『キレイだ』( w-inds. ) の 音域

　まず、『キレイだ』についてです。この楽曲は、２００４年にダンス&ボーカルユニット・w-inds.によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされたベストアルバムの『w-inds.〜bestracks〜』（ウィンズ ベストラックス）に初収録されました（のちに、０５年のフルアルバム『ageha』にも収録されます）。同アルバムは、デビュー年の２０００年から２００４年までのシングル曲およびアルバムでの人気曲が収められております。アルバムは約１６万枚のセールスを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。

　さて、『キレイだ』は、先述のベストアルバムの先行シングルとしてリリースされました。この頃、w-inds.は海外でも大きな人気を獲得し始めていました。とりわけ、台湾ではアルバムが４作連続で総合チャート１位を記録しており、香港や中国、韓国・タイなどでもヒットします。近年はK-POPのアイドルの人気が高いですが、J-POPのアイドルで海外でも大ヒットしたグループと聞くと、私はこのw-inds.を連想します。


　『キレイだ』はアップテンポのダンスミュージックです。歌メロはAメロBメロサビと展開し、親しみやすいと思います。同曲は作詞作曲をスキマスイッチが担当しており、その点でも知られております（編曲は日高智さん）。ちなみに、スキマスイッチ自身も同曲をセルフカバーしておりますが、w-inds.とは異なるロック調のアレンジとなっています。両者を聴き比べてみるのもよいかもしれません。


　『キレイだ』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は、最低音がmid1Fであり、男性曲としては高めです。そのため、相対的に中高音域の頻度が高く、Bメロ以降はmid2D#～mid2G#辺りが頻出します。そのため、音域以上に高音感があり、標準よりも高いレンジの人でもスタミナが求められます。hiA以上の音階は登場しないものの、「高音域が得意な男性」などは非常に楽しめるレンジが続きます。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。ただ、今回は最低音がmid1Fであるため、「標準より低い音域の女性」などはもしかしたら原曲キーでも合う可能性もあります。



　最後に『キレイだ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、最低音がやや高い分、相対的に中高音域が多く登場することが示唆されます。

　次に、地声最高音mid2G#はBメロサビで登場します。登場回数は２４回と多いです。最高音はいずれもmid2F#,mid2Fとコンボになっており、その点でも高音感があります。このmid2G#は男性の音域としてはやや高く、今回は回数も多いため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと言えます。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください。


　『キレイだ』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。一方、今回は音域もそこまで広くないため、ビギナー向けの調整も可能なのではないかと私は推測しております。ただ、Bメロサビは若干歌い回しが速いため、滑らかな発声が損なわれる可能性もあります。そのため、歌詞などもしっかり覚えておきたいです。
　今回の楽曲はメロディーは比較的親しみやすく、耳に残りやすいです。音域が合う方であれば、楽しく歌えるのではないかと思います。

　『キレイだ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#～mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけ、今回はBメロサビで中高音域が頻出します。そのため、音域以上に高音域が安定している必要があると思います。こうしたことを考慮すると、「標準より高め～高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。



【まとめ】

①全体的（特にBメロサビ以降は）に中高音寄り（要スタミナ）。
②原キーだと「標準より高め～高音域が得意な男性」向け。
③メロディーは比較的覚えやすい