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『見たこともない景色』(菅田将暉)の音域と感想

 こんにちは。今回は菅田将暉さんの『見たこともない景色』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『見たこともない景色』(菅田将暉)、Mita Koto mo Nai Keshiki(Masaki Suda)


【地声最低音】mid1D(D3)  

★[どう]してそんなに[]れるの
★そこから見える景色 同じ景色[を見よう]


【地声最高音】hiA(A4)  ※ラストのサビ1箇所

★真っ青なmid2G[う]み[]hiA[ち][い]さな帆をあげて


【補足】通常サビ部分はmid2Gが最高音 

★日本のmid2F#[か]mid2G[ぜ][に]
★日本の[た][い][よ][う][に]未来照らされ2F#[て]


『見たこともない景色』(菅田将暉)









 
 まず、『見たこともない景色』についてです。この楽曲は俳優としても活躍される菅田将暉さんのファーストシングルとして2017年に発売されました。それに先立ち、2016年末ごろから、携帯電話会社auのサッカー日本代表を応援するCM「au BLUE CHALLENGE」(「三太郎シリーズ」)で、この楽曲が使用され、話題になっておりました。

 『見たこともない景色』の作詞はCMディレクターの篠原誠さんが担当しております。篠原さんは桐谷健太さんの『海の声』や、以前レビューしたWANIMAの『やってみよう』でも作詞をされております。
 作曲は音楽プロデューサーの飛内将大さんが担当しております。飛内さんはYUKIさんやAimerさんなどへの楽曲提供でも有名です。特にAimerさんへの楽曲提供としては、『六等星の夜』、『星屑ビーナス』、『寂しくて眠れない夜は』など多くの作品で作曲編曲を行っております。

 『見たこともない景色』のサウンドとしては、疾走感のあるバンドサウンドですが、ピアノが象徴的な役割を果たしております。BUMP OF CHICKENやRADWIMPSっぽさを感じさせる楽曲ですが、ギターソロなどに当たる部分をピアノが担当しております。それにより、サウンドがクリアになってます。

 歌詞については、サッカーの日本代表を応援するためのCMで使用されたということもあり、そうした前向きな歌詞になっております。「日本の風に背中押されて 日本の太陽に未来照らされて」といった歌詞はまさに、代表を応援するということを象徴するフレーズだと思います。また、この楽曲の歌詞を自分の夢などに重ねた人も多いかもしれません。

『見たこともない景色』Short ver.



 個人的に面白いと思ったのは、『見たこともない景色』のシングルジャケットです。菅田将暉さんの写真が、ロックンロールの創始者のひとりでもあるチャック・ベリーを意識したものになっております。また、別の写真では、エルヴィス・コステロを彷彿とさせるポーズが取られています。

 エルヴィス・コステロは「内股の立ち姿」が有名なミュージシャンです。Mr.Childrenが『シーソーゲーム』(1995)のMVで、このエルヴィス・コステロのパロディーを行っております。『シーソーゲーム』のアレンジもコステロ風です。




 

 さて、『見たこともない景色』の音域についてですが、地声最低音 mid1D(D3)~地声最高音hiA(A4) でメロディーが構成されております。通常のサビ部分はmid2Gが最高音です。

 一般的な男性の音域より少し高いです。通常のサビでは一般的な男性の音域と同じくらいですが、上述してあるように、mid2F#mid2Gといった音階が連続で登場するので、予想以上に難しい楽曲だと思います。

 ある程度歌い慣れていないと、サビの部分がかなりきついと思います。もしかしたら、『さよならエレジー』などよりも難易度は高いかもしれません声が出にくいと感じられた場合は、キーを少し下げるのもアリだと思います。

 『さよならエレジー』、『ロングホープフィリア』など菅田将暉さんの人気曲は、一般的な男性でも努力すれば届きうるレベルだと思います。ただ、菅田さんが俳優であることを考えると、かなり難易度が高いです。例えば、俳優でミュージシャンをされている福山雅治さんなどはもう少し低い音域です。星野源さんは楽曲に寄りますが、『恋』などはそこまで高いキーではありません。

 楽曲の中で1箇所登場するhiA部分ですが、この音階は努力しても難しい人が居ると思います。無理に地声で発声せずに、裏声気味に歌っても大丈夫だと思います。楽曲のスタイルなどを考えても、声が出なかったとしてもあまり目立たないと思います(他の部分が歌いこなせていることが前提です)。

 まとめると、一般的な男性ならば「努力すれば届きうる楽曲ですが、hiA部分は出なくてもしょうがない(裏声もアリ)」といったところだと思います。

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