J-POPの音域を詳しく調べる

J-POPを中心にボーカルの音域(キー)をそこそこ詳しく、細かく調べていきます。最高音や最低音以外も表記してます。楽曲の感想なども述べています。

J-POPを中心に歌メロディーの音域を調べます。カラオケや歌ってみたなどに役立てて頂ければ幸いです。

『ノーダウト』(Official髭男dism)の音域と感想

 こんにちは。今回はOfficial髭男dismの『ノーダウト』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

 当ブログが過去に取り上げたヒゲダン作品⇒ヒゲダンの音域一覧

『ノーダウト』(Official髭男dism)、No doubt(Official Hige Dandyism)


【地声最低音】mid2A(A3)  

m2A[まる]で魔法のm2F#[よう]に 簡[単]に広[まっ]てく噂話(Aメロ)


【地声最高音】hiC#(C#5)  

★そhiA[して少し]hiB[の]hiC#[あ][いで](サビ)
m2F#[one] more] [time] hiC#[ah] [ah]


【裏声最高音】hiB(B4) 

★仕hiB[方ない] どうしhiA裏[ようもない](Bメロ)


【補足】その他の注意点

mid2G[そう言ってわが]hiA[ま][ま]mid2F#[放題お]となたち(Bメロ)
★完m2F#[璧]hiA[な] hiB[Lie and lie] hiA#[lie and lie] (サビ)
★その奥の野生の[か][け]hiA[ら]
★はやくデマカセに気[づい]て 騙したわけに気hiA[づい]m2G[て]
★誰に何度 裏切られても mid2F#[目]を 覚[まし]てわ[らっ]

『ノーダウト』(Official髭男dism)









 まず、『ノーダウト』についてです。この楽曲は2018年にOfficial髭男dismによってリリースされたシングル作品です。ヒゲダンにとっては記念すべきメジャー1枚目のシングルです。
 この楽曲はフジテレビ系の月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』のために書き下ろされた作品です。そうしたこともあり、バンドを知らない人からも多くの注目を集めた楽曲だと思います。YouTube公式チャンネルではMVが公開されており、2019年6月現在、2100万回もの再生回数を記録しています。

 『ノーダウト』サウンドについてですが、ヒゲダンらしいファンク感あるピアノポップです。メロディーの構成については、個人的には、どちらかと言えば洋楽のような構成であると感じます。従前のJ-POPのように「今Aメロかサビか」といったことをほとんど意識することが無いまま、流れるように3分間の演奏時間が過ぎてゆきます。こうした楽曲がヒットするというのは非常に面白いと思います。

 歌詞については、個人的に「[そう言ってわがまま放題大人たち」「神様も ハマるほどの 大嘘を 誰もハリボテと知るよしもない」という二つが特に好きです。前者は「わがまま」というフレーズを「大人たち」に使っている点が面白いと感じました。





 さて、『ノーダウト』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3) ~【地声最高音】hiC#(C#5) 、【裏声最高音】hiB(B4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりもかなり高いです。どちらかと言えば、女性の音域に近いです。

 上の図や記述では表示していませんが、mid2F、mid2F#が楽曲の全体を通して頻出します。mid2Fは一般的な男性ボーカルのサビ等で使われることが多い音階です。ミュージシャンによってはこの辺りを最高音に設定することも多いです。故に原曲キーで歌う場合、普段歌い慣れていない人はほとんど歯が立たないのではないかと思います。

 ただ、この『ノーダウト』は低音部にはかなり余裕があります。故にオーソドックスな対応方法としては「素直にキーを下げる」ことです。ある程度歌い慣れているという前提で、原曲よりキーを4~5つ下げるとおおよそ一般的な男性の音階に近くなります。これで、サビの最高音がhiAもしくはmid2G#に設定されます。

 その他、「高音域の場面はシャウト気味に歌う」「hiC#の箇所だけ裏声気味に歌う」などの方法も考えられます。ただ、こちらの場合はhiAやhiB近辺を安定的に歌いこなせる必要があります。どちらも一般的な音域の人にはハードルが高い方法だと留意しておいてください。

 逆に女性ならば比較的歌いやすい音域なのではないかと思います。それぞれの音域の高さによりキーの上下を行う必要がある場合もありますが、男性ほど大きくキー変更を行う必要はありません。その点において、『ノーダウト』は女性にお勧めしやすい楽曲です。


ヒゲダンの音域一覧



『シンクロ』(秦基博)の音域と感想

こんにちは。今回は秦基博さんの『シンクロ』(2006)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『シンクロ』(秦基博)、Synchro(Motohiro Hata)


【地声最低音】mid1E(E3)  

[立]mid2F#[止][る]君の影
[お]おきな雲の影に飲みこまれた


【地声最高音】hiB(B4)  

★もうみうしmid2F#[な]mid2G#[わ]hiA[な]hiB[い]ように(サビ)
★このhiA[手]のぬ[くもり]hiB[だ][けで] 
hiB[ぼ]hiA[く]m2G#[ら]m2F#[ぁ]
★もm2F[うこ]m2G#[わく]F#[はな][いん]hiA[だ]hiB[よ][ぉ](ラストサビ)


【裏声最高音】hiD(D5) ※Cメロの箇所

mid2F#[まるでお]hiC#[な]hiD[じ][も]hiA[ののようにシン]mid2G#[ク][ロ][るよ]


【補足】

★ぼmid2F#[く][手][つ]hiA[な]mid2G#[い]だ(サビ)
★ひm2F[とつ]m2G#[たし]m2F#[か][な]hiA[もの]
★ひm2G#裏[び]いて ひびきhiA裏[合っ]m2F#[て](Cメロ)
m2F#[同]hiA裏[じ]hiC#[よう]hiB[に震][えあっ][て]


『シンクロ』(秦基博)









 まず、『シンクロ』についてです。この楽曲は2006年にシンガーソングライターの秦基博さんによりリリースされたシングル作品です。記念すべき秦さんのデビューシングルです。1枚目のミニアルバム『僕らをつなぐもの』にはアルバムバージョンが、また1枚目のフルアルバム『コントラスト』にはシングルと同様のバージョンが収録されています。

 『シンクロ』についてですが、秦さんが演奏するアコギを基調としたバンドサウンドです。アレンジとしては80年代以降に英国などで見られるポスト・パンクなどが想起されます。日本のバンドで言えば、スピッツなどが好きな人は非常に好きなサウンドなのではないかと思います。アコースティックギターとエレキギターの音色が非常に心地よく、美しいアンサンブルです。私自身はリアルタイムで『シンクロ』を視聴したわけではないのですが、たまたまラジオでこの楽曲を耳にしたときに非常にハマりました。
 
 歌詞についてです。情景描写が頭に浮かんでくる素敵な楽曲だと思います。歌詞全体としては「晴れた陽の中で手を繋ぐ」、「手を繋いで雨の中を駆けだす」といった瞬間的な場面が描かれています。個人的に好きなフレーズは少々長いのですが、以下の箇所です。

 立ち止まる君の影 大きな雲の影に飲みこまれた 
 かくれた陽が また覗くまで 君は歩き出せないでいる

 差し出した僕の手をためらいがちに見つめている
 君の指が觸れるまで 僕もただ立ち尽くしていた

 「二人の影」、「太陽や雲」といった情景が浮かんでくる点も素晴らしいです。単に「何かにためらい、歩き出せない君の手を取る」という場面なのですが、二人の関係について前後の説明が無いため、様々な想像が掻き立てられます。Cメロの歌詞を見ると恋愛関係であることが想像できるのですが、同性や友人関係などでも解釈できるような広さがあると思います。






 さて、『シンクロ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3) ~【地声最高音】hiB(B4) 、【裏声最高音】hiD(D5)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域より高いです。

 地声最高音のhiBについてですが、このキーは地声で歌うのはかなり大変です。一つの方法として、hiB部分のみを裏声で対処し、前後のhiA,mid2G#を地声で歌うというやり方があり得ると思います。この方法でもやはりhiA,mid2G#辺りを使いこなせる必要があります。hiAが歌いこなせる人は選択肢に入れてみても良いと思います。

 一般的な音域の方の場合は、原曲キーから2~3程度下げると良いと思います。これで、最高音hiBがhiAもしくはmid2G#に設定されます。もちろん、このキーでもある程度歌い慣れている必要があります。
 そうした点で、『シンクロ』は難易度が高めの楽曲です。『鱗』などの人気曲と比べて少し知名度が低いですが、歌いこなせると非常にカッコいいと思います。



『雲と幽霊』(ヨルシカ)の音域と感想

 こんにちは。今回はヨルシカの『雲と幽霊』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『雲と幽霊』(ヨルシカ)、Kumo to Yuurei(Yorushika)


【地声最低音】mid1E(E3)  

★幽霊にmid2F#[なった]僕は、[明日]遠くの君を見に行くんだ  
[きっと]君には言えない


【地声最高音】hiB(B4)  ※ラストのサビのみ(通常サビはhiA)

★雲が遠いhiA[ね] hiB[ね][ぇ] 



【補足】通常サビ等、その他の注意点

★君と座っhiA[て]mid2G#[ー][ー] (通常サビ)
★バス停見mid2F#”[上げ]た空が

『雲と幽霊』(ヨルシカ)









  まず、『雲と幽霊』についてです。この楽曲は、2017年にヨルシカによりリリースされたミニアルバム『夏草が邪魔をする』に収録されている楽曲です。『雲と幽霊』はこのアルバムのフィナーレを飾る重要なナンバーとなっております。ちなみに、ユニット名の「ヨルシカ」はこの楽曲で登場する「夜しかもう眠れずに」というフレーズが由来となっております。
 『雲と幽霊』はヨルシカのYoutube公式チャンネルでMVが公開されており、2019年6月現在、およそ950万回の再生回数を記録しております。

 『雲と幽霊』のサウンドについてです。アンニュイさを想起させるギターの音色が心地よいです。間奏、およびサビで流れる音が印象的です。また、所々、目覚まし時計のベルの音、水の落ちる音などがサンプリングされております。リスナーをどこか不思議な世界観にいざなうようです。
 メロディーについてもどこかアンニュイさを想起させます。一般的な女性の音域よりやや低いゾーンでメロディーラインが展開されます。サビも気だるさや浮遊感が想起されます。

 歌詞についてですが、タイトルにあるように「死んでしまった僕」から見た世界が描かれていると思います。この楽曲単体で見ると、「「幽霊」というのは比喩で、僕自身は死んでない」という見方もできると思います。しかし、同じアルバムに収録されている楽曲『言って。』でも「僕の死」が描写されているので、やはり僕は「この世にはいない」のだと思います。

 歌詞の中では、「君」に対する未練が描かれていますが、「だからさ、君もさ、もういいんだよ」というラストのサビのフレーズにあるように諦観(ていかん)の念が見て取れます。そうした中で、やはり思いを完全には捨てきれずにいるのだと思います。楽曲のラストで「遠くの君を見に行くんだ(中略)きっと君には見えない」が切なさを誘います。



 さて、 『雲と幽霊』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiB(B4) でメロディーが構成されています。一般的な女性の音域の範囲内ですが、やや低い音階も登場します。

 まず、【補足】の部分でも示しましたが、mid2F#やmid2G#などが色分けされています。高い音階はほとんど登場しません。場合によっては男性が歌うことも可能なキーだといえます。

 サビのフレーズについてですが、通常のサビの最高音はhiAで、ラストサビでのみhiBが登場します。そうしたことから、『雲と幽霊』は普段あまり歌い慣れてない女性であってもチャレンジしやすい楽曲であると思います。
 ボーカルの特徴として、どこか物悲しげで、気だるさを持っています。あまり声を張らずに、少し抑え気味に歌った方が雰囲気が出ると思います。

 先にも述べましたが、地声の最高音がラスサビのhiBで1音のみですので、あまり歌い慣れていない人であってもチャレンジしやすいと思います。努力が報われやすい楽曲です。
 当ブログがこれまで取り上げたヨルシカの作品でも特に手を付けやすい作品の一つではないでしょうか。



管理人プロフィール

もりっしー

北九州市近郊に在住するギター初心者。

「気になる歌の音域データ、感想」を述べていくブログです。

【好きなもの】音楽(特に80年代~のポストパンク、邦楽ロック)/漫画/地理/炭酸飲料

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