『milk』(04 Limited Sazabys)の音域

　まず、『milk』についてです。この楽曲は、２０１６年にロックバンド04 Limited Sazabysによりリリースされたアルバム『CAVU』の中に収録されています。同アルバムはバンド初のフルアルバムであり、シングル曲『swim』（過去記事）などの作品が収められました。
　『milk』はフォーリミの作品群でもストリーミングの再生数が多く、カラオケでもよく歌われているようです。アルバム曲としてはかなり人気が高いです。

　『milk』はミドルテンポのバンド曲です。アルバムの中では、ポップ寄りで多くの人に耳に残りやすいのではないかと思います。歌メロもAメロBメロサビと展開します。作詞作曲ボーカル＆ベースギターのGENさん、編曲はバンドによりなされました。


　『milk』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、曲全体を通してhiAやhiBといった高音域が多く登場し、男性曲としてはかなり高いです。また、最低音もmid2Bと男性曲としてはかなり高いです。声域が全体的に高音に寄っており、高音域が得意な男性でもスタミナが不可欠になります。

　女性が同曲を歌唱する場合、原曲キーがマッチするという人も多いのではないかと思います。今回の楽曲は最低音がmid2Bであるため、女性が原曲キーで歌唱することも可能そうです。ただ、音域には個人差がありますので、まずは原キーで歌唱して、その後微調整を加えてください。音域的には女性の方が歌いやすい曲です。



　最後に『milk』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)～【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2BはAメロで登場します。この辺りは男性の低音としてはかなり高く、相対的に中高音域が多く登場することが示唆されています。女性が原キーで歌うことが可能です。

　次に、地声最高音hiCはラストサビで登場します。登場回数は全体で４回程度です。このhiCに次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で１６回、hiAが３５回程度登場します。最低音がmid2Bと高い点も踏まえると、男性の音域としてはかなり高いと私は分析しました。一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから４～７つ程度下げてみてください。


　『milk』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。今回の楽曲は音域がそこまで広くないため、キー調整しやすく、理論上はビギナー向けの調整も可能そうです。ただ、ボーカルのGENさんは男性の声域としてはかなり高いため、一般的な男性が合いやすいレンジにするには大きなキー調整が必要になります。その点で違和感などを感じやすい可能性があります。
　同曲はメロディー自体は分かりやすく、またリズムなども取りやすいです。音域がマッチするのであれば、練習曲にもよいと思います。フォーリミの作品としてはポップ寄りでもあるため、カラオケなどでも歌いやすそうです（原キーだと難易度はかなり高いですが）。

　『milk』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiCといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はABメロでもhiAやhiA#、hiBがピークとなる場面が多いです。また、低音がmid2Bと高いため、相対的に高音レンジばかり要求され、体力的にも辛くなりやすいです。
　こうした点を考慮すると、「高音域が非常に得意な男性」や「女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。 

【まとめ】

①全体的に高い（音域は狭め）
②原キーだと「女性」や「高音域が非常に得意な男性」などに合いそう
③音域的には女性の方が歌いやすい曲
④メロやリズムなどは分かりやすい。カラオケや練習曲向き