『夢みたあとで』(GARNET CROW)の音域 / 『名探偵コナン』ED曲

★求めずにはhiA[い]hiB[ら]hiD裏[れ]A[な]B[い]よ【Bメロ】

★どんな未来がhiB[この先]hiA[にあっ]てA[も]

★ユメhiB[ヲ]hiC[ミ]B[タ]アトデ 君hiB[は]hiC[ま]hiD[だ]C[と][お]くて【サビ】
★hiB[は]hiC[な][の]雨が降るこのhiB[み]C[ち]hiD[は]C[変]B[わ]らず 

★うhiC[でを]hiB[か]hiA[ら]め歩きたいな

　まず、GARNET CROW（ガーネット・クロウ）について少し説明します。GARNET CROWは、1999年に結成、2000年にメジャーデビューした4人組ロックバンドです。1枚目のシングル曲『Mysterious Eyes』がアニメ『名探偵コナン』の主題歌に抜擢され、大きく知名度を上げます。残念ながら、2013年にバンドは解散してしまうのですが、今でもファンの多い人気バンドであります。

　GARNET CROWは、先に述べた『名探偵コナン』や、『MÄR-メルヘヴン-』と縁が深く、主題歌を多く提供しております。同バンドの『夏の幻』、『涙のイエスタデー』、今回取り上げる『夢みたあとで』など人気曲がとして挙げられます。同じくコナンやメルヘヴンの主題歌ですが、アルバム曲の『As the Dew』、『晴れ時計』というナンバーも私は好きです。

　GARNET CROWのボーカル中村由利さんはやや中性的な声質であり、私自身も初めて聴いたときは非常に耳に残りました。また、メンバーのルーツは1980年代に欧米で興ったポスト・パンク（ネオ・アコースティック）にルーツがあり、楽曲制作にも生かされているそうです。私自身もネオアコが好きなので、その辺りを踏まえて、もっと深めて聴いてみたいと感じているバンドであります。
　

　さて、『夢みたあとで』についてです。この楽曲は、2002年に4人組ロックバンド・GARNET GROWによりリリースされたシングル作品です。アルバム『SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜』に収められ、ベストアルバムなどにも収録されております。
　
　同曲は、2000年の『夏の幻』以来、テレビアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマとしてタイアップが付きました。GARNET CROWとしては、初の週間トップ10にランクインした楽曲であり、CDの売り上げ枚数も10万枚を超えました。同曲が収録されたアルバムも20万枚を超えるヒットとなり、それぞれバンドとして最大のセールスを記録しております。GARNET CROWの代表的な作品の一つといってよいと思います。

　『夢みたあとで』はゆったりとしたテンポのバンドナンバーです。ピアノなどが基調となっており、全体として切ないサウンドアレンジになっております。歌メロについては、AメロBメロサビという構成になっております。歌メロも美しく、全体として親しみやすい作品なのではないかと思います。
　ちなみに、私自身は、『夢みたあとで-Gomi’s Lair Remix-』というバージョンが好きです。同曲は、ラストのサビの歌詞が通常とは異なり、ラストサビが日本語のままになっております（楽器のアレンジも若干異なります）。

　同曲は、作詞をキーボード担当のAZUKI七（あずきなな）さん、作曲を中村由利さん、編曲をキーボード担当の古井弘人さんが担当しております。
　私なりのイメージですが、、バンドでは、①作詞を担当する人がボーカルを担当する、②別の楽器を担当する人がフロントマンとなり作詞作曲を担当するという2パターンが多いように感じます。ただ、GARNET CROWでは、ボーカルの中村さんは作曲のみを担当し、キーボード担当のAZUKI七さんが全作詞を担当するという形をとっております（逆のケースはよく見かけます）。そうした制作体制が少し珍しく感じました。


　『夢みたあとで』の音域的な特徴についてです。この楽曲は、女性としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。そのため、一般的な女性は少しキーを下げた方が歌唱しやすいのではないかと思います。ちなみに、GARNET CROWのライブでは、半音下げたキーで歌唱されることもあるようです。
　一方で、同曲は、低音域も比較的多く登場し、キーを下げ下げ過ぎると、かえって歌いにくくなりえます。パートごとに見ると、「Aメロ＝低音域、Bメロ＝中音域、サビ＝高音域」のようになっているため、比較的広い音域が要求されます。


　最後に『夢みたあとで』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiD#(D#5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりもやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はAメロで登場します。この辺りは一般的な女性の声域の範囲内ですが、低音が苦手な方は少し苦しいかもしれません。「低音は苦手でも、高音域は得意」という女性はキーを上げてもよいと思います。

　一方、地声最高音hiD#については、ラストのサビで登場します。回数は1回のみであり、少ないです。このhiD#は一般的な女性には高めのレンジになります。ライブなどでは裏声で歌唱されることもあるようです。私自身も、hiD#は裏声でも違和感が少ないと思います。
　同曲は、サビでhiDが複数回登場します。原曲キーで歌唱する場合は、この辺りが肝になります。このhiDは一般的な女性にとっては少し高いレンジになるのではないかと思います。高音域が苦手な方は、少しキーを下げてもよいです。目安として、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください（♭１～２）。


　『夢みたあとで』は低音域も比較的多く登場しますので、キーを下げる余地は少ないです。歌い慣れた人が調整する分にはよいと思いますが、ビギナーなどはキー調整を行っても歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。
　同曲は、「Aメロが低く、サビが高い」という構成になっているため、キー下げをする際は、「Aメロは少し曖昧になってもよいから、Bメロサビは頑張る」という風に、練習に強弱をつけてもよいと思います。

　『夢みたあとで』は歌メロが美しく、またリズムなどで難しい部分は少ないです。音域的な難しさはありますが、親しみやすい作品なのでないかと思います（歌詞なども非常に良いです）。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。