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『オドレテル』( Siip )の音域[2021年の作品]

 こんにちは。今回はSiipの『オドレテル』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『オドレテル』(Siip)、Odoreteru(Siip)
『オドレテル』(Siip)の音域






【地声最低音】mid1C#(C#3) 

★恋と似たり寄った思いが はm1D#[だ]をふ[る]わせる【Aメロ】
m1C#[犠]牲にした心の声が m1D#[い][さ]ら聞[こ]えてくる【2番Aメロ】
★帰りたい 帰りたい ここm1D#[ろ][す]らぐ場所へ【Cメロ】

※mid1C#に必ずしもこだわらなくても良い。

【地声最高音】hiB(B4)  ※サビで登場

★かhiC#[な]hiD#裏[わ]hiA#[な]いゆhiB[めを]hiA#[見]m2G#[て]A#[る]【サビ】


【裏声最高音】hiF#(F#5) ※サビで登場

★消えれずに浮hiF#裏[かん]hiC#[で]hiB[い]hiA#[る]【サビ】

※ラストサビは特に地声感が強いですが、今のところ裏声としておきます。


【補足】mid2F#(一部略)hiD#を含むフレーズ一覧

★わm2F#[た]しだけ[を]m2G#[の]hiA#[ろ][う] (私だけが昇る)【Bメロ】
★おhiC#[ぼ]hiD#裏[れ]hiA#[られ]ず(踊れてる)【サビ】
★情けない 情けない あm2F#[な]たの言葉で【Cメロ】

 まず、Siip(シープ)について少し説明します。Siipは2020年より活動する詳細不明の男性シンガーソングライターです。これまでに、『Cuz I』(コーズアイ)、『2』、『πανσπερμία』(パンスペルミア)の3曲のシングルをリリース、2021年10月には、初のアルバム『Siip』をリリースしました。これまでメディアの出演は一切行われず、特定のイメージを持たない表現者として活躍されております。作詞作曲アレンジ、楽器演奏なども含めSiipによりなされているそうです。

 ちなみに、「Siip」と聞くと、羊を意味する英単語Sheep(シープ)を想起される方も居られると思います。Siipの作品などについても、羊がモチーフになったものがあり、シンボルマークにも羊の絵が描かれております。
 歴史的にみると、私たち日本人はそこまで羊に馴染みがあるというわけではありません(湿潤な気候なども影響していると思いますが…)が、欧米や中近東などでは宗教や神話でも大きな意味を持つシンボルであります。「迷える子羊」という言葉があるように、キリスト教やユダヤ教などでは信者(人間)を「羊」と比喩されますし、食用や捧げものとしても重宝されております。また、ギリシャ神話ではパーンやサテュロスのように半人半獣(羊)の神や精霊なども存在します。このような羊のイメージもSiipの世界観に1つの意味を与えるかもしれんせん。


 さて、『オドレテル』についてです。この楽曲は、2021年に男性シンガーソングライターのSiip(シープ)によりリリースされたアルバム『Siip』に収められております。アルバムの1曲でありますが、Spotifyの人気曲ではトップに位置する(2021年11月現在)など、注目を集めております。
 同アルバムには、先に述べた3曲のシングルと『オドレテル』を加え、計8曲が収録されております。同アルバムは、日本で人気のバンドサウンド、ボカロ曲、ダンスポップなどとはやや異なる形で作られておりますが、決して大衆性から大きく離れた作品ではなく、ポップの新たな形を模索されているのではないかと思います。私は『Walhalla』という曲が印象に残りました。


 『オドレテル』はゆったりとしたテンポのバンドナンバーであります。アルバムの中では、比較的J-POPなど構成に近いAメロBメロサビを持つ作品となっており、また、アルバムの中でもバンド感のあるサウンドアレンジです。アルバムではSiipさんは柔らかな歌声が使われることが多いのですが、その中で同曲はかなり力強いボーカル表現が見られます(裏声も用いられておりますが、かなり強い発声です)


 『オドレテル』の声域的な特徴についてです。同曲は男性の声域としては高いレンジで歌メロが作られております。また、同曲はヘッドボイスという「強い裏声」がサビを中心に多く用いられております。そのため、男性としてはかなり高いレンジが要求されます。「地声」と「地声感のある強い裏声」、「通常の裏声」が器用に使い分けられており、その点でもテクニカルです。私自身、ラストサビのhiD#やhiF#辺りは地声と分類すべきか迷った部分もあります。当然ですが、歌い慣れた人向けの作品になります。


 最後に『オドレテル』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiF#(F#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1C#は2番Aメロで登場します。ここはあまりこだわらなくてもよいと思います。目安として、mid1D#辺りを手に音の基準にしてもよいと思います。低音域が比較的低いですので、女性だと原曲キーは難しいのではないかと思います(キーを上げた方が歌いやすいです)

 一方、地声最高音hiBはサビで登場します。この辺りは、一般的な男性の声域としては高いですので、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。目安として、原曲キーから3つ程度下げてみてください。
 ちなみに、私自身は、同曲の地声最高音について少し迷った部分があります。例えば、ラストサビの【顔知れず戯(おどぉぉぉ)けてる】の部分、「どぉぉぉ」はhiF#のロングトーンなのですが、地声にかなり近いニュアンスを持っております(裏声で入り、途中で地声に変えているようにも聞こえます)。私以外で音域を調査されている方がどのように判断されるかも気になります。


 『オドレテル』は低音部分に少し余裕があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度合いやすいレンジに調整することが可能です。ただ、同曲については、ヘッドボイス(強い裏声)がどれだけ上手く使いこなせるかが重要な意味を持つと思います。ヘッドボイスはMrs. GREEN APPLEの大森元貴さん、King Gnuの井口理さんなど、最近は多くの歌手が使われております。


 『オドレテル』はかなり繊細な歌唱表現が用いられており、とりわけサビ等で顕著です。裏声1つを取ってみても地声に近いニュアンスであったり、またエッジをかけたりと様々です。地声でも少しガラガラとした表現が入ったりしております。最初はそこまで気が回らないと思いますが、ある程度歌い競るようになった方は、Siipの細かい歌唱表現にも着目してみるとよいと思います。

 『オドレテル』はカラオケ向きの曲とは言い難いとは思いますが、歌いこなせると非常にカッコイイのではないかと思います。また、裏声の勉強にもよいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. ぴたっくま より:

    地声もっと高いと思ってました…というか裏声がかなり強めで地声に聞こえてたと思います

    • もりっしー より:

      ぴたっくまさん、コメントありがとうございます。

      ラストサビの「顔知れず戯(おどぉぉぉ)けてる」のところとか
      hiF#にエッジがかかって、地声感が滅茶苦茶強いんですよね。
      ここはもしかしたら地声hiF#の方が原曲に近い表現が出来るかもです。
      調査する人によっては
      「裏声hiF#で入って、ロングトーンの途中で地声に切り替えてる(だから地声最高音hiF#)」と
      判断してもおかしくないと思います。

      • ぴたっくま より:

        BメロのhiA#なんかも力強いからかC位かもと思いました。
        『未分類』だったり比較的意味早いスパンで記事が挙げられてたり色々反則級な感じしますね(笑)

        • もりっしー より:

          確かに間隔が空いてないですねw

          スパンを開けようか考えてたのですが、
          「歌手紹介の際に、正体については触れない方が」
          という方向だったので、今回早く記事にしました。

          まだ、いくつかリクエスト曲があるのですが、
          そろそろ落ち着くんじゃないかと思います。
          ワンオク、ウーバー辺りがまだ溜まってるので少しずつ
          記事にしたいですね。

  2. ノア より:

    Siipさんの表現力凄まじいですよね。
    ラスサビの最高音は最初僕も地声かと思いましたw
    裏声とは思えないほど力強いですね。

    • もりっしー より:

      ラストのhiF#は、入りは裏声で途中で地声に切り替えているようにも
      聞こえるんですよね。
      ホントに繊細な表現がされてます。