『ユアーズ』( 菅田将暉 ) の 音域

　まず、『ユアーズ』についてです。この楽曲は、２０２３年に俳優・歌手の菅田将暉さんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとしてリリースされました。最新作であるため、アルバムには未収録です。

　さて、『ユアーズ』はドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の主題歌として書き下ろされました。同ドラマは、菅田さん自身が主演を務めた２０１９年のドラマ『3年A組－今から皆さんは、人質です－』の制作陣により作られております。そうした中で、菅田さんは歌手としてドラマに携わることになりました。
　同曲の作詞作曲は菅田将暉さんとKohei Shimizuさんの共同、編曲はトオミヨウさんによりなされました。Kohei Shimizuさんは、バンド・カラスは真っ白でギターを担当後、２０１７年よりソロ活動を開始。楽曲提供やサポートギタリストとしても活動をしております。


　『ユアーズ』はスローなバンド曲です。ピアノやストリングスで始まり、AメロBメロサビと展開します。同曲は全体としてメロディアスな楽曲ですが、要所で転調が行われております。そのため、人によっては少し音程が取りにくく感じられるかもしれません。カラオケなどの際は、原曲をしっかり聴き込んでおきたいところです。

　『ユアーズ』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては「標準～やや高め」のレンジで歌メロが作られております。個人差はありますが、一般的には少しキーを下げて歌唱するということも選択肢としてあり得るのではないかと思います。
　同曲は地声最高音はhiAですが、全体を通してみると標準的なレンジで歌メロが展開されております。中高音域としてはmid2D～mid2F辺りが多く、この辺りがしっかり歌えることが1つの目標となります。低音域についてはmid1D,mid1E辺りであり標準的です。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音域がmid1E,mid1D辺りであるため、原キーだと女性の音域としてはかなり低くなります。一つの目安ですが、原曲キーから３～４つ程度上げてみてください。



　最後に『ユアーズ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域としては標準的、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1DはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、高音域が得意な人だと若干歌いにくいかもしれません。高音域が得意な男性はキーを上げることも選択肢です。

　次に、地声最高音hiAはラストサビで登場します。登場回数は１回のみです。このhiA以外ではmid2Gが１回程度登場し、全体でみるとmid2D～mid2F辺りが中高音として多く見られます。「全体としては標準的だが、一部で高い音が登場する楽曲」といえます。そのため、一般的な男性は少しキーを下げてもよいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１つ程度下げてみてください。


　『ユアーズ』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。一方、今回はそれなりに音域が広い曲であるため、ビギナーの場合はもしかしたら一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。
　同曲はメロディー自体は覚えやすい方です。ただ、転調が要所で登場するため、音程を取るのが苦手な人は難しく感じられる可能性があります。

　『ユアーズ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D～hiA辺りの中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。mid2G、hiAはそれぞれ１回ずつ登場し、全体でみるとmid2D～mid2F辺りが地声高音として多く登場します。
　こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。高音域が非常に得意な男性などはキーを上げた方が歌いやすいかもしれません。


【まとめ】

①全体でみると標準的だが、一部でやや高い音が登場する
②原キーだと「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」などが合いそう
③メロは全体的に分かりやすいが、音程を取るのが苦手な人は少し歌いにくいかも