『哀しみはきっと』( UVERworld ) の 音域

★少しm2F#–F[ず]つ]つ[よ]くもなっ[て] お[も]いを おm2F#[も]いを]
★素敵なものにでm2F[も] どんなに辛くて[も]【Dメロ】
★自分みたm2F–F#[いっ[て]か]さ[ねる]のだろう【ラスト】


　まず、『哀しみはきっと』についてです。この楽曲は、２００９年にロックバンドUVERworldによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされたベストアルバム『Neo SOUND BEST』に初収録されました。また、２０１０年のオリジナルアルバム『LAST』にも収録されております。２枚のアルバムは、ぞれぞれ１８万枚、１１万枚（配信で１０万ダウンロード）を記録しました（音楽チャート分析ブログBillion Hitsより引用）。

　さて、『哀しみはきっと』はテレビドラマ『小公女セイラ』の主題歌として書き下ろされました。同ドラマは、元々はイギリスを舞台とした児童文学『小公女』を原作としており、それを志田未来さんを主人公とした現代の日本を舞台に置き換えたものです。また、１９８０年代には日本でもアニメ化もされております。私自身はアニメのドラマも原作も視聴していないのですが、大よそのストーリーは把握しており、そうした内容が主題歌『哀しみはきっと』にも反映されていると思います（昔のアニメの特集で大筋を知った記憶があります）。


　『哀しみはきっと』はミドルテンポのバンド曲です。ウーバーの作品としてはしっとりした印象の楽曲であり、アルバムバージョンではストリングスなども用いられております。ちなみに、今作は作詞はTAKUYA∞さんですが、作曲をTAKUYA∞さんとプロデューサーの平出悟さんの共同で行っており、その点が珍しいです（編曲はUVERworldと平出さん）。

　『哀しみはきっと』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはやや高め（もしくは「高め」）のレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすそうです。
　同曲は、ウーバーの作品としては地声最高音が低めです。そのため、「UVERworldの曲は高くて歌えない」という人にもチャンスがあるのではないかと思います。『D-tecnoLife』(過去記事)などのように、初期のウーバーは今ほど高音域が高いわけではなく、ある程度高音域が得意な人であれば歌唱可能でした。２０００年代後半位になると、現在のようなhiB,hiC以上が多くみられる楽曲が顕著になっていきます。その点で、『哀しみはきっと』は初期の名残のある作品といえるかもしれません。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度上げてみてください。今回の作品は最低音がmid1Fなので、人によっては原曲キーのままでも歌えなくもないかもしれませんが、「標準より低い音域の女性」なども少しはキーを上げた方が合うと私は推測しております。



　最後に『哀しみはきっと』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、やや高め（もしくは「高め」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Fはサビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、登場場面がサビということもあり、アップダウンが激しく感じられる方もおられるかもしれません。また、女性にとっては低めのレンジですので、通常はキーを少し上げた方がよいと思います。

　次に、地声最高音mid2G#はBメロやサビで登場します。登場回数は全体で１６回程度と多めです。この辺りは男性の音域としてはやや高く、歌い慣れた人であってもスムーズな発声が損なわれるかもしれません。そのため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『哀しみはきっと』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができそうです。また、音域的な側面で見れば、ビギナー向けの調整もある程度可能なのではないかと思います。
　一方で、私なりの印象なのですが、同曲は最近のJ-POPなどと比べるとメロがゆったりしてる部分があります。そのため、歌い慣れた人でないと上手く歌うのが難しいのではないかととも感じました。もし練習してみて上手くいかないと感じたときは、別の曲と並行して練習してください。

　『哀しみはきっと』を原曲キーで歌唱する場合、高音域はmid2D#～mid2G#（裏声はhiA#～hiC）をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はとりわけmid2F～mid2G#辺りも多く、一般的な男性にとってはスタミナが求められます。こうしたことから、「標準より高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


　『哀しみはきっと』はゆったりめのバンド曲であり、歌詞に勇気づけられる人も多いかもしれません。また、UVERworldの作品としては比較的取っつきやすい音域もであります。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。