(2019/04/06)初投稿
(2019/04/07)解説記事に一部追記を行いました
(2019/04/27)解説記事に一部追記を行いました
(2019/10/18)【地声】と【裏声】の最高音をそれぞれ記載しました。また、解説部分を修正加筆しております。


 こんにちは。今回はKing Gnuの『白日』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『白日』(King Gnu),Hakujitsu


【地声最低音】mid1A#(A#2)  ※常田大希(低音)パート

★誰かのために[生き]るなら


【地声最高音】hiB(B4)  ※転調後サビ

hiB[真っ]新に生まれ変わって 人生一から始めようが(転調後大サビ)
★へばりhiB裏[つ][て]はなhiB[れ]ない
★地続きhiB[のい]B[をあ]C#裏[るい]hiD[て行]hiC#[くん]


【裏声最高音】hiF#(F#5) ※井口理(高音域)パート  

★全てを忘れさせhiF[て]hiD#[く]hiF#[れ][よ](2番サビ)
hiF#[うんざ][り][す]hiF#[る][よ](大サビ)
★すべhiB[て]hiB[か]hiC#[く]hiD[し]hiE[て]hiF#[くれ]



【補足】mid2D#、hiA#hiFの象徴的な箇所

★その頃にはきっと 春風が吹くだmid2D#[ろう](Bメロ常田パート)
★きずつhiC裏[け]hiA#[てし]まったり(Aメロ)
★犯した罪hiC裏[を]hiA#[知]hiC#[る]   hiC#裏[も]hiC[ど]hiA#[れ]ないよ(Aメロ)

★どっhiA#[か]の誰かに hiA#[なって]やしないかな(Cメロ)
hiC[そん]C#[なん]hiD#[もん]C#[だ]hiF[ろう](Cメロ)

『白日』(King Gnu)











 まず、バンドのKing Gnu(キングヌー)について説明です。King Gnuは2017年に結成された比較的新しい4人組のバンドです。それ以前に中心メンバーの常田さんはSrv.Vinci((サーヴァ・ヴィンチ)というバンドを結成し活動されていたそうですが、メンバーチェンジなどを経て、現在のKing Gnuに至ります。
 さて、『白日』についてです。2019年にKing Gnuにより、配信限定シングルとしてリリースされた
作品です。日本テレビ系 土曜ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」の主題歌に起用され、バンド初のドラマタイアップとなりました。

 サウンドとしては、バンドミュージックなのですが、いわゆる00年代以降に多く見られた疾走感のあるギターサウンドといったものではありません。ギターも演奏に参加しているのですが、全体として演奏の核を担っているというわけではありません。電子音楽的なアレンジもあり、ピアノもありという感じです。ファンクな要素などもあり、非常に多ジャンルです。
 「音域」というテーマを掲げている当ブログとしてはやはり、ツインボーカルという点に注目したいと思います。毛の色の違うボーカルが2人いるという点が、この『白日』においても一つの強みになっていると思います。常田さんのボーカルはブラックミュージックらしさを感じます。また、東京藝術大学で声楽を専攻していた井口さんの高音ボーカルは印象的です。

 歌詞としては、「罪や後悔」といったものを抱えつつ、それでも前を向いて生きていくという内省的な歌詞になっております。「白日」とは身の潔白などの意味があります。歌詞内容的には「潔白」であるわけではありませんが、降りしきる雪に対し、これまでの自分を隠してくれと願っている点が、まさに『白日』というタイトルを象徴しているのではないかと思います。

 「真っ新に生まれ変わる」という前向きなフレーズが使われつつも、「へばりついて離れない地続きの今を歩いている」という必ずしも救いがあるとは言えない歌詞が非常に面白いと思います。歌詞内容としてはどこか泥臭さを感じさせますが、楽曲全体として非常にスタイリッシュに仕上がっています。「曖昧なサインを見落として 途方のない間違い探し」というフレーズも非常に共感できました。





 さて、『白日』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#2) ~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiF#(F#5)でメロディーが構成されております。非常に広い音域ですが、これはツインボーカルという強みでもあると思います。

 Bメロ、サビ等はユニゾンですので、低音パートの常田大希さんはmid1A#~mid2F#で一般的な男性の音域に当たると思います。当然、「一般的」であっても、ある程度歌い慣れていることが前提です。
 一方で、井口理さんはおおよそmid2A~hiF#辺りの音域になります(低音部は途中で気付いて、取り急ぎ調べたのでミスがあるかもしれません)。女性の音域に近いです。

 ツインボーカルを踏まえておいた方がいいです。一人で歌うのはかなりしんどいです。上述してありますが、音程も非常に目まぐるしく変化するため、難易度は非常に高いです。

 高音域を担当するボーカルの井口理さんは、『白日』では大体hiC以上の高音域は裏声で発声しています。これは息漏れの少ない裏声であり、非常に難易度が高いです。井口さんはhiB辺りの地声を交えながら、巧みに裏声を歌いこなしております。普段裏声で歌う際、また練習する際に、「息漏れが多いか少ないか」といったことを意識してみると良いと思います。
 
 地声最高音はhiBであり、この辺りの音階を力強く歌えると非常にアドバンテージになります。ただ高音部を力一辺倒で歌えばよいわけではありません。先にも申し上げたように、裏声なども交えており、上手く強弱を付ける必要があります。音域も広いためキー下げが難しく歌う人を選ぶ作品です。元々高音域が得意な人が、努力をして到達しうる高い難易度です。

 簡単な楽曲ではありませんが、歌いこなせるならば、非常にかっこいいと思います。


【追記1】ちなみに、井口さんの高音パートを女性が担当するというのも選択肢としてあり得ると思います。ニュアンスとしては、可愛らしい歌声や澄んだ歌声よりも、かっこいい歌声やよどみや癖を感じさせる歌声の方が、井口さんのテイストに近づくのではないかと思います(前者のような歌声でも表現としてはあり得ると思います)。
 
【追記2】男性の場合、現実的な対策の一つとして、すべてを低音パートで歌うということもあり得ると思います。常田大希さんのパートはmid1A#~mid2F#です。井口理さんがソロで歌っているパートも1オクターブ下で歌えば、この範囲内に収まります。原曲とニュアンスが変わってきますが、一つの対策として考えてみても良いかもしれません。低音域に魅力がある声質であれば凄くハマると思います。