『今すぐKiss Me』( LINDBERG ) の 音域

　まず、『今すぐKiss Me』についてです。この楽曲は、１９９０年にロックバンドLINDBERG（リンドバーグ）によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発表された『LINDBERG III』に初収録されました。シングルのヒットもあり、同アルバムは６０万枚を超えるヒットになり、日本レコード協会よりプラチナ認定（旧基準）がなされました。

　さて、『今すぐKiss Me』はドラマ『世界で一番君が好き! You are my favorite in the world』の主題歌としてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲は６０万枚を超えるヒットを記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされまております。同シングルは年間シングルセールスで３位にランクインし、この時期を象徴する大ヒット曲となっています。同バンドの代表的な楽曲の１つです。


　さて、『今すぐKiss Me』はアップテンポのロック曲です。パンキッシュな趣のあるロックであり、全体的に勢いがあります。歌メロはAメロBメロサビと展開します。作詞は朝野深雪さん、作曲はギター担当の平川達也さん、編曲は井上龍仁さんによりなされました。平川さんは、１９９７年にボーカルの渡瀬マキさんと結婚されております。

　『今すぐKiss Me』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはやや高めのレンジ（体感的には「高め」）で歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、最低音がmid2C#と高く、曲全体を通してhiAなどの中高音が多く登場します。全体的に中高音に寄ったメロで、ある程度体力が要求される楽曲だと私は分析しております。全体的にロック色がある楽曲ですので、声を張る発声が得意な方がマッチしやすいと思います。

　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから５つ程度下げてみてください。「高音域が非常に得意な男性」についても、いくらかキーを下げた方がより安定すると思います。



　最後に『今すぐKiss Me』の音域についてですが、【地声最低音】mid2C#(C#4)～【地声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、やや高めです（体感的には「高め」かもです）。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2C#はサビで登場、回数は少ないです。このmid2C#に次ぐ地声低音はmid2Eであるため、今回は相対的に低音が高いです。最低音がmid2C#となる女性曲は、高い確率で「一般的な女性にとってはキーが高い曲（要スタミナ）」となります。今回の『今すぐKiss Me』についてもそうした傾向が出ております。

　次に、地声最高音hiC#はBメロやサビで登場します。登場回数は８回程度です。hiC#に次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で３回、またhiAが５２回見られます。こうした傾向から、女性の音域としてはやや高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『今すぐKiss Me』は低音域に余地があり、キー調整は可能です。今回の楽曲は音域が１オクターブで作られており、キー調整は非常にしやすい楽曲といえます。そのため、歌い慣れた人はもちろん、ビギナー向けの調整も可能なのであると私は分析しました。
　同曲はメロディー自体も分かりやすく、リズムなどもそこまで難しくありません。そのため、キー調整も考慮すれば、練習曲としては使いやすいと考えました。ノリもよく、カラオケなどでもおススメしやすいです。

　『今すぐKiss Me』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC#といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回はAメロ～サビまで全体的に中高音が多く、とりわけhiA辺りが非常に多く登場します。反面、低音は高めです。
　こうしたことを踏まえると、「標準より(やや)高め～高音域が非常に得意な女性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①最高音はhiC#程度だが、全体的に中高音寄り
②原キーだと「標準より(やや)高め～高音域が非常に得意な女性」などに合いそう
③音域は狭く、キー調整はしやすい。メロもシンプルで練習曲向き
④ロック系の声を張る歌い方がマッチしやすい曲