『祝日』( カネコアヤノ ) の 音域

　まず、『祝日』（しゅくじつ）についてです。この楽曲は、２０１８年に女性シンガーソングライターのカネコアヤノさんによりリリースされたアルバム『祝祭』の最後の曲として収録されております。同アルバムには、シングル『Home alone』が収められており、CDショップ大賞2019で入賞を果たしました。


　さて、『祝日』は先述のようにアルバムの最後の曲として収録されております。同曲はミュージックビデオも公開されており、２０２２年１２月現在、約１４５万回の再生回数を記録しております。カネコさんの作品としては人気や知名度が高い楽曲といえそうです。また、今年のフェスで藤井風さんが同曲をカバーしたことでも話題になりました。


　『祝日』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な女性の音域の範囲内（もしくは若干高め）のレンジで歌メロが作られております。この楽曲の歌メロはAメロBメロサビと展開しますが、AメロBメロは全体的に中低音、サビは中高音を中心に展開されます。そのため、どちらかといえば音域はやや広い方になりますが、その分高音が求められる場面はサビに限定されます。



　最後に『祝日』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiC#(C#5)～【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。
　まず、地声最低音mid1G#はAメロやBメロなどで登場します。登場回数は意外と多いです。このmid1G#は一般的な女性の音域の範囲内ですが、今回はmid2A#とコンボになっている場面が多く、意外と低音感があるかもしれません。滅茶苦茶に低いわけではないと思いますが、低音域が苦手な方は少し注意してもよさそうです。


　次に、地声最高音hiC#はサビを中心に登場します。登場回数は４回程度です。今回登場するhiC#のうち、３回程度はhiCとコンボになっており、高音域が苦手な方などは高音感があるかもしれません。そのため、場合によっては少しキーを下げることも検討してみてください。ただ、最近のJ-POP女性曲の中では比較的原曲キーでのチャンレジがしやすい楽曲ではないかと私は分析しました。


　『祝日』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。最高音自体もそこまで高くはないので、ある程度歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することができると思います。ただ、音域自体は狭くはないため、ビギナーなどはもしかしたら一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。キーを調整しても難しいと感じた場合は、他のより易しめの曲と並行して練習してください。


　『祝日』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC#といった高音群をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけhiC#はhiCと一緒に登場する場面もあり、少し高音感がありそうです。原曲キーだと「標準的な音域～標準より高めの音域の女性」などがマッチしやすいと私は分析しました。逆に「高音域が非常に得意な女性」などは少しキーを上げてもよさそうです。

　『祝日』はアルバムの最後を飾る穏やかでアコースティックなナンバーです。そのため、全体的にシンプルなメロですが、ボーカルの良さが活きやすいです。個人的には歌詞なども非常に印象に残りました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。