『#情とは』(This is LAST)の音域

　まず、『#情とは』（#じょうとは）についてです。この楽曲は、２０２３年にロックバンドThis is LASTによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとしてリリースされました。比較的新しいシングル曲であるため、アルバムには未収録です。
　ちなみに、This is LASTは２０２４年に5大都市ワンマンライブツアーが予定されております。当ブログでも少しずつリクエストが増えており、人気が増していることを感じます。

　さて、『#情とは』は、オオカミくんには騙されないシリーズ『花束とオオカミちゃんには騙されない』の挿入歌としてタイアップが付きました。私はこの番組は見たことはないのですが、Vaundyさんの『恋風邪にのせて』(過去記事)、『『ROOFTOPS feat.藤原聡 (Official髭男dism)』』(過去記事)や、あいみょんさんの『桜が降る夜は』(過去記事)、Aimerさんの『コイワズライ』(過去記事)、back numberの『黄色』(過去記事)など多くのミュージシャンが主題歌を提供しております。
　楽曲の質も相まって、『#情とは』はYouTubeチャンネルで２００万再生を記録し（２０２３年１１月現在）、This is LASTとしても人気の高いシングル曲の１つになっています。


　『#情とは』はスローなバンド曲です。歌メロはAメロBメロサビと展開、全体的に親しみやすい展開をします。サウンドではストリングスなども用いられております。This is LASTは、最近はサウンドの幅を広げる意味でも、様々なアレンジに取り組んでいるそうです（音楽ナタリーより引用）。
　歌詞については、過去に恋人だった女性への未練が歌われております（女性からは結婚することが打ち明けられる）。そうしたこともあり、共感できる人も多いのではないかと思います。作詞作曲は、ボーカル＆ギターの菊池陽報（あきつぐ）さんによりなされました。

　『#情とは』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては「やや高め～高め」のレンジで歌メロが作られております。一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと言えますが、今回は低音域も低いため、キー下げの余地は少ないです。
　同曲は、Aメロは「低音域が中心」、Bメロおよびサビ及びその周辺では「中高音域が中心」となります。こうしたことから音域は低音～高音まで広いです。キー調整は行いにくいですが、楽曲にメリハリがあるため、カラオケでは映えやすいです。ボーカルの発声は地声ベースで、裏声は少なめです。



　最後に『#情とは』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2)～【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「やや高め～高め」です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1AはAメロで登場し、いずれもmid1Bとコンボになっています。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、低いレンジとなります。そのため、低音適性がある人でもある程度慣れが必要であり、「高音域が得意な男性」だとかなり歌いにくいかもしれません。「高音域が得意な男性」などはキーを上げるのもよいと思います。

　次に、地声最高音hiAはBメロやラストサビで登場します。登場回数は３回程度です。このhiASに次ぐ地声高音としては、mid2Gがピークとなる場面が全体で７回程度登場します。こうした傾向から、一般的な男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください（今回は低音が低く、調整は難しいですが）。


　『#情とは』は低音域が低く、キーを下げる余地は多くありません。歌い慣れた人が自分の得意レンジにマッチさせるために調整することは可能だと思いますが、音域自体が低音～高音まで広いため、「ビギナーの練習曲としては少し使いにくいかもしれない」と私は分析しております。
　一方、同曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムもテンポも難しい部分は多くないです。そのため、音域が合うのであれば練習曲にはおススメです。

　『#情とは』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiAといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。特にmid2E～mid2G辺りがBメロサビで複数回見られ、安定した中高音域のコントロールが要求されます。反面、低音についてはmid1A,mid1Bが見られ、男性曲としては低めです。今回は多くの場面が地声ベースで歌唱されております。
　こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。「高音域が得意（or非常に得意）な男性」などはキーを上げた方が歌いやすいと思います。


【まとめ】

①Aメロは中低音中心、Bメロサビは中高音中心（音域が広い）
②原キーだと「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」に合いそう
③音域が広いため、その点でビギナーの練習曲にはやや使いにくそう
④メロは分かりやすく、音域が合う人であれば練習曲には向く