『ナハトムジーク』(Mrs. GREEN APPLE)の音域

★ぶm2G–G#–hiA#–hiC地[き[よ[う[な]ぁぁぁ]ぁ]ぁ]ぁ


【裏声最高音】hiG(G5)　※終盤で１場面（２回）

★hiA#–hiG–hiF^-hiD#裏[あ[い]し[た]ぁ]い] 最[期]まで信[じ]たい【ラストサビ[転調₊2]】


【補足】mid2G#(一部略)～hiD#を含むフレーズ一覧

★m2F–m2G#裏[む[ねの痛み] G#–F#[の]どを]伝い]【Aメロ】
★やm2G#裏–hiA#–F#[さ[し]くい]たい 素G#[直]でも]在り[たい]のに
★抱m2F裏–m2G#[き[し]める 幾[通G#[りい]つも[通G#[り]【1番サビ】
★m2F#裏–hiA[あ[い]されたい[のA裏[に] A[い]つも[通A[り]【1番サビ[転調₊1]】
★hiB裏–hiA–m2F#地[ま]ち]が]いばかりのA裏[今日]をまず[あA[い]そうか


★ゴm2G#[ミみ]たいhiA#地–G#[な]もん]でしょう【Dメロ】
★勝m2F裏[手に]積んF#裏–F[でき]たん]でしょう
★だhiC#裏–C–A#–2G#[れ]の]せ]い]でもないよ
★きm2G#[みは]たhiA#地[だ]しい]んだG#[よ] 研ぎ[澄]まして
★抱m2G–hiA#地–F[き[し]め]る【ラストサビ[転調₊2]】
★確hiD#裏–D–C–A#–2G#地[か]な]も]の]じゃ]無いから
★釦hiA#地[はズレ]てm2G#裏–hiA#–hiC裏–A#地[い[き[ま]すが]
★m2G[見]事さ また[まhiA#地[ち]がえて [履きA#[ち]がえてく
★hiA#地–2G#–G[い]と]しい]ボンクラ A#–G#–F#[ひ]と]しい]僕ら

　まず、『ナハトムジーク』についてです。この楽曲は、２０２４年にロックバンドMrs. GREEN APPLEによりリリースされたシングル作品です。この記事を執筆時点で最新シングルであるため、アルバムには未収録です。

　さて、『ナハトムジーク』は内田英治さん監督（脚本はまなべゆきこさんと共同）の映画『サイレントラブ』の主題歌として書き下ろされました。同映画は、声を発せなくなった青年と、視力を失った女性音大生を描いたラブストーリーであり、内田さんによるオリジナルのストーリーになります。
　ミセスはここ１～２年は既存のファンの枠を超えて、知名度が大きく拡大しております。そうしたアーティストとしての地位、および楽曲の質も相まって、『ナハトムジーク』もリリース直後からストリーミングランキングで上位に位置する等注目を集めております。


　『ナハトムジーク』はスローなバンド曲です。前奏を挟まず、ほぼAメロから演奏が始めり、Bメロサビと展開します。ラストサビでは転調し、キーが２つ上がりますが（多分D♭⇒E♭）、１番サビやDメロでも部分的に転調する場面があるので、注意しておきたいです。歌メロは比較的わかりやすいですが、大森さんではお馴染みの器用な裏声表現が多用されており、そうした点も大きな魅力の１つです。作詞作曲編曲は大森元貴さんによりなされました（編曲は伊藤賢さんとの共同）。

　『ナハトムジーク』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音には見た目より余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は低音域でlowG#などが登場しますが、低音域でmid1D#以下のレンジが要求される場面は限定されます。一部を除くと、低音は意外と高いです。また、地声高音も比較的高いため、高音域が得意な男性の方がマッチしやすいと思います。
　同曲は裏声が多用されており、特に１番は全体的に裏声の比率が高いです。そのため、器用な裏声と地声の使い分けは不可欠です。この辺りはミセスの楽曲ではお馴染みだと思います。

　今回の楽曲を女性が歌う場合、1番Aメロの低音がハードルになります（【lowG#[駄]目m1D#–m1C#[で[も]いい]】からの場面）。ただ、同曲は女性が歌いにくい低音域が要求される場面は一部に限定されるため、1番Aメロの一部については１オクターブ上声域を歌唱しても良いと思います。ただ、今回の楽曲は、一部の低音を除いてもそれなりに音域が広いため、ある程度力量は不可欠です。
　1番Aメロの低音を１オクターブ上で歌うとすると、女性が同曲を歌唱する場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいと思います（原キーから+1～2程度）。ただ、「原曲で裏声で歌っている部分を地声で歌う」などした場合は、原曲キーが合う人いう人もいるのではないかと推測されます。


　最後に『ナハトムジーク』の音域についてですが、【地声最低音】lowG#(G#2)～【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiG(G5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音lowG#は1番Aメロで登場します。登場回数は3回程度です。ただ、今回のlowG#については、歌い出しの瞬間的な音であるため、そこまで厳密な音程にこだわらなくてもよいのではないかと私は推測しています（歌えるに越したことはない）。
　今回はmid1D#以下の低音が求められる場面は1番Aメロの一部のみであり、この場面を除くと低音は意外と高いです（mid1G程度）。そのため、「女性」や「高音域が非常に得意な男性」などは、1番Aメロの低音は１オクターブ上のメロで歌唱するのもよいと思います。

　次に、地声最高音hiCはDメロとラストサビで登場します。登場回数は３回程度です。このhiCに次ぐ地声高音としては、hiA#がピークとなる場面が全体で１６回程度登場します。また、裏声でhiF～hiGといった高音が要求される点からも男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください。


　『ナハトムジーク』は最低音がlowG#ですが、体感的には低音域に余地があります。そのため、キー下げは可能です。ただ、そうした点を考慮しても、今回の楽曲は音域がかなり広く、歌い慣れた人向けの楽曲と言えます。とりわけ、今回は裏声のレンジが広く、器用な発声が不可欠となります。キー調整を考慮しても、ある程度高音域が得意な男性向けの作品だといえます。
　同曲はメロディー自体は比較的わかりやすいです。ただ一部リズムなどが難しそうな部分もあり、mid2F～hiG辺りの広いレンジで裏声が要求されます。難易度は高いですが、裏声の練習には非常によいのではないかと思います。

　『ナハトムジーク』を原曲キーで歌唱する場合、地声高音としてはmid2F～hiCといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は2番サビDメロラストサビで地声高音が多く登場します。また、曲全体を通して裏声が頻出しますが、サビでhiF～hiGといった音階も登場します。
　こうしたことを踏まえると、「高音域が得意（もしくは非常に得意）な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、一部の低音場面を１オクターブ上で歌う場合、女性の一部も原キーでの歌唱が合う可能性があります（ただし、女性の得意レンジを考慮すると、裏声の場面を地声で歌う必要がある）。

※当ブログがこれまでに取り上げたミセスの作品については、以下をご参照ください。『Mrs. GREEN APPLE』の音域一覧(まとめ)。

【まとめ】

①1番Aメロの一部が低いが、他は基本的に中高音寄り
②原キーだと「高音域が得意（もしくは非常に得意）な男性」に合いそう
③女性の場合、1番Aメロの低音は1オクターブ上を歌うとよさそう
④器用な裏声発声が不可欠であり、その点での難易度が高い