『Hitman』( King Gnu ) の音域

　さて、『Hitman』はアルバムの中ではゆったりめのシリアスなバンド曲です。元々は、ライブなどでも多く披露されていた楽曲のようです。歌メロはAメロサビCメロと展開され、ラストサビではキーが２つ上がります(#2)。私なりの印象ですが、King Gnuの人気曲と比べると裏声などが多くなく、取っつきやすい印象です（ただ、ライブの井口さんの歌唱を拝見したら滅茶苦茶上手かったです）。


　『Hitman』の音域的な特徴についてです。同曲は男性としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に余地がありますので、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすそうです。
　ちなみに、同曲は井口さんが主旋律の楽曲としては裏声の比率が少なく、地声レンジの重要性が高いです。ただ、Cメロの非常に盛り上がる転調場面では裏声のhiFなどが登場しますので、裏声も不必要と言わけでありません。
　ちなみに、同曲は低音域がmid1D#と女性にとってはかなり低いです。ただ、低音域が非常に得意な女性だと、もしかしたら原曲キーで歌えなくもないかもしれません（Cメロ以外だけでみると意外と低音が高い）。一般的な女性の場合、通常はキー上げを推奨します。
　


　最後に『Hitman』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】hiA#(A#4)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1D#はCメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。mid1D#は女性の音域としてはかなり低いですが、たまに女性曲などでも登場します。低音域が苦手な人はmid1F#辺りで代替するのもよいです。一般的な女性の場合はキーを上げた方が歌いやすそうですが、「標準より低めの音域の女性」などが原曲キーで歌ってもよいかもしれません。

　次に、地声最高音hiA#については、ラストサビで登場します。登場回数は３回程度です。同曲はラストサビで転調し、キーが２つ上がります。そのため、１番２番のサビは最高音がmid2G#となります。この辺りは男性の音域としては高めであり、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください（♭２）。


　『Hitman』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することができそうです。一方、同曲は音域自体が広いですので、ビギナーだと難しい部分が出てくるかもしれません。私なりの印象ですが、King Gnuの作品群では比較的取っつきやすく感じました。

　『Hitman』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiA#といった高音域を地声でしっかり歌いこなせることが求められます。また、登場頻度は高くないものの裏声なども必須です。そのため、「ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすそうです。また、「標準より低めの音域の女性」なども意外と合いやすいかもしれません。


　『Hitman』はゆったり目のテンポのバンド曲であり、音域が合うのであれば、練習曲としては使いやすいのではないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。