こんにちは。今回は井上陽水さんの『少年時代』(1990)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。
 今回取り上げる『少年時代』ですが、公式のMV、ライブ動画などはフル配信されていません。よって、ショートバージョンのライブ動画を添付します。ご了承ください。


『少年時代』(井上陽水)、Shounen Jidai(Yousui Inoue)


【地声最低音】mid1E(E3)  

★誰のあ[こが]れに さまよう
★私の心[は]夏模様


【地声最高音】mid2F(F4)  ※楽曲全体で1箇所

★八月mid2E[は]mid2F[ゆ]めはなび



【補足】mid1E(地声最低音)mid2Eの箇所

★夏が過mid2E[ぎ] 風あざみ
★夢が覚め 夜の中 永mid2E[い]冬が まmidE[ど]を閉じて
mid2E[呼び][け][ま]まで
mid2E[夢]はつまり 想い出mid1E[の]2E[あ]とさき


『少年時代』(井上陽水)









 まず、シンガーソングライターの井上陽水さんについて少し説明します。井上陽水さんは1970年代から活躍する歌手です。多くの代表作がありますが、『傘がない』、『夢の中へ』、『リバーサイドホテル』などが有名と思います。今回取り上げる『少年時代』も非常に有名な作品です。また、アルバム『氷の世界』(1973)は日本で初めてミリオンセラーを記録したアルバムとなっています。日本の音楽にも非常に大きな影響を与えたミュージシャンですが、最近ではKing Gnuのメンバーが影響を受けたことで知られています。

 さて、『少年時代』ですが、1990年に井上陽水さんによりリリースされたシングル作品です。漫画家藤子不二雄Aさん原作の『少年時代』の映画化にともない、制作された楽曲であります。当時はそこまで大きなヒットではなかったようですが、CM曲などに起用されることで少しずつ浸透し、結果ロングヒットを記録しました。シンガーソングライターの宇多田ヒカルをはじめ、多くのミュージシャンにカバーされ続ける楽曲です。

 『少年時代』のサウンドについてです。ピアノやストリングスを中心とした始まる緩やかなテンポの楽曲です。ストリングスアレンジは星勝さんが行っております。星さんは井上陽水さんのプロデューサーとして非常に有名です。『少年時代』では陽水さんのソングライティングも光りますが、星さんによるストリングスアレンジも非常に良い仕事をしています。
 個人的にストリングスアレンジも非常によいのですが、間奏のドラミングも非常に耳に残ります。ちなみに、この『少年時代』ではベースやドラムといったポップスで使用されるリズム楽器がほとんど使われておりません。クラッシックの要素が強いアレンジになっております。

 歌メロディーについてですが、最近のJ-POPでよくあるようなAメロBメロサビといった展開ではなく、洋楽のようなヴァース1、ヴァース2のような形だと思います。ポップなメロディーですが、抑揚という面ではドラマティックな動きは少ないと思います。歌謡曲ではこうした歌メロディーの構成も非常に多かったと思うのですが、最近のシングル作品では珍しくなっています。

 『少年時代』の歌詞についてです。晩夏の夜をイメージした歌詞内容になっています。今回、ブログで取り上げようと考えたのも、『少年時代』がそうした夏を代表する楽曲の一つだと私自身が考えたからです。ちなみに「風あざみ」、「宵かがり」という言葉は陽水さんの造語です。ただ、造語であっても聴き手に風景を想起させる言葉になっていると思います。日が落ちて、風が吹き、少し涼しくなった夏の夜を思わせます。





 さて、『少年時代』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3) ~【地声最高音】mid2F(F4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域です。

 まず、地声最高音のmid2Fについてですが、楽曲全体で一度しか登場しません。最後の歌メロディーで1回だけです。
 楽曲全体を通して、頻繁に登場する高音部はmid2Eという音階です。この音階は普段歌い慣れていない人であってもかろうじて届きやすい音階です。そうした点において、非常に手を付けやすい作品であると思います。
 当然、歌い慣れているに越したことは無く、練習を積み重ねれば、成長も期待できる楽曲です。音域も広くなく、mid2E、mid2Fといった音階を歌い慣れるのに非常に良い練習曲だと思います。

 一方で、声が高い男性にとっては、少し歌いにくく感じることもあるかもしれません。そうした方はキーを上げて調整しても良いと思います。ただ、高音部に自信がある男性であっても、あまりキーを上げ過ぎない方が良いと思います。やや落ち着いたキーの方が、楽曲の静かな雰囲気を上手く表現できると思います。
  
 ちなみに、この『少年時代』は女性が歌ってもよい楽曲だと思います。歌手の宇多田ヒカルさんがカバーしたバージョンだと、mid2A#~hiBのキーで歌われています。原曲キーから6つ上です。音域にも個人差がありますが、一つの参考にしてみると良いと思います。