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『ラブアトミック・トランスファー』( 蝶々P ) の音域

こんにちは。今回は蝶々Pの『ラブアトミック・トランスファー』(2009)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、『ラブアトミック・トランスファー』はボカロ曲ということもあり、地声最高音と裏声最高音の区別が付きにくくなっております。よって、今回は地声と裏声を区別せずに、【最高音】としております(個人的にはhiD#辺りまでが地声感があります)。その点はご了承ください。


『ラブアトミック・トランスファー』(蝶々P)、Love Atomic Transfer(ChouChou P)
『ラブアトミック・トランスファー』(蝶々P)の音域







【地声最低音】mid1F(F3) 

★ねぇ、僕の声が聞こえm1G[る]なら ちゃんとこっちを見て返事m2G[を]してよ【Aメロ】
★それでもずっとhiA#[い]っしょにいたら 少しぐm1F1G[ら]い]【Bメロ】


【最高音】hihiA#(A#5) ※ラストサビで1回

★(ただそれだけでじゅhiFhihiA#^[う[ぶ]んだ]hiG[ど]【ラストサビ】


【補足】hiC(一部略)hiGを含むフレーズ一覧

hiA#[き]みのすhiD#D[な]お]な]hiC[を]見たいD#D[か]ら]【Bメロ】
hiD#hiD[す]べ]てのD#D[げ]ん]しが引き合うようhiC[に]【サビ】
★(僕の心も)hiD#hiFC[き[み]に]hiDhiD#[近[づ]く]
hiDhiD#[す[ぐ]そ]ばにいhiGhiF[ど]う]D#D[し][るの]

 まず、『ラブアトミック・トランスファー』についてです。この楽曲は、2009年にボカロPの蝶々Pによりリリースされました。アルバムとしては、2012年のメジャーデビューアルバム『Glorious World』に初収録されております。
 ちなみに、同曲は2013年にボカロPのNeruさん(z’5名義)と共同でリアレンジされました(結構雰囲気が変わっております)。ちなみにリアレンジバージョンのイラストは、後に『約束のネバーランド』で知られるようになる出水ぽすかさんが担当されております。

 蝶々P(ちょうちょうぴー)は2008年にニコニコ動画で楽曲投稿を行い、ボカロPとしての活動を開始します。2010年には『え?あぁ、そう。』が大きな人気を集め、『心拍数♯0822』、『Black Board』、『About me』といったミリオン再生曲を世に送り出しました。
 蝶々Pは2017年には一之瀬ユウ名義でシンガーソングライターとして、2020年にはボーカルchaco.さんとともに音楽ユニット【最終定理論者】としても活動をしております。
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 さて、『ラブアトミック・トランスファー』は初音ミクを使用したアッパーな楽曲です(リアレンジでは鏡音リン・レンを使用)。ベースやピアノの音色が印象的な作品で、歌メロはAメロBメロサビと展開します。アップテンポでありながらサビのメロディーが非常に切ないです。最近のボカロ曲はラストサビで転調するといったアレンジが多くなされますが、同曲に関しては比較的初期の作品ということもあってから、ラストサビのキーが通常サビよりもキーが上がるといったアレンジはなされません。

 『ラブアトミック・トランスファー』の音域的な特徴についてです。同曲は、ボカロ曲ということもあり、女性としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。音域自体も広いため、キー下げもしにくいです。そのため、同曲はキー調整を考慮したとしても「ある程度高音域が得意な女性」などが歌唱可能な楽曲であると私は判断しました。
 同曲は歌メロが連続しており、息継ぎがしにくいという特徴があります。 そのため、事前に息継ぎのポイントなどを把握しておきたいです。また、複数人でパート分けして歌うのも良さそうです。



 最後に『ラブアトミック・トランスファー』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)〜【最高音】hihiA#(A#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1FはBメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、低い音階になります。そのため、人によっては歌いにくいところもあると思います。

 次に、最高音hihiA#はラストサビで1回だけ登場します。このhihiA#は女性としてはかなり高く、通常は裏声等を使ったほうが良さそうです。裏声を含め、このレンジを使う女性歌手としては、私は【ずっと真夜中でいいのに。】などを想起します。その点でも、高音域の高さがうかがえます。
 私なりの印象では、同曲は地声でhiD#辺りが安定して歌えると形になりやすそうだと感じました。ただ、曲中ではhiD#がピークとなる場面が30回以上登場する等、女性の音域としてはかなり高いです。そのため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです(ただし、低音も低いのでBメロ辺りが少し犠牲になります)。


 『ラブアトミック・トランスファー』は音域自体が広く、キー下げの余地は多くありません。そのため、歌い慣れた人であっても歌いにくい部分が出てきそうです。私なりの分析ですが、同曲を歌唱する場合、ある程度高音域が得意である必要があると解釈しました。ボカロ曲らしい音域で、歌唱難易度が高いです。

 『ラブアトミック・トランスファー』を原曲キーで歌唱する場合、最低でもhiD#などの高音を安定して1曲歌いきるだけの力が求められます。先述のようにhiD#は曲全体で30回以上は登場します。そのため、「高音域が非常に得意な女性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は分析しました。
 同曲はメロとメロの間隔が短く、息継ぎがしにくい「酸欠曲」のような特徴を持っております。そのため、高音が得意な人であっても体力的にしんどくなりやすいです。場合によっては、複数人でパート分けして歌うのもよさそうです。

 『ラブアトミック・トランスファー』は難易度が高い作品ですが、ボカロらしい特徴を備えた楽曲であり、カラオケなどで歌いこなせると楽しいと思います。個人的には歌詞なども印象に残りました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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