『遠くまで行く君に』(Absolute area)
【地声最低音】mid1C(C3)
★ひm2D[さびさに会]えm1G[て]うD[れしかっ]たm2E[よっ]て]ぇ【Aメロ】
★手を振るm2E–m2F[き[み]を]ただ見てm1G[い]た
★m1C[し]ばm1G[らく]そのm2E[え]がm2F–E[お]も見]れなくなるんだね
【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で34回
★たっm2E–F–m2G[た[2[文字の言]葉]じゃ]たりないけど【Bメロ】
★言m2E[葉]にm2G–F[す]れば]きっ]と僕ら[ぁ]
★今日も飲m2G–F–E^[み]込]ん[で]手])を振り[かF[え]す
★もっとm2G地–hiC–B^-G地[遠くまで行[く]き[み][に]【サビ】
★またそのm2G–F–E^[せ]ん]が[ま]じ]わる日まで
【裏声最高音】hiD(D5) ※Bメロやサビ
★もう2度とm2G地[会えないんじゃhiD裏-B–hiC[ない]か[な])【Bメロ】
★m2G地–hiB裏–hiC[ど[ん[な] G地–F[こ]と]ば[を]かG–hiD裏[け[ら]れるかな【サビ】
★束の間のm2G–F[お別れを]こ]の[そG地[らに]hiD裏–B–C[乗]せ[て]
まず、『遠くまで行く君に』についてです。この楽曲は、2019年にロックバンドAbsolute area(アブソリュートエリア)によりリリースされたミニアルバム『無限遠点』に収録されております。同アルバムには、『パラレルストーリー』、『Girl』といった作品のミュージックビデオが制作・公開されております。
さて、『遠くまで行く君に』はアルバム曲でありながら、人気が高く、ミュージックビデオも制作されております。公開されたMVは2024年2月現在、900万回を超える再生回数を記録しており、バンドの中でも特に人気が高い作品です。
『遠くまで行く君に』はスローなバンド曲です。全体的にしっとりしており、歌の良さが活きやすそうなアレンジです。歌詞もこの時期に合う「別れ」がテーマとなっております。歌メロはAメロBメロサビと盛り上がっていき、この辺りも多くの人にとって親しみやすいのではないかと思います。作詞作曲はボーカル&ギターの山口諒也さんによりなされました。
『遠くまで行く君に』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはやや高め(体感的には「高め」)で歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいです。
同曲はAメロBメロサビと盛り上がっていく楽曲です。ただ、Aメロでもmid2D~mid2Fといったレンジが多く、全体的に中高音に寄っております。低音域についても最低音がmid1Cの頻度はかなり低く(準最低音がmid1G)、男性曲としては高い印象です。地声最高音がそこまで高くないですが、相対的に高音域が得意な人に向きやすい楽曲となっております。
ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音が意外と高いため、理論上は女性が原曲キーで歌えなくもないです。ただ、女性の得意な声域などを考慮すると、原曲キーから4つ程度上げた方がよりマッチするのではないかと私は分析しています。歌詞も性差を限定しないユニセックスな内容ですので、男女問わずマッチしやすいと思います。
最後に『遠くまで行く君に』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C(C3)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、やや高め(体感的には「高め」)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1CはAメロで登場します。このmid1Cは男性の音域の範囲内ですが、今回は登場頻度は少ないです。mid1Cに次ぐ低音としてはmid1Gが登場。低音域は、このmid1G辺りがしっかり歌えるとある程度形になりやすいです。こうしたことから、同曲は男性曲としては低音が高いといえます。「高音域が得意な男性」などもある程度歌唱しやすいと私は推測しております。
次に、地声最高音mid2GはBメロやサビで登場します。登場回数は全体で35回程度と多いです。今回は相対的にmid2E~mid2G辺りの登場回数が多いため、音域的には「男性の音域の範囲内」であるものの、体感的には「一般的な男性曲としては高め」であると私は分析しました。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいのではないかと想定しています。一つの目安ですが、原曲キーから2つ程度下げてみてください。
『遠くまで行く君に』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。今回の楽曲は、基本的な地声音域はmid1G~mid2Gの1オクターブからなっており、キー調整の融通は非常に利きやすいといえます。そのため、歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います(裏声が多い分、ビギナーなどは苦戦する可能性がある)。
一方、同曲はサビやBメロを中心に「裏声」が多用されております。そのため、地声レンジはそこまで広くない分、器用な裏声発声が不可欠になります。ただ、今回の楽曲は、リズムやメロが難しい場面は少ないため、裏声の練習には非常にいいのではないかと私は分析しています。
『遠くまで行く君に』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2Gといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回は全体的に中高音が多く、見た目より高音感があります。また、hiB~hiDといった裏声高音も多く見られ、器用な発声が不可欠になります。
こうしたことを踏まえると、「標準より高め~高音域が非常に得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な男性」の中にはキー上げをした方が歌いやすい人もおられると思いますので、その辺りは各々微調整を加えてください。
【まとめ】
①AメロBメロサビと展開。見た目の音域よりの中高音に寄った曲
②原キーだと「標準より高め~高音域が非常に得意な男性」などに合いそう
③hiB~hiDなどの高音では裏声の発声が不可欠
④体感的な地声音域は意外と狭く、キー調整はしやすい
⑤メロは分かりやすい。歌の良さが活きやすくカラオケ向き。