『微熱魔』(ずっと真夜中でいいのに。)

【地声最低音】mid2A#(A#3) ※セリフっぽい場面で聞き取りにくい
★解釈違いm2B[の]以[心]伝心【Bメロ】
★m2B[浄]化されてゆく変幻自在m2A#[な倍]音
【地声最高音】hiE(E5) ※Dメロで2回
★hiD地–C–B[言]え]なかった]言hiE地–D[葉]の]【Dメロ】
★方がhiE地–D[ずっ]と]根っこA[に]や[どる]け[れB[ど]
【裏声最高音】hiE(E5) ※サビとDメロで登場
★hiBwh–hiE裏–D[ゆ[め]を]見てしまうな【サビ】
★hiE裏–D[迷]宮]にA–hiB地^[な[う]ば]かB[り]
★hiB–A[安]心]さ[せhiD裏–hiE^-hiA#地–A[て[緊]張]さ]せ]て
★hiE裏–hiD–hiA地[奇]妙]な]今[世] hiB[び]ね]つB[の]ぞ]むむまま
【補足】hiA(一部略)~hiDを含むフレーズ一覧
★hiBwh–A[は]る[か]ぁ] 先の想像[力]くれた【Aメロ】
★追hiA–hiB[い[か]けて]も [問B[い]かけても また【サビ】
★hiD地–C–B[皮]膚]を引っ]張って順[応し]て【Dメロ】
★わたしhiB地–A[だ]け] は[かっ]て[たB[よ]
★わたしhiB–A[か]ら] hiB[魔]
まず、『微熱魔』についてです。この楽曲は、2025年に音楽ユニット・ずっと真夜中でいいのに。によりリリースされたシングル作品です。この記事を執筆時点では新しめのシングルであり、アルバムなどには未収録です。
同曲は、水あさとさんの同名漫画を原作としたアニメ『阿波連さんははかれない season2』のオープニングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、ずとまよのYouTubeチャンネルで公開されたMVは900万回以上の再生回数を記録しています。
『微熱魔』はアップテンポのバンド曲です。ボーカルについては、ウィスパーボイスや裏声が主体となった発声になっており、声量を抑えた気だるげな印象があります(楽曲の終盤には声量を増していきます)。そうした点がずとまよのシングル曲としてはあまりなかった傾向なのではないかと思います。作詞作曲はACAねさん、編曲は100回嘔吐, ZTMYによりなされました。
『微熱魔』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては高め(Dメロは明確に高い)レンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
今回の楽曲は全体的に中高音寄りで歌メロが作られています。台詞パートのBメロではmid2A#などの低音が登場しますが、全体でみると低音も高いため、体感的にも高めなのではないかと思います。今回は終盤以外は声量が抑えられているため、「裏声が得意な方」は原曲以上に裏声を多用してもよいかもしれません。標準より高めの声域の女性などに合いやすい曲だと私は分析し得います
男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから6~8つ程度下げてみてください(もしくは4~5つ程度上げて1オクターブ下を歌唱する)。「高音域が得意な男性」などもいくらかキーを上げた方が歌いやすいと思います。声質的には柔らかめな印象なので、既存のずとまよの曲と比べると男性には合いにくいかもしれません。
最後に『微熱魔』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A#(A#3)~【地声最高音】hiE(E5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid2A#は1番Bメロで登場します。ここはセリフのようなニュアンスであるため、あまり厳密な音程でなくてもよいかもしれません。この1番Bメロを除くと、mid2Dが最低音となり、女性曲としては高めの低音であることが分かります。そのため、「低音域が得意な女性」だと少し持ち味が生かされにくいと思います。
次に、地声最高音hiEがDメロで2回登場します。このhiEについては、hiDがピークとなる場面が全体で4回登場します(この他hiBが頻出)。こうした点を考慮すると、女性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。
『微熱魔』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。歌いなれた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。また、1番Bメロを考慮しなければビギナー向けの調整も可能そうですが、今回はウィスパーボイスなど難しそうな側面もあるため、注意が必要です。歌い慣れた人向けだと私は想定しています。
今回の楽曲はメロ自体は分かりやすく、リズムもおおむね取りやすいです(ただしテンポは速い)。音域がマッチするのであれば、練習曲やカラオケにもよいと思います。ずとまよのシングル曲としてはhiD以上の回数がそこまで多くないため、個人的にはおススメだとも考えています。
同曲は、1番サビとラストサビで声量が異なっており、ラストサビでは地声感が強い歌唱がされ、1番サビではやや声量を抑えた歌唱がされています。歌い慣れている人は、そうした微妙な声量・発声の違いも念頭に入れて練習したいです。
『微熱魔』を原曲キーで歌唱する場合、hiA~hiE(裏声はhiD~hiEなど)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はhiA~hiB辺りの地声高音が多く、DメロでhiDやhiEの地声高音が含まれます。ずとまよの作品としてはhiD以上の地声高音は多くありません。
こうした点を考慮すると、「標準より高め~高音域が非常に得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は考えました(人によっては裏声をより多用して歌うとより合いやすい)。
【まとめ】
①全体的に中高音寄り(ただ、hiEやhiDなどの地声高音は多くない)
②原キーだと「標準より高め~高音域が非常に得意な女性」向け
③裏声やウィスパーボイスが多用されており、器用な発声が不可欠
④メロは分かりやすい。カラオケや練習曲向き(慣れないうちはテンポを下げて)
⑤1番サビとラストで声量が微妙に違うため、そうした点も意識したい