】
m1C#[や]まないm2D#[あ]めに 打たれても

※mid1C#は参考までに。mid1F#辺りを低音の基準にしてもよい


【地声最高音】mid2G(G4)  ※サビで登場

m2D#[い][ま]m2G[で]m2F[も] [は]なさない【サビ】
★Please close to me more m2D#[and don’t] m2G[leave] m2F[me] alon[e]【ラストサビ】


【補足】mid2D#mid2Fを含むフレーズ一覧

★消えやしない キミへm2D#[の][ロ]m2F[ディ]【Aメロ】

★たとえ誰m2D#[を き]ずつけ[て]m2F[も]【サビ】
★いつまでも 側にいて この世界がm2D#[壊]れるまで[ぇ]

※ラストサビ前にある間奏のフェイクはhiA#になります。

 まず、河村隆一(かわむらりゅういち)さんについて少し説明します。河村隆一さんはヴィジュアル系ロックバンドLUNA SEAのボーカルとして1992年にメジャーデビューしました。バンドで目覚ましい活躍をしたのちに、1997年の1年間と、2001年以降にソロとして活動されております(現在はLUNA SEAと並行して活動されているようです)。

 河村隆一さんは1997年に1年間ソロ活動を行うのですが、バンドとは異なる親しみやすいキャラクター、ポップな楽曲が大きく受け、記録的なヒットを生み出します。この年に発売された4枚のシングルはミリオンヒットなどいずれも好セールスを記録しました。年末にリリースされたアルバム『Love』は300万枚を記録し、歴代の男性ソロのアルバムの最高売上となっております(2021年現在も破られていないそうです)。
 その後、2001年以降もソロとして活動し、ドラマ出演や楽曲提供なども積極的に行ってまいりました。また、バンドTourbillon(トゥールビヨン)でも活躍されております。現在は、これらの活動に加え、再結成されたLUNA SEAのボーカルとしても継続的なバンド活動を行っております。


 さて、『Love is…』(ラブ イズ)についてです。この楽曲は、1997年にLUNA SEAのボーカルである河村隆一さんによりリリースされたシングル作品です。アルバム『Love』の先行シングルとしてリリースされながらも70万枚以上の大ヒットを記録しました。河村さんは、この曲で『第48回NHK紅白歌合戦』にも出演しております。

 『Love is…』はピアノを基調としたバラード曲であります。歌メロはサビとAメロで構成されており、シンプルであります。メロディアスであり、リズムなども親しみやすいです。作詞は河村隆一さんと吉田美智子さんの共同、作曲は吉田美智子さん、編曲は土方隆行さんによりなされております。
 編曲の土方隆行さんさんは、有名な楽曲としては、エレファントカシマシの『悲しみの果て』、スピッツの『空も飛べるはず』、黒夢の『MARIA』、SADSの『忘却の空』などのアレンジを担当されております(いずれもバンドとの共同編曲)。また、ギタリストとして多くの歌手のレコーディングにも参加されております。


 『Love is…』の声域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の声域の範囲内で歌メロが作られております(フェイクは除く)。地声最高音mid2Gについては多く登場しますが、低音部分は上の鍵盤画像が示す程には低くありません。そのため、キー下げなども可能です。ただ、「一般的な男性の声域の範囲内」とは言っても河村さんのように歌いこなすには、当然力量が必要になります。

 河村隆一さんは1997年にソロシングルとして、『I love you』、『Glass』、『BEAT』、『Love is…』の4曲をリリースされました。大ヒットした4曲の中では、100万枚のセールスを記録した『Glass』が一番知られていると思うのですが、今回は『Love is…』を記事として取り上げることにしました。
 『Love is…』を選んだ理由としては、4曲の中では恐らく一番取っ付きやすいと感じたからです。残りの3曲は、裏声が多用されていたり、キーが高いなどといったハードルがあります。『Love is…』はmid2D#~mid2G辺りをしっかり歌いこなすための練習曲としてよいのではないかと私自身感じ、今回選曲いたしました。河村さんの表現なども参考になると思います。


 最後に『Love is…』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の声域の範囲内といえます。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1C#にについてはAメロで登場します。ただ、このmid1C#についてはあまり気にしなくてもよいのではないかと私は感じております。一つの目安ですが、mid1F#辺りをキー調整の基準としてもよいのではないかと思います。

 一方、地声最高音mid2Gについては、サビで登場します。【m2D#[い][ま]m2G[で]m2F[も] [は]なさない】などに代表するフレーズです。ここは大よそ一般的な男性の声域の範囲内であり、歌い慣れた人であれば原曲キーでもチャレンジ可能です。歌い慣れていない人や高音が苦手な方は少しキーを下げてもよいと思います。
 同曲の高音域は、mid2Fやmid2Gであり滅茶苦茶には高くないですが、河村隆一さんは、かなりパワフルな声量で歌唱されております。この河村さんの抑揚の付け方などは、mid2F~mid2G辺りを安定してしっかり歌いこなすのに役に立ちやすいのではないかと感じました。そうした河村さんの表現の面まで着目して練習してみるとよいと思います。

 『Love is…』は上の鍵盤画像が示す以上に低音部分に余裕あり、キー下げは可能です。歌い慣れた人はもちろんですが、ビギナーなどにも合いやすいレンジに合わせることが可能ではないかと思います。ただ、先にも述べたように、河村さん自身はかなり特徴的な歌唱をされており、ボーカルもパワフルです。そうした表現の面までしっかり歌いこなすには努力が必要不可欠になります。原曲の発声などを参考にしながら少しずつ練習に励んでください。

 『Love is…』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#~mid2G(フェイクを含めるとhiA#)までしっかり歌いこなせる力が求められます。私なりの印象ですが、歌が上手い男性とそうでない男性の明確な違いは、このmid2D#~mid2G辺りにあるのではないかと考えております。この辺りがしっかり歌いこなせると、歌える人気曲が増えてきます。

 『Love is…』は原曲のように歌いこなすには力が必要ですが、音域だけを見ると比較的取っ付きやすい作品です。カラオケ等で歌いこなせるとカッコいいのではないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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