『君に夢中』(宇多田ヒカル)、Kimi no Muchuu(Hikaru Utada)

【地声最低音】mid1D#(D#3) ※2番Aメロで2回
★完璧に見えるあm1F#[の]人も疲れてかえ[る]F#[よ]【Aメロ】
★m1F#[オート]ロックのドアが閉[ま]る [靴と]鎧を脱ぎ捨[て]る
★火m1F#[が]つ[く]と[止]め[ら]れなく[なる]m1D#[ぅ]【2番Aメロ】
※Aメロが全体的に低いです
【地声最高音】hiB(B4) ※Cメロで2回
★hiA#[E]very[thing] I [d]o [makes] it [o]bvious That I’m into hiB[you and] [it’s] B[o][n]ly cuz【Cメロ】
【裏声最高音】hiD#(D#5) ※Cメロで登場
★好き過ぎhiC#裏[てど]hiA#[う]にかhiD#裏[な]C#[る][ぅ]ぅ【Cメロ】
【補足】mid2G#(一部略)~hiC#を含むフレーズ一覧
★hiA#[き]m2G#[み]にむちゅ[う] [Oh じんせ]A#[い][く]るわすタイ[プ]【サビ】
★m2G#[Ah まるで]hiA#[終][わ]らない hiC#裏[de][ja vu]
★hiB裏–hiA#[バカ]に[な]る]ほどき[み]に夢中
★hiA#[ここ]ろのそんとm2G#[ぉく]を考え[る]余[裕のある自分]んん【Bメロ】
★m2G#[すぐそこに行くよ] hiA#[Oh] [ba]by, baby
★m2G#[嘘じゃな]い[ことなど] 一つ[でも有れ]ば[それ]でじゅ[う]hiA#[ぶ][ん]ん【2番Bメロ】
まず、『君に夢中』(きみにむちゅう)についてです。この楽曲は、2021年に女性シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2022年1~2月にリリース予定の、『BADモード』(バッドモード)に収録される見込みであります。
同アルバムには、『Face My Fears』(ゲームソフト「キングダム ハーツIII」OP曲)、『PINK BLOOD』(アニメ「不滅のあなたへ」主題歌)、当ブログでも取り上げたの「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の主題歌『One Last Kiss』(過去記事)なども収録される予定であり、非常に豪華になっております。
『君に夢中』は吉高由里子さん主演のテレビドラマ『最愛』の主題歌として書き下ろされました。宇多田さんは2020年にもテレビドラマ『美食探偵 明智五郎』のために『Time』を書き下ろしており、ドラマ、アニメ、ゲームなど多方面に楽曲提供を行っております。
同曲は、12月上旬にMVが公開され、2日足らずで110万回以上の再生回数を記録しております。デビューより日本のポップシーンを牽引してきた宇多田さんでありますが、その勢いは今も衰えていないと私自身強く感じます。
『君に夢中』はスローテンポのリズム&ブルースナンバーです。楽曲を通して流れ続けるピアノのアルペジオが不気味な美しさを持っており、私は非常に耳に残りました。作詞作曲は宇多田ヒカルさん、編曲は宇多田さんに加え、『One Last Kiss』でのアレンジにも参加したA.G.Cookさんがクレジットされております。
歌メロについては、頭サビでメロが始まり、AメロBメロサビと展開します。全体的に韻を踏んだメロディーになっておりますが、Aメロはラップ調であり、Bメロサビはメロディーそのものの良さが強調されております。
『君に夢中』の声域的な特徴についてです。同曲は高音域については、大よそ一般的な女性の声域の範囲内といえます。よって、音域面ではそこまで高いというわけではありません。ただ、裏声の使い分けや抑揚の付け方など、テクニカル面での難しさがあります。表現面で学びが多い作品だと私は感じました。
一方、同曲はAメロのラップパートが女性の声域としては低く、mid1F#~mid1G#が連続的に登場するなどします。宇多田さんは低音域が魅力的な歌手でもあります。低音の練習にも非常に良い作品ではないかと思います。
最後に『君に夢中』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の声域の範囲内(低音域が低い)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1D#は2番Aメロで登場します。同曲は、Aメロでmid1G#やmid1F#といった低めの音階が多く登場します。そのため、一般的な女性は歌いにくいのではないかと思います。低音域が苦手な方はキーを上げてもよいです。その反面、低音域を練習するには非常に良い楽曲ではないかとも感じました。ちなみに、男性にとってはある程度歌唱可能なレンジであるといえます。
私自身、ブログを通して、多くの楽曲の音域を分析しておりますが、地声最低音がmid1D辺りというのは女声曲でもかなり低い方になります。このmid1D辺りの低音域が歌える女性は、女声曲の低音域ならば、大体歌えるのではないかと思います(中にはかなり低い曲もありますが、例外だと思います)。
一方、地声最高音hiBはCメロで登場します。曲全体で2回程度であります。同曲は、このhiB以外では、hiA#が地声感のある歌唱がされております。この辺りは一般的な女性の声域の範囲内といえますが、高音域が苦手な方は裏声などを駆使してもよいとと思います。
『君に夢中』は低音域が低く、キー下げなどは行いにくいです。一般的な女性がキー調整を行う場合、「キーを下げる」というケースが多いのではないかと私は考えております。同曲は、地声最高音がhiB、裏声最高音がhiD#ですので、高音域が得意な女性などはキーを上げた方が歌いやすいのではないかと推測されます。また、低音が低く、歌唱表現もテクニカルですので、ビギナーの練習曲としては使いにくいです。
『君に夢中』を原曲キーで歌唱する場合、高音域は地声高音域でhiA#~hiB、裏声最高音がhiD#辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。高音域に関しては比較的チャレンジしやすいといえます。一方で、最低音がmid1D#と低く、その点でハードルになりやすいかもしれません。声域的には、低音域が得意な歌い慣れた女性向け、また裏声などが得意な男性なども合いやすいと思います。
同曲は、裏声と地声の使い分け、抑揚の付け方、エッジの有無などテクニカルな面での難しさがある作品です。ただ、私なりのイメージでは前回取り上げた『One Last Kiss』(過去記事)よりは手を付けやすいのではないかと思います。宇多田さんの歌唱表現など、学びの多い作品ではないかと思います。
『君に夢中』は「カラオケで盛り上がる」というよりは「歌を聴かせる」という作品だと思います。低音域から高音域まで参考になりやすい楽曲ではないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。