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『パイパイ仮面でどうかしらん?』(宝鐘マリン)の音域

こんにちは。今回は宝鐘マリンさんの『パイパイ仮面でどうかしらん?』(2024)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。


『パイパイ仮面でどうかしらん?』(宝鐘マリン)
『パイパイ仮面でどうかしらん?』(宝鐘マリン)の音域







【地声最低音】mid1G(G3) 

m2A[に]がいこ2Fm2G#[い[の]果] [の]こされた【Aメロ】
m2AB[み]れ]んばかりで食Fm2G#[え[や]し]ない
★ダンシングハイ m2A[パイヤ][イヤ]【サビ】
★パイm1Gm2A[パイ仮]面]


【地声最高音】hiC(C5) ※全体で17回程度

hiABhiCM2G[お[ど[れぇお]ど]り踊れ【Bメロ】
hiA[パイ] パイA[パイ] パイA[パイ]パイ AhiCM[ヤッ[パイ]【サビ】
★浮hiA裏[世] hiCBA[わ]す]れ]CB[て]ふ]け]
hiC地hiA[つ]かれた]時には戻っておいm2G#L[で]【Dメロ】


【裏声最高音】hiE(E5) ※Bメロで登場

hiB地[Shine a spot] hiCB[ligh]t on] A[me] G#hiE裏[no[w]【Bメロ】


【補足】mid2G#hiDを含むフレーズ一覧

hiA地m2G[あいつの]気][が]するものは【Aメロ】
★みだm2F[れが]み はm2G#地hiB裏hiC裏hiA地[ず[む[む]ね]【Bメロ】
hiA[とnく]めいhiB地[の]ワ]ナに 酔いしれ[て]
★Shine a spot, m2G#[shine a spot]
hiAm2G[パイパイ]仮]面は 大富[豪]m2A【サビ】
★(パイ パイパイ パイパイパイ)  hiA地hiD裏[ヤッ[パイ]
★おm2GF#[う][ん]の]蝶 舞[い]あがれ
m2A[あ]たしはhiB地hiA[い]つ]でも あんA2G#^-hiB[たの][な)[と]【Dメロ】
★パイパイhiB2GhiA[か][ぇん]【ラスト】

 まず、『パイパイ仮面でどうかしらん?』についてです。2024年にバーチャルYouTuber(バーチャルアイドル)の宝鐘マリンさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発売されたフルアルバム『Ahoy!! キミたちみんなパイレーツ♡』に初収録されました。同アルバムには、『美少女無罪♡パイレーツ』などの人気曲が収録されています。

 『パイパイ仮面でどうかしらん?』はアップテンポのポップソングです。メロは歌謡色があり、歌のよさが強調されています。また、最近のJ-POPと比較すると、メロの音数が少なく、息継ぎなどもしやすい印象です。そうした傾向もあるため、私自身練習曲によいのではないかと感じ、今回記事にしました。作詞作曲編曲はササキトモコさんによりなされました。


 『パイパイ仮面でどうかしらん?』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域の範囲内(体感的には「やや高め~高め」な印象)のレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、場合によっては少しキーを下げた方が歌いやすいです。
 同曲はBメロやサビDメロで中高音が多いのですが、AメロについてもhiA辺りがよく登場します。中高音域はおおよそ女性の音域の範囲内ですが、hiA等の登場回数などを考えると、体感的には高く感じやすいのではないかと私は想定しています。
 一方、低音域についてもmid2Aの回数がよく登場するため、見た目より低音感があると考えています。おおむね標準的な範囲内ですが、「高音域が非常に得意な女性」などは少しキーを上げてもよいかもしれません。
 今回は地声感のある歌唱が中心(中高音の一部は地声と裏声のミックス感がある)ですが、要所で裏声が登場します。そのため、地声と裏声の器用な使い分けは不可欠です。

 男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから5~6つ程度下げてみてください。「高音域が非常に得意な男性」についても若干キーを下げた方がよいのではないかと私は推測しています(男性だとhiA~hiCが連続する場面をマリンさんのように柔らかく歌うのが難しそう)。



 最後に『パイパイ仮面でどうかしらん?』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内(体感的にはやや高め~高め)。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Gはサビで登場します。登場回数はそこまで多くありません。ただ、今回は低音域としてmid2A辺りがAメロ~サビまで広く見られます。そのため、低音域も高音域と同じく重要な曲だと私は分析しています。「高音域が得意な女性」の一部は少しキーを上げるのもよいかも言しれません。

 次に、地声最高音hiCはBメロやサビ等で計17回程度登場します。このhiCに次ぐ地声高音としてはhiBがピークとなる場面が全体で11回、hiAが62回登場します。また、マリンさんはhiC辺りを比較的柔らかく歌唱している点なども考慮すると女性の音域としてはやや高めであると私は分析しました。一般的な女性が原キーで歌唱可能かもしれませんが、場合によってはキーを下げることを検討してみてください(一つの目安ですが、原キーから1~2つ程度)。


 『パイパイ仮面でどうかしらん?』は低音域に若干の余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回の楽曲は見た目よりも音域が広いため、ビギナーなどは一部歌いにくい場面が出てくる可能性もあります(音程も意外とムズイです)。慣れないうちは、別の易しめの曲と並行して練習してください。
 今回の楽曲はメロが親しみやすく、リズムは比較的わかりやすいです。ただ、歌メロについては要所で音程が取りにくそうな場面があります(「スケール外の音(今回でいえばmid2Fやmid2G#)」がちょこちょこ登場する)。そのため、音程を取るのが苦手な人などは、原曲をしっかり聴き込んでおきたいです。ビギナーなどには少し癖がありますが、息継ぎなどもしやすいため、個人的には練習曲におススメしやすいと考えています。

 『パイパイ仮面でどうかしらん?』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#~hiC(裏声はhiA~hiEまで)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はBメロサビ辺りが高いのですが、AメロでもhiA辺りがちょこちょこ登場します。一方、低音域としてはmid1G程度あり標準的ですが、mid2A辺りが多いので苦手な人などは注意したいです(低音も気を抜けない)。
 こうした点を考慮すると、「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な女性」などについては少しキーを上げた方が歌いやすいと私はそうしていています。

【まとめ】

①低音~高音まで満遍なく登場。安定した歌唱が試される(体感的にはやや高め)
②原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」に合いそう
③最近の曲としては音数が少なく、息継ぎなどもしやすい
④一部音程に注意したい場面があるが、おおむね練習曲におススメ

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