『A-E-U-I』(THE ORAL CIGARETTES)の音域

　まず、『A-E-U-I』（アエウイ）についてです。この楽曲は、２０１６年にロックバンドTHE ORAL CIGARETTESによりリリースされたアルバム『FIXION』に収録されています。同アルバムはオーラルの２枚目のメジャーフルアルバムであり、『エイミー』、『狂乱 Hey Kids!!』(過去記事)などのシングル曲が収められております。当ブログでは以前に、『気付けよBaby』（過去記事）も取り上げたことがあります。

　さて、『A-E-U-I』はアップテンポのバンド曲です。タイトルにもある【A-E-U-I】（アエウイ）というフレーズが要所で繰り返されます。ノリの良いバンド曲でありながら、中毒性も兼ね備えた作品です。作詞作曲はボーカルの山中拓也さんによりなされました。
　同曲はアルバム曲でありながらミュージックビデオが制作されており、バンドのYouTube公式チャンネルでも公開されています。再生回数は５００万回に達するなど人気が高く、カラオケなどでもよく歌われているようです（個人的にはライブで聴くのも楽しそうだと感じました）。


　『A-E-U-I』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域と比べ、高め（もしくは明確に「高い」）のレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は曲全体を通してmid2F～mid2G#辺りが多く登場します。また、低音域についても最低音がmid1G#と男性曲としては高いです。こうした傾向から、全体的に中高音寄りの曲であり、ある程度高音域が得意な男性でもスタミナが要求されます。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから１～４つ程度上げてみてください。ただ、今回は最低音がmid1G#であり、女性が原キーで歌えなくもない音域です。そのため、「標準より低め音域の女性」などは原曲キーを選択肢に入れてみてもよいかもしれません。その辺りは各々実際に歌唱して微調整を加えてください。




　最後に『A-E-U-I』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め～高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1G#はAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、男性曲としては低音が高いです。mid1G#が最低音となる男性曲は、かなり高い確率で「一般的な男性にとってはキーが高い曲」となり、今回もそうした傾向が明確です。
　ちなみに、mid1G#の登場回数などを考慮すると、女性にとっては少し低い可能性があるため、場合によっては少しキーを上げてください。

　次に、地声最高音mid2G#はイントロおよびサビ等で登場します。登場回数は４５回弱とかなり多いです。このmid2G#は男性の音域としてはやや高めで、今回はmid2Fなどの頻度も非常に高いです。低音の高さなども考慮すると、男性の音域としては高く、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『A-E-U-I』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。歌い慣れた人であれば、大よそ自分の得意なレンジに調整することができそうです。今回は音域はそこまで広くないため、ビギナー向けの調整も一応可能なのではないかと思います。ただ、一般的な男性が歌いやすいくするためには多くのキー調整が必要であり、その点で違和感を感じる人も多いかもしれません。また、キー調整をしたからといって、すぐにボーカルの山中さんのような歌唱ができるわけではありませんので、弛まぬ練習を心掛けたいです。
　今回の楽曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムなども比較的取りやすいです。ただ、一部メロが速い場面などがあるため、歌詞などはしっかり覚えておいた方が無難です。

　『A-E-U-I』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F～mid2G#(裏声はhiCまで)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は全体的にこれらの頻度が高いです。また、最低音も高い分、中高音域を歌い続けるスタミナなども不可欠になります。
　こうした点を考慮すると、「高音域が得意（or非常に得意）な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低めの音域の女性」なども原曲キーが合う可能性があります。


【まとめ】

①全体的に中高音寄りの曲（キー調整はしやすい）
②原キーだと「高音域が得意（or非常に得意）な男性」などに合いそう
③女性だと「標準より低めの音域の女性」などは原キーが合いうる
④メロが速い場面もあるため歌詞などはしっかり覚えておいた方がよい