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『踊り子』( Vaundy )の音域 [2021年の作品]

こんにちは。今回はVaundyの『踊り子』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『踊り子』(Vaundy)、Odoriko(Vaundy)
『踊り子』(Vaundy)の音域






【地声最低音】mid1D(D3) 

m1E[ねぇ]どっかに置いてきたm2D[よう]なとがひとつふたつ【Aメロ】
m1D[ねぇ]ちゃんと拾っておm2D[こ]う はじけて忘れてしまう前に

m1E[止]まりどっかでm1E[ま]たやり直せたら【サビ】

【地声最高音】mid2E(E4)  ※曲全体で6回程度

★とぅるるm2D[る] とぅるる[る] とぅm2E[る][る]【サビ】


【裏声最高音】mid2G(G4) ※Aメロで2回ずつ

★こm2Gm2F[と]がひと[つふ]た]つ浮いているm1E[け]【Aメロ】


【補足】mid2Dmid2D#を含むフレーズ一覧

★ねぇ回りm2D[だし]たあの子とm2D#[ぼ]くの未m1F#[来]m1G[が]【サビ】


★ああ おm2D[も]いを蹴ってふ[た]りでしてんだ 壊(わす)れない愛を歌う【2番Bメロ】
★時代に乗って僕達は m2D#[変わらず愛]に生きるだろう【ラストサビ】

 まず、『踊り子』(おどりこ)についてです。この楽曲は、2021年に男性シンガーソングライターのVaundy(バウンディ)によりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングル曲であり、アルバムには現在未収録です。
 同曲は、MVに小松菜奈さんが出演していることでも話題となっております。この楽曲のMVが公開される少し前に小松奈々さんと菅田将暉さんの結婚が発表されており、そうした点でも大きな注目を集めました。楽曲そのものも話題を呼び、VaundyのYouTube公式チャンネルで公開されているMVは、2021年12月現在、900万回を超える再生回数を記録しております。ミュージックビデオのの公開からまだ1か月弱であり、今年にリリースされた作品と比べても非常に速いペースではないかと思います。同曲は、ノンタイアップの作品であり、そうした点でも異例とも言えます。

 『踊り子』はアップテンポながらしっとりしたポップナンバーです。どことなく、欧米のポスト・パンク、インディーロック(ポップ)感があり、個人的には非常に刺さりました。私個人としては、これまでのVaundyさんの作品では1番好きな曲かもしれません。
 古い楽曲ですが、私は、1989年に英国のロックバンドThe Cureが発表した『Lovesong』という作品を想起させられました。ただ、『Lovesong』ではベースやドラム以外にもギターやキーボードも強調されております。反面、Vaundyさんの『踊り子』はベースとドラムパートにかなり強い比重が置かれており、J-POPとしても大胆なアレンジにも感じました。歌メロもAメロサビCメロと非常にシンプルであり、こうした楽曲に再生回数が集まるのは、個人的にはうれしく感じます。


 『踊り子』の声域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の声域の範囲内で歌メロが作られております。最近の作品としては、高音域が少なく、一般的な男性でもアプローチしやすいといえます。
 一方で、同曲はボーカルの声量がやや弱めに歌われております。『踊り子』は「夢に出てきた知らない女の子」、「夢と現実の狭間」のようなニュアンスがあり、どこか気だるげな歌唱がされております。そうした点で、ある程度表現力が要求される作品ではないかと思います。私自身、儚げな歌詞も特に気に入っております。


 最後に『踊り子』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2E(E4)、裏声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の声域の範囲内といえます。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1DについてはAメロで登場します。ここは、厳密にこだわらなくてもよいと思いますが、少なくともmid1E辺りは必要不可欠になるのではないかと私は判断しました。よって、女性が歌唱する場合は、低音が歌いにくく感じられるかもしれません。Vaundyさんはやや気だるげな歌唱をされておりますが、女性の場合は、少しキーを上げてもよいと思います。

 一方、地声最高音mid2Eはサビの後半で登場します。【とぅるるm2D[る] とぅるる[る] とぅm2E[る][る]】の場面であり、全体で6回程度です。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内といえます。ただ、このmid2Eは歌い慣れていないと、スムーズな発声が損なわれやすいです。ただ、比較的克服しやすい音階ですので、しっかり練習を重ねてください。慣れないうちは裏声の比重を増やしてもよいと思います。

 『踊り子』は低音部分に余地があり、キー下げなども可能です。同曲は、音域自体も滅茶苦茶には広くないですので、キーを上げたり下げたりして練習することにも向いていると言えます。カラオケで盛り上がる類の作品とは言い難いですが、歌の練習には比較的使いやすいのではないかと思います。

 『踊り子』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2Eが地声の高音として多く登場します。また、mid2F~mid2G辺りの裏声も求められます。声域的には取っつきやすいです。Vaundyさんの他の人気曲と比較しても特にチャレンジしやすいのではないかと思います。ただ、先にも述べたように、ボーカルが柔らかで気だるげですので、そうした歌唱表現しっかり意識したいところです。高音域の割合は低いですが、表現力は求められます。
 同曲はコードに複雑なものが少なく、原曲キーはギターでの弾き語りなども行いやすいと思います。オリジナルの声域が自分に合いやすい人は弾き語りの練習などをしてもよいかもしれません。

 『踊り子』は声域的には声があまり高くない男性でもアプローチしやすい作品です。私自身は、サウンドや歌詞なども非常にお気に入りです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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