『一億分の一の小説』( UVERworld ) の 音域

★どうしたってそF#–2G#–hiA^[こを[えら[ぶ]だろう]【ラストサビ】


　まず、『一億分の一の小説』についてです。この楽曲は、２０１１年にロックバンドUVERworldによりリリースされたアルバム『LIFE 6 SENSE』（ライフ・シックス・センス）に初収録されました。同アルバムには、『CORE PRIDE』（過去記事）や『クオリア』（過去記事）といったシングル曲が収められており、フィジカルで１３万枚のCDヒットを記録しました（ランキングデータブログBillion Hitsより引用）。

　『一億分の一の小説』はアップテンポのバンド曲です。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。アルバム曲ではありますが、全体的に疾走感があり、シングル曲のようなキャッチーさがあります。作詞はボーカルのTAKUYA∞さん、作曲はUVERworld、編曲はUVERworldと平出悟さんによりなされました。


　『一億分の一の小説』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすそうです。
　同曲は、全体的にmid2F#～hiBといった中高音域が頻出するメロとなっており、男性曲としてはかなり高音感があります。また、最低音がmid1G#と男性曲としても高いです。これらを踏まえると、「高音域が得意な男性」などがマッチしやすい楽曲といえます。音域的には女性曲と近似するため、女性が歌うのもよいかもしれません。

　女性が同曲を歌唱する場合、「原キーもしくは少しキーを上げる」とマッチしやすいと私は推測しました。今回は低音が高く、hiA以上の高音も比較的多いため、女性の得意な声域と近いです。そのため、原キーが合う人も一定数おられると思います。ただ、TAKUYA∞さんは声を張った歌唱をしているため、ロック曲などに歌い慣れている人の方が原曲に近い表現になりやすいと私は分析しています。「高音域が苦手な女性」などは少しキーを下げるのもよいかもしれません。




　最後に『一億分の一の小説』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1G#はサビで登場します。サビはhiC#などの高音も見られるため、メロのアップダウンが激しいサビといえます。そのため、女性が原キーで歌う場合は、少しキーを上げた方が歌いやすい可能性もあります（「標準より高めの音域の女性」など）。

　次に、地声最高音hiC#はサビで登場します。登場回数は１３回程度です。このhiC#に次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で３２回登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としてはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原キーから４つ程度下げてみてください（これでも少し高い可能性がある）。


　『一億分の一の小説』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。今回の楽曲は音域はそこまで広くはないので、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、高音域が男性としては高いため、一般的な男性が歌いやすい音域に調整するためには大きなキー調整が必要になります。その点で違和感などを感じる人も多いかもしれません。
　同曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムなども比較的取りやすいです。ただ、TAKUYA∞さんのような歌唱をするためには、やはり力量が不可欠であり、弛まぬ練習が求められます。ただ、全体的に高音が際立つ曲であるため、歌いこなせると気持ちよさそうです。

　『一億分の一の小説』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiC#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はAメロ辺りでもmid2G#が多く、「高音域が非常に得意な男性」であっても体力的に辛くなりやすい曲です。音域的には女性曲と近いため、女性が原キーで歌うのもよさそうです。
　こうした点を考慮すると、「高音域が非常に得意な男性」や「標準よりやや低め～標準よりやや高めの音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は分析しました。音域的には女性の方が原キーチャレンジしやすい曲です。


【まとめ】

①全体的に中高音寄りで、男性曲としてはかなり高い
②原キーだと「高音域が非常に得意な男性」向け（体力的に辛いかも）
③音域的には女性曲に近いため、女性が歌うのもよいかも
④キー調整はしやすい。歌いこなせると気持ちよさそう