『もう一度キスしたかった』( B’z ) の 音域

　さて、『もう一度キスしたかった』はアルバム曲でありながら人気が高く、１９９８年にリリースされたベストアルバム『B’z The Best “Treasure”』にも収録されました（ファン投票で４位を獲得したそうです）。また、２０１１年には着うたフルの部門で１０万ダウンロードも達成し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされています。
　同曲はピアノなどが主体となっており、B’zの作品群ではポップ寄りの楽曲です。歌メロもメロディアスで親しみやすいと思います。作詞はボーカルの稲葉浩志さん、作曲はギター担当の松本孝弘さん、編曲は松本さんと明石昌夫さんの共同でなされました。


　『もう一度キスしたかった』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高めで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、最低音がmid1Gと男性曲としては高く、その分mid2E～mid2G#辺りの中高音が多く登場します。最高音自体はmid2G#でありそこまで高くないのですが、低音が高い分キーが高く感じやすいのではないかと私は考えました。相対的に、中高音域が得意な男性の方がマッチしやすい曲といえます。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいです（mid2Aの道場回数などを考慮した）。ただ、今回の楽曲は最低音がmid1Gであり、人によっては原曲キーがマッチする可能性があります。具体的には、「標準より低い音域の女性」などは原曲キーを選択肢に入れてみてください。



　最後に『もう一度キスしたかった』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1GはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、mid1Gが最低音となる男性曲は「一般的な男性にとってはキーが高い曲」となることが多いです。今回の『もう一度キスしたかった』についても明確にこの傾向が当てはまるといえます。ただ、最低音が高い分、低音域が得意な女性などは選択肢に入りやすい曲とも言えます。

　次に、地声最高音mid2G#はサビで登場します。登場回数は１２回程度で、男性の音域としてはやや高いレンジになります。また、今回は全体的にmid2E～mid2Gといった中高音域の登場頻度が高いため、体感的にはかなり中高音に寄ります。そのため、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいと私は推測しています。一つの目安ですが、原曲キーから１～３つ程度下げてみてください。


　『もう一度キスしたかった』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回の楽曲は音域自体はそこまで広くなく、キー調整の融通はかなり利きやすいといえます。そのため、歌い慣れた人はもちろん、ビギナー向けの調整も可能であるといえます。
　一方、同曲はBメロ⇒サビ、2番サビ⇒ラストサビ前半などで転調しているため、慣れないうちは音程が取りにくい可能性があります。そのため、音程が取りにくい人などは注意してください。原曲をしっかり聴き込んでおきたいです。

　『もう一度キスしたかった』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はAメロBメロ辺りでも中高音域が多いです。また、最低音も高い分、体感的に高いです。
　こうした点を考慮すると、「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低い音域の女性（もしくは低音域が得意な女性）」なども原キーがマッチする可能性があります。


【まとめ】

①全体的に中高音寄りの曲（音域も広くない）
②見た目の音域以上に高音感がある
③原キーだと「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などに合いそう
④女性だと「標準より低い音域の女性」等が原キーに合う可能性がある
⑤メロは分かりやすいが、要所で転調がなされるので音程に注意したい