『crush the window』(Dragon Ash)の音域

★m2E–m2D[Crush the win]dow] no[w]m2A E[oh] [oh]
★m2E[Jump] around again さあ[flag]上げ【Bメロ[ラップパート]】
★陽は差しかざすm2E–m2D[キャン]バス]に描けE[fan]tas]tic
★m2E[Hold] m2D[o]n [withou[t]E [li]mit【サビ】

　まず、『crush the window』についてです。この楽曲は、２００５年にラップ・ロックバンドDragon Ashによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発表された『Río de Emoción』（リオ・デ・エモシオン）に収録されました。同アルバムには、シングル『夕凪Union』、リード曲『Los Lobos』といった作品が収められております。同アルバムは、１５万枚以上のCDセールスを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。

　さて、『crush the window』は２００５年にCDシングルとして発表されました。ノンタイアップにも関わらず、１０万枚を超えるCDヒットとなり、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。また、２０２３年に発表されたトリビュートアルバムでは04 Limited Sazabysが同曲をカバーし話題となりました。ちなみに、フォーリミがカバーしたバージョンは転調が多くなされるアレンジとなっております（単純に原曲をキー調整するだけでは歌えない構成になってます）。


　『crush the window』はミドルテンポのミクスチャーロックです。イントロのスクラッチ音などヒップホップの要素が強い楽曲であり、歌メロについても韻を踏んだリズミカルです。とりわけBメロにあたる部分はラップ色が強いです。また、歌詞については大部分が英語詞となっており、日本語はラップパートのみで登場します。作詞はKjさん、作曲編曲はバンドによりなされました。


『crush the window』の音域的な特徴についてです。同曲は「男性の音域の範囲内」で歌メロが作られております。ただ、全体でみるとやはり中高音に寄っているため、人によっては少しキーを下げた方が安定しやすいと思います。
　同曲は最低音がmid1Gであり、男性曲としては高めです。そのため、相対的に中高音の頻度が高く、mid2D～mid2E辺りが多く登場します。最高音自体はそこまで高くないですが、mid2Eなどの登場回数を考えると、人によっては少し体力的に辛くなる可能性もあります。反面、低音域が高い分「高音域が得意な男性」などは意外と歌いやすいと思います。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は最低音がmid1Gであり、mid2Aなども見られます。そのため、理論上は女性が原キーで歌うことも可能です。ただ、女性の得意な声域などを考慮すると、いくらかキーを上げた方がより映えると私は推定しております。一つの目安ですが、原曲キーから５つ程度上げてみてください（高音域が得意な人はもっと上げてよい）。



　最後に『crush the window』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)～【地声最高音】mid2F(F4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です（全体でみると中高音寄り）。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1GはBメロのラップパートで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。最低音がmid1Gとなる男性曲は、かなり高い確率で「一般的な男性にとってはキーが高い曲」となります。ただ、今回の『crush the window』については例外的であり、「一般的な男性にとってキーが高い」とは言い難いです。

　次に、地声最高音mid2Fはラストサビ前の場面で登場します。登場回数は２回程度です。このmid2Fに次ぐ地声高音としてはmid2E辺りが多く登場します。このmid2Eは男性の音域の範囲内ですが、歌い慣れてない人だとスムーズな発声が損なわれやすいです。ただ、mid2E辺りは比較的克服しやすい音階でもありますので、少しずつ練習を重ねてみてください。歌い慣れた人にとっては原曲キーでも歌唱できる可能性が高い曲ですが、メロが中高音に寄っているため、場合によってはキーを下げるなどしてもよいと思います。


『crush the window』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回の楽曲は音域が広くないため、キー調整の融通はかなり利きやすいです。そのため、歌い慣れた人はもちろん、ビギナー向けの調整も可能だといえます。
　一方、今回の楽曲はラップ作品であり、Bメロ等は音程以上にリズミカルな発声が重要になります。ただキーを調整しただけで原曲のように歌いこなせるわけではなく、しっかりとした練習が必要になります。歌詞をしっかり覚えた上で、ボーカルのKjさんの発声や抑揚なども意識したいです。

『crush the window』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D～mid2Fといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけmid2D～mid2E辺りが多く、「標準より低い音域の男性」、「高音域が非常に得意な男性」だと少し歌いにくい可能性があります。低音についてはmid1Gであり、高めです。
　こうしたことを踏まえると、「標準より低め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。女性だと「標準より低い（or低め）音域の女性」などは原キーが合う可能性もあります。ただ、女性の場合、通常はキー上げを推奨します。


【まとめ】

①最高音は高くなく、「男性の音域の範囲内」だが、全体的に中高音寄り
②原キーだと「標準より低め～ある程度高音域が得意な男性」に合いそう
③Bメロはラップ要素が強く、リズム感や抑揚などが重要になる
④音域が広くない分チャンスはあるが、上手く歌いこなすには力量が必要