『イマジネーション』(SPYAIR)の音域 アニメ『ハイキュー!!』OP曲

　まず、『イマジネーション』についてです。この楽曲は、２０１４年にロックバンドSPYAIRによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされたベストアルバム『BEST』に初収録されました。同アルバムには、『現状ディストラクション』、『サムライハート(Some Like It Hot!!)』(過去記事)、『サクラミツツキ』(過去記事)などデビューの２０１０年から２０１４年までのシングル曲(+新曲２曲)が網羅されております（その点でいえば、シングルコレクションと呼んだ方がよいのかもしれません）。

　さて、『イマジネーション』は古舘春一さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『ハイキュー!!』のオープニングテーマとしてタイアップが付きました。SPYAIRは『ハイキュー!!』シリーズとは縁が深く、これまでに『アイム・ア・ビリーバー』、『One Day』といったシングル曲が主題歌となっております。楽曲の質も相まって、『イマジネーション』は配信部門で１０万ダウンロードを達成し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。


　『イマジネーション』はアッパーなバンド曲です。SPYAIRらしいパワーポップナンバーで、全体的に力強さが強調されます。歌メロはAメロBメロサビと展開し、全体的に親しみやすいです。Bメロ⇒サビでは転調が行われておりますので、音程を取るのが苦手な人などは注意したいです（サビの終わりも少し注意）。作詞はMOMIKENさん、作曲はUZさんによりなされました。

　『イマジネーション』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲はAメロBメロは中低音中心、Bメロ終盤サビについては中高音域が頻出します。そのため、音域は低音～高音まで広いです。また、サビについてはmid2D#～mid2G#辺りが超頻出ですので、体感的に高く感じやすいです。

　ちなみに女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３～４つ程度上げてみてください。今回は音域が広い作品ですので、歌い慣れていない人などは少し大変そうです。



　最後に『イマジネーション』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)～【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1C#はAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、「高音域が非常に得意な男性」だと少し低く感じられるかもしれません。そうした方は、場合によってはキーを上げるのもよいと思います。

　次に、地声最高音hiA#はサビやラストサビで登場します。登場回数は全体で５回程度です。このhiA#に次ぐ地声高音としては、mid2G#がピークとなる場面が全体で１７回程度登場します。こうしたことから、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『イマジネーション』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができると思います。ただ、今回の楽曲は音域が広いため、ビギナーなどの練習曲には少し向きにくいと私は判断しました。
　同曲は全体的にみるとメロディーは分かりやすいです。ただ、転調が行われるBメロ⇒サビの場面、サビの終わりなどは若干音程が取りにくい可能性があります。慣れていれば比較的克服しやすいと思いますので、その点に注意しながら練習を重ねたいです。

　『イマジネーション』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#～hiA#といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回はサビＤメロを中心にこれらが頻出し、いずれも地声ベースでの歌唱になります。反面、ABメロは中低音が中心で、mid1C#,mid1F#などが登場します。
　こうしたことを踏まえると、「（ある程度）高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な男性」については、原キーでも歌唱可能だと思いますが、人によってはキーを上げるのもよいかもしれません。


【まとめ】

①AメロBメロは中低音中心、サビで大きく盛り上がる（音域が広め）
②原キーだと「（ある程度）高音域が得意な男性」などに合いそう
③女性の場合は、キーを上げた方がより歌いやすそう（原キー+３～４程度が目安）
④サビ近辺で少し音程が取りにくい場面がある（他は比較的分かりやすい）