なお、今回はアーティストおよびレーベルの公式チャンネルではDAIGOさんがカバーしたMVが公開されてますので、そちらを動画として添付します。
『もっと強く抱きしめたなら』(WANDS)
【地声最低音】mid1D(D3)
★m1D[す]こしm1G[だ]け冷たいm2D[か]ぜが1G[吹]く【Aメロ】
【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で34回程度
★もっm2F#–m2G[と[強く君を]抱[き]し])めたなら【サビ】
★きせm2F#–m2G[つは[ぁまため]ぐ[り]ゆ])くけ[れG[ど]
★君を想うm2F#–m2G[時[ぃ] 2G–1G[や]わ]らかな優しm1G–m1F#[さ[にな]る]
【補足】mid2E~mid2F#を含むフレーズ一覧
★夕m2D[暮れ]のか[えりm2E–m1G[み]ち]1G[か]た寄せて歩1G[い]た【Aメロ】
★m1G[変]わらない m2E–m2F#[ふ[た]りだ]けは【サビ】
まず、『もっと強く抱きしめたなら』についてです。この楽曲は、1992年にロックバンドWANDSによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年に発表された『時の扉』に初収録されました。同アルバムには、『時の扉』、『世界中の誰よりきっと』といったシングル、DEENに提供した楽曲のセルフカバー『このまま君だけを奪い去りたい』(過去記事)などが収められております。アルバムは出荷ベースで200万枚を超える大ヒットとなりました。
『もっと強く抱きしめたなら』はミドルテンポのバンド曲です。後発となった『世界中の誰よりきっと』のヒットに伴い、再注目されロングヒット。最終的には160万枚を超えるCDセールスを記録し、WANDSとしては最大の売上を記録しました。作詞は初代ボーカルの上杉昇さんと魚住勉さんの共同、作曲は多々納好夫さん、編曲は葉山たけしさんによりなされました。
『もっと強く抱きしめたなら』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の音域の範囲内(体感的には「やや高め~高め」な印象)で歌メロが作られております。原キーで歌える人も多いかもしれませんが、場合によっては少しキーを下げるのもよいと思います。
同曲は、Aメロとサビから成る楽曲です。サビの高音が際立つ曲ですが、Aメロもmid2D~mid2Eが登場する等決して低くないです。そのため、相対的に高音域が得意な男性の方がマッチしやすい曲だと私は分析しました(「高音域が非常に得意な男性」などはキーを上げても良いかも)。発声は地声ベースであり、裏声の要素は少ないです。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は歌い出しの音として最低音mid1Dが登場し、mid1G-mid2A辺りが比較的多く見られます。こうした点を考慮すると、女性にとっては低音がやや辛いです。一つの目安ですが、原曲キーから3~4つ程度上げてみてください。
今回の楽曲は、男性曲としては比較的低音が高いため、「標準より低い音域の女性」などは意外と原キーで歌えなくもないかもしれません。ただ、そうした方でも少しキーを上げるとより声質が活きるのではないかと私は推測しています。
最後に『もっと強く抱きしめたなら』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(体感的には「やや高め~高め」)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1DはAメロやサビの後半で登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。今回は全て歌い出しの1音ですので、もし低音域が苦手な方は無理して歌わなくてもよいかもしれません(「高音域が非常に得意な男性」などを想定)。mid1D#を除くとmid1G辺り多いため、低音は見た目より高いといえます。
次に、地声最高音mid2Gはサビで登場します。mid2Gがピークとなる場面は34回程度であり、かなり多いです。また、大部分はmid2F#とのコンボであるため、見た目より高音感があると私は分析しました。原キーでもマッチする人は多いかもしれませんが、場合によっては少しキーを下げるのもよいと思います。
『もっと強く抱きしめたなら』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができると思います。また、ビギナー向けの調整もある程度可能なのではないかと私は分析しました。ただ、原曲のように歌いこなすには表現力が求められるため、弛まぬ練習を重ねてください。
同曲はメロディーは分かりやすく、リズムなども取りやすいです。息継ぎなどもしやすいため、音域マッチするのであれば、練習曲としては向きやすいです。
『もっと強く抱きしめたなら』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~mid2Gといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はサビを中心に中高音が頻出します。一方、低音域としてはmid1Dが最低音です。低音は見た目よりは高いです。
こうした点を考慮すると、「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な男性」などは少しキーを上げて歌うのもよいかもしれません。
【まとめ】
①Aメロサビから成りシンプル。低音も高音も見た目より高い印象
②原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」に合いそう
③キー調整も比較的しやすい(女性はキーを上げた方が歌いやすい)
④メロがよく、息継ぎなどもしやすいので練習曲向き