『恋風邪にのせて』(Vaundy)の音域 [ 2022年の作品]

　まず、『恋風邪にのせて』（こいかぜにのせて）についてです。この楽曲は、2022年に男性シンガーソングライターのVaundyさんによりリリースされたシングル作品です。最新シングルですので、現在アルバムには未収録です。
　さて、『恋風邪にのせて』はAbemaTVで放送されている恋愛リアリティ番組『彼とオオカミちゃんには騙されない』の主題歌として書き下ろされました。同番組を視聴されている方にはお馴染みの作品かもしれません。

　Vaundyさんは、昨年は精力的にな配信シングルのリリースを続けておりますが、いずれもアルバムなどには収録されておりません。ファンの間ではそろそろアルバムのリリースなどを期待されている方も居られるかもしれません。また、同氏は2022年より、ソニー系のレーベルに所属しておられるようです。今後は、アニメやドラマ・映画などの主題歌も多く担当するのではないかと私自身は推測しております（当ブログでも以前に、アニメの主題歌である『裸の勇者』(過去記事)を取り上げました）。


　『恋風邪にのせて』はミドルテンポのやや落ち着いたポップナンバーです。イントロのリフなどが印象的です。歌メロについてはAメロ(Bメロ)サビといった形で作られて比較的シンプルな楽曲だと私は感じました。 同曲は、2番以降は間奏がほぼ無く、ラストまで歌メロが続きます。そのため、楽曲の終盤などは意外としんどく感じられるかもしれません。

　『恋風邪にのせて』の音域的な特徴です。同曲は、男性としては高めのレンジで歌メロが作られております。具体的には地声最高音hiBが1回（個人的には必須ではないと考えます）、そのほかのhiA,mid2G#nなどの頻度が高いです。そのため、一般的な男性の場合はキーを下げた方が歌いやすいです。
　ちなみに、女性が歌う場合は通常はキーを上げた方が合いやすいです。ただ、人によっては原曲キーなどが丁度よいという方もおられるかもしれません（そうした方でも低音域が少し大変だと思います）。


　最後に『恋風邪にのせて』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。


　まず、地声最低音mid1C#はAメロで登場します。ここは一般的な男性の音域の範囲内ですが、低音域が苦手な方などは少し歌いにくいかもしれません。また、女性にとってはかなり低いレンジであり、通常はキーを上げた方が歌いやすいといえます。ただ、歌ってみたなどの動画を見ていると、低音が曖昧になっているものの、原曲キーで歌唱されている女性なども見られました。

　一方、地声最高音hiBはCメロで1回だけ登場します。このhiBは原曲では地声感が強いですが、場合によっては裏声で歌ってもよいのではないかと私は考えました。ただ、最高音hiBを除いても、サビを中心にhiA,mid2G#辺りの頻度が高いため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください。


　『恋風邪にのせて』は低音域に若干の余地があり、少しであればキー下げなどは可能です。ただ、音域自体が広いため、大きなキー調整にはあまり向きません。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することが可能だと思います。ただ、標準的なビギナーの練習曲としてはやや使いづらいと私は判断しました。
　同曲はリズムなどはそこまで難しい部分は多くなく、ある程度歌い慣れた人であればキー調整をすればチャレンジしやすいと思います（難易度が易しいわけではない）。個人的には最近のポップスとしては歌メロがゆったりしており、その点でも歌いやすそうに感じました。一方で、Cメロはmid1E～hiC#まで音程が上下、アップダウンが激しく、正確な音程が求められます。


　『恋風邪にのせて』を原曲キーで歌唱する場合、目安として地声でhiA,mid2G#辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。同曲は、サビを中心にhiAが15回程度登場し、かなり多いです。そのため、「(ある程度)高音域が得意な男性」などが合いやすいです。
　同曲は、Vaundyさんらしく、要所で裏声なども多く使われております。そうした器用な裏声表現も必要不可欠になります。それらを含めて練習を重ねてください。

　『恋風邪にのせて』はミドルテンポのポップなナンバーであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。