『Bunny Girl』(AKASAKI)の音域

　まず、『Bunny Girl』についてです。この楽曲は、２０２４年に男性シンガーソングライターのAKASAKIさんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとして発表されました。
　同曲はリリース以降、Tik Tokなどで大きくバズり、その後ストリーミングランキングにも人気が波及しました。この記事を執筆時点で、SpotifyやAmazon、Appleなどのランキングでも上位にランクインしております。作詞作曲はAKASAKIさん、編曲はDAIKII（AWSM.）によりなされました。

　AKASAKIさんは２００６年生まれのシンガーソングライターであり、１６歳より音楽活動を開始しました。これまでに『弾きこもり』、『夏実』などの楽曲が若い世代を中心に人気を集めておりましたが、今回の『Bunny Girl』で、その知名度がさらに広がりつつあります。この記事を執筆時点でまだ１８歳のAKASAKIさんですが、今後の益々の活躍が期待されます。


　『Bunny Girl』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域の範囲内で歌メロが作られています。一般的な男性が原曲キーで歌唱可能な楽曲ですが、「高音域が得意な男性」などはいくらかキーを上げた方が歌いやすいかもしれません。
　同曲は頭サビで歌メロが始まり、ABメロサビと展開します（ラストサビでは転調し、キーが1つ上がる）。ただ、今回の楽曲は最高音がmid2Eであり、J-POPの男性曲としては高音域が控えめです。反面、低音域についてはmid1C～mid1F等が比較的多いです。これらは男性の音域の範囲内ですが、全体的に中低音が多い分、低音域の安定が重要になる曲でもあります。
　ちなみに、同曲は原曲よりも２つキーの高いSpeed Upバージョンが配信されてます。「高音域が得意な男性」についてはこのバージョンの方が歌いやすいかもしれません。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は、低音域としてmid1C～mid1F等がかなり多いため、女性の音域としてはかなり低音感があります。一つの目安ですが、原曲キーから６～８つ程度上げてみてください（７～８つ上げるのが無理な時は、４～５つ下げて1オクターブ上を歌う）。



　最後に『Bunny Girl』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C(C3)～【地声最高音】mid2E(E4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です（最近のJ-POPの男性曲としては中低音寄り）。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Cは通常サビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回の楽曲はmid1C～mid1F辺りが比較的多いため、中低音の安定が重要になります。そのため、「高音域が得意な男性」などはキーを上げた方がより歌いやすいかもしれません。

　次に、地声最高音mid2Eは1番Aメロとラストサビで登場します。登場回数は２回程度です。このmid2Eに次ぐ地声高音としては、mid2D#が２回程度登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域の範囲内であり、一般的な音域の男性が原曲キーで歌唱することが可能そうです。ただ、原曲のAKASAKIさんのように歌唱するにはしっかり歌い慣れておく必要があるため、その点は留意しておいて下さい。


　『Bunny Girl』は音域がそれなりに広いですが、キー調整は可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。また、ビギナー向けの調整も可能だとは思いますが、原曲のような雰囲気で歌いこなすには練習が不可欠になります。その点は留意しておいてください。
　同曲はメロが分かりやすく、リズムも比較的取りやすいです。音域はそれなりに広いですが、練習曲としては比較的おススメしやすいのではないかと私は分析しました。原曲は気だるげな歌唱がなされているため、そうした表現に着目してみるのもよいかもしれません。

　『Bunny Girl』を原曲キーで歌唱する場合、mid2C#～mid2Eといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2D～mid2E辺りはそこまで多くなく、mid2C#辺りが比較的多いです。反面、低音域についてはmid1C～mid1F辺りがよく見られます。
　こうした点を考慮すると、「標準より低め～標準より高めの音域の男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意な男性」については少しキーを上げた方がより歌いやすそうです。


【まとめ】

①中低音寄りの落ち着いた曲で、中高音はそこまで多くない
②原キーだと「標準より低め～標準より高めの音域の男性」などに合いそう
③メロやリズムが分かりやすい。練習曲向き
④低音域の安定が重要になる曲
⑤原曲の気だるげな歌唱表現なども参考にしたい