『モノクロのキス』(シド)、Monochro no Kiss(SID)
【地声最低音】mid1G(G3)
★溶けた後のm1G[やっかい]な 氷みたいm2E[な]私を【Bメロ】
★優しくm1G[すくっ]て 上唇で遊m2E[ぶ]
【地声最高音】hiC(C5) ※曲全体で1回
★(優しくて 熱くて) m2G–G#–hiA#–hiC[ひきょ[う[な[キ][ス]で【ラストサビ】
【補足】mid2F~hiA#を含むフレーズ一覧
★m2G[それでも]ひと[つの]m2F[ぉ]【サビ】
★m2F[愛]のかた[ち]hiA#[を]さ[がす]ぅ
★遠くよりもm2F[い]ま[を]m2G–G#[む[す]ん]だ 枯[れ]た[ひ]G#–G[とみ]は]
★ふたりm2F–m2G[で[秘]め]た あ[わG[い]は]だ 月[もG[か]く]れてる
★次の長い針が てんじょm2F–m2G[うにと[どく]頃には【Bメロ[転調+3]】
★m2D#[き]み[は]もういない わたD#–m2F[し[はもう]い[ら]な]い
★(その願いは 夜は虚しく) あm2F[さ]を[連]hiA#–m2G#–G[れ]て]くる]【ラストサビ】
★m2G–m2G#[優し[く]て 熱[く]て] (卑怯なキスで)
※hiA#を含むフレーズがサビを中心に8回程度登場します。
まず、『モノクロのキス』についてです。この楽曲は、2008年に4人組ロックバンド・シドによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2009年の『hikari』(ヒカリ)に収められております。同アルバムには人気曲『嘘』(過去記事)、『2℃目の彼女』といったシングル曲も収められております。同アルバムは10万枚を超えるヒットになり、日本レコード協会よりゴールド認定がされました。
『モノクロのキス』はバンドとしては初のメジャーシングル曲であり、枢やなさんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『黒執事』のオープニングテーマとして起用されました。シドのシングル曲の中でも人気の高い楽曲であり、ベストアルバムなどにも収められております。配信では25万ダウンロードを超え、プラチナ認定がなされております(ブログBillion Hits!より引用)。
シドは、『鋼の錬金術師』シリーズや『BLEACH』などのアニメの主題歌を担当されておりますが、この『黒執事』シリーズとも縁が深く、『ENAMEL』、『硝子の瞳』も主題歌として起用されております。
さて、『モノクロのキス』はアップテンポのバンドナンバーです。バンドの音もそうですが、イントロの民族的なアレンジも非常に耳に残ります。歌メロについてはAメロBメロサビといった形で作られており、その点でも馴染みやすいと思います。
同曲は、Bメロ⇒サビで転調が行われており、そこで楽曲の世界観も大きく変わります。一方で楽曲の終盤に登場するBメロ【次の長い針が~】については、サビと同じキーで演奏されるなど、楽曲を盛り上げある工夫がされております。私自身も非常にこの場面が印象深かったです。
『モノクロのキス』の音域的な特徴についてです。同曲は男性曲としては高いレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌唱しやすいといえます。
一方、同曲は地声最低音がmid1Gと男性曲としては高めです。そのため、女性が原曲キーで歌唱することも可能ではあります。一般的にはキー上げ推奨ですが、低音域が得意な女性は原曲キーでも合いやすいかもしれません。
最後に『モノクロのキス』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)〜【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べると高いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1GについてはBメロで登場します。ここは男性の音域の範囲内であり、発声自体はそこまで難しくないと思います。一方で、前述のように、男性曲としては地声最低音が高いですので、「キーが高めで、スタミナが必要とされる曲」という分類がされます。終盤あたりは、ある程度高音域が得意な男性でも少し辛いかもしれません。
反面、地声最低音が高い分、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。標準よりもやや低めの音域の女性は原曲キーなどが合いやすいと思います。
次に地声最高音hiCはラストのサビで登場します。登場回数は1回です。同曲はサビを中心にmid2F〜hiA#辺りが多く登場します。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。1つの目安ですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください(♭3程度)。
『モノクロのキス』は低音域に余裕があり、キー下げなどはしやすいといえます。キー調整に抵抗が無ければ、歌い慣れてない人向けの調整も可能だといえます。ただ、同曲はボーカルのマオさんがエモーショナルな歌唱をしており、単にキーを下げても原曲ような歌唱が出来るわけではありません。その辺りを踏まえて、練習に励む必要があります。
『モノクロのキス』を原曲キーで歌唱する場合、一つの目安ですが、mid2F~hiA#辺りはしっかり歌いこなせる力が求められます。同曲はAメロBメロではそこまで高音域が要求されませんが、サビで大きく盛り上がります。原曲キーの場合は、「(ある程度)高音域が得意な男性」、「標準よりやや低めの音域の女性」などが合いやすいです。
私なりの印象ですが、シドのボーカルであるマオさんは、「男性としては高く、女性よりはやや低い」レンジの歌メロで歌われることが多いです。ざっくりとした分類ですが、ポルノグラフィティ、スピッツ、サカナクション、Acid Black Cherry、THE ORAL CIGARETTES辺りと近似します。これらのバンドは「高音域が苦手な女性」、「歌い慣れていない女性」などは選択肢として入りやすいといえます。
『モノクロのキス』はキーが合えば、カラオケなどでもチャレンジしやすいバンド曲です。特に、アニメを視聴されていた方には思い入れが深いのではないかと思います。私自身はメロやバンドサウンドもそうですが、転調などが非常に印象に残りました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。
コメント
お疲れ様です!調査ありがとうございます。
予想通りかなり高い音域で歌われてますね!「嘘」の時も思いましたが
mid2G辺りが頻出するので歌うのはかなり難しそうです!
またリクエストなんですが藍井エイルさんの「流星」の音域調査をお願いしたいです!
お忙しい中すみませんがよろしくお願いします
リストアップしておきます。
ありがとうございます。
この「モノクロのキス」辺りが歌える男性は
カラオケでも歌える曲が多いと思います(大変ですが)。
昔からよく歌ってる曲です、個人的には音域が一定のためかなり歌いやすいと感じておりました。(別のコメントとは感想が全く異なるのが面白いなと思いました)
高音がそこそこ得意な人がhiCを出す練習にも適していると思いますし、声の低めの女性が声質的にも合いそうな感じもします
ぴたっくまさん、コメントありがとうございます。
仰る通り、この曲は高音域が得意な人には非常に歌いやすい曲だと思います。
Twitterで相互フォローしているふれいさんもよくカラオケで歌うと仰られてました。
確かにhiCが1回だけ登場するのでhiCのきっかけをつかむのにもいいかもですね。
自分としては、シドは歌えなくはないのですが、
マオさんのようないい声にならずに苦労します。