『プラチナ』(坂本真綾)の音域

　こんにちは。今回は坂本真綾さんの『プラチナ』(1999)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。なお、今回の楽曲は地声と裏声が若干見分けにくかったです。そのため、地声高音の回数などは参考程度だと考えてください。


『プラチナ』(坂本真綾)









【地声最低音】mid1F#(F#3)　※Bメロで登場

★m1F#[そ]ら[に]向か2D[う木々]の【Bメロ】


【地声最高音】hiC#(C#5)　※若干裏声っぽくも聞こえる

★hiC#地[こ]のhiD#裏–C#地[手]に]【Dメロ】


【裏声最高音】hiD#(D#5)　※サビで登場

★hiD#裏–C#–hiB地–A#[す]べ]て]を]変えてゆくA#地[よ]【サビ】



　まず、『プラチナ』についてです。この楽曲は、1999年に女性歌手の坂本真綾さんによりリリースされたシングル作品です。CLAMPによる漫画を原作としたアニメ『カードキャプターさくら』のオープニングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、同曲は2017年に配信部門で10万ダウンロードを達成し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。アニメソングの名曲として今も多く話題に上がるなど、坂本真綾さんを代表する作品の1つです。作曲編曲を菅野よう子さん、作詞を岩里祐穂さんが担当しました。


　『プラチナ』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域の範囲内（一部はやや高め）で歌メロが作られています。一般的な音域の女性が原曲キーで歌唱しうる作品ですが、場合によっては少しキーを上げ下げしてもよいと思います。
　今回の楽曲は、サビを中心にhiA～hiB辺りの地声中高音がよく登場します。また、低音については大よそ女性の音域の範囲内（もしくは若干低め）といえます。こうした点から、標準的な音域の女性などが原曲キーで歌唱しうる楽曲だと私は推定しています。ただ、低音がやや低く、中高音が若干控えめである分、「高音域が非常に得意な女性」などは少しキーを上げてもよいかもしれません（もしくは地声中心に歌唱する）。
　今回の楽曲は要所で裏声が用いられております。高音域が得意な女性だと地声高音で歌唱することも可能ですが、一般的には裏声と地声を使いこなすのがいいと思います。

　男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから、４～６つ程度下げてみてください。「高音域が非常に得意な男性」についても若干キーを下げた方が歌いやすいと思います。



　最後に『プラチナ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiC#(C#5)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内（一部はやや高め）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はBメロで登場します。登場回数は４回程度です。これに次ぐ低音では、mid1Gも登場しますが回数は少なめです。これらを踏まえると、大よそ標準的な女性の低音（もしくは若干低め）といえます。

　次に、地声最高音hiC#はDメロで計2回登場します（もしかしたら裏声かもですが）。このhiC#に次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で10回、hiA#が11回、hiAが10回、mid2G#が24回登場します。こうした点から、女性の音域の範囲内（一部はやや高め）だと私は分析しました。一般女性が原曲キーでも歌唱しうる可能性がありますが、高音が得意でない方は少しキーを下げてもよいと思います。キーを下げる際は、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『プラチナ』は低音域に若干の余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。また、ビギナー向けの調整も可能だと思いますが、若干音域が広いため、人によっては一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。。
　今回の楽曲はメロやリズムは比較的分かりやすいです。音域がマッチするのであれば練習曲やカラオケにもよいと思います。今回は地声と裏声が使い分けられているため、器用な発声は不可欠です（地声高音が高い人は地声のみで歌唱するのもよい）。アニソンの名曲としてカバーも多いため、それらと聞き比べながら、自分が歌いやすい歌唱を模索してみるのもおススメです。
　同曲は、転調が非常に多いため、人によっては若干音程に迷うかもしれません。ただ、メロ自体は比較的分かりやすいため、比較的克服しやすいとも考えています。原曲を聴き込んで、慣れておきたいです。

　『プラチナ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC#(裏声はhiD#まで)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回は、サビおよびその周辺でhiBなどの高音が見られます。中低音がABメロ中心ですが、hiA辺りの地声高音がいくらか含まれております。低音としてはmid1F#が少数含まれ、女性の音域の範囲内（もしくはやや低め）です。
　こうした点を考慮すると、「標準よりやや低め～標準より高めの音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は考えました。「高音域が得意な女性」なども原キーがマッチする可能性がありますが、人によっては裏声の部分を地声で歌った方が歌いやすいかもしれません。その辺りは実際に歌唱して、微調整を加えてください。


【まとめ】

①ABメロは中低音中心、サビとその周辺で中高音が増える
②原キーだと「標準よりやや低め～標準より高めの音域の女性」向け
③中高音は裏声と地声の使い分けが重要（地声高音が高い人は地声のみで歌うもよい）
④音域が合うならばカラオケや練習曲向き（慣れないうちは音程に注意）
⑤カバー曲などと聞き比べてみるのもおススメ