カテゴリー

『漂流教室』(銀杏BOYZ)の音域

 こんにちは。今回は銀杏BOYZの『漂流教室』(2005)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。


『漂流教室』(銀杏BOYZ)
『漂流教室』(銀杏BOYZ)の音域








【地声最低音】mid1F#(F#3) 

m2A[あい]つは虹の[ぉ] [始まm2D[り]と終わ[りを]【Aメロ】
★(君と僕は手を叩いたりして) m1F#2A[う]たっ][のさ]
m2F#E^[は][く] [は][く] m2A1F#[こっち[に][い]で])よ【サビ】


【地声最高音】hiA(A4) ※サビを中心に7回

★しm2EhiA地[が[み]ついて 1F#[わ]2E[れ]ないんだ【サビ】


【補足】mid2Emid2F#を含むフレーズ一覧

m2E[告別式では] [泣かなかっm2F#m2A[たん]だ]【Aメロ】
★ m2E[このまま僕等はお]となに[なれ][いまm2F#[あま]【サビ】

 まず、『漂流教室』についてです。この楽曲は、2005年にロックバンド銀杏BOYZによりリリースされたアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』に収録されております。同アルバムは『BABY BABY』、『東京』などの人気曲が収録されており、10万枚を超えるCDセールスを記録しました。

 さて、『漂流教室』はアップテンポのバンド曲です。青春バンク色の強かったアルバムの中では比較的穏やかなサウンドであり、歌詞なども優しいニュアンスがあります。作詞作曲はフロントマンの 峯田和伸さん、編曲は銀杏BOYZによりなされました。
 同曲は2008年には東京メトロのCMソングとしてのタイアップも付きました。2016年に発売されたバンドのトリビュートアルバム『きれいなひとりぼっちたち』では女性歌手のYUKIさんがカバーしています。


 『漂流教室』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはやや高め~高めのレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 同曲はAメロとサビから成る楽曲です。Aメロではmid2E辺りが中高音が多く、サビでは要所でhiA等が登場します。反面、低音域ではmid1F#-mid2A辺りがよく見られ、男性曲の低音としては高めな印象です。こうした点を考えると、「標準より高めの音域の男性」などに合いやすい曲だと私は分析しました。ただ、メロのアップダウンが意外と激しいので、「高音域が非常に得意な男性」などは少し注意が必要かもしれません。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3~5つ程度上げてみて下さい。ちなみに、女性歌手のYUKIさんは、原曲キーから5つ高いキーで歌唱されています。5つ高いキーだとmid2B~hiDのレンジになりますので、高音域が苦手な女性だと少し歌いにくい可能性があります。
 今回は最低音がmid1F#であるため、理論上は女性が原キーで歌唱することも可能です。ただ、女性にとっては低い音域が多いため、キーをいくつか上げた方がより歌いやすいと思います。



 最後に『漂流教室』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、やや高め~高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1F#はAメロやサビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回はサビでも最低音が登場し、意外とアップダウンが激しいです。低音域もしっかり気を抜かずに歌いたいです。

 次に、地声最高音hiAはサビで登場します。登場回数は7回程度です。このhiAに次ぐ地声高音としては、mid2F#がピークとなる場面が全体で16回程度登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としてはやや高め~高めであり、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
 ちなみに、今回はロック曲であり、峯田和伸さんはhiAを地声感を強めながら歌っています。ただ、人によってはhiAを裏声で歌うのも合うのではないかと私は推測しました(「裏声が得意な人」「高音域が得意でない人」など)。


 『漂流教室』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。一方、今回の楽曲はそれなりに音域が広く、またメロのアップダウンが激しい場面もあります。そのため、ビギナーなどは一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
 同曲のメロディーは分かりやすく、リズムなども比較的取りやすいです。最近のJ-POPと比べても歌メロにゆとりがありますので、音域がマッチするのであれば、カラオケや練習曲にもよいと思います。

 『漂流教室』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiAといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2E~mid2F#等が比較的多く登場します。一方、低音域としてはmid1F#辺りがよく見られ、メロの上下がそれなりに激しいです。
 こうした点を考慮すると、「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な男性」などは場合によっては少しキーを上げてもよいかもしれません。


【まとめ】

①中高音寄りのメロだが、低音も意外と多い
②低音~高音まで安定した歌唱を心掛けたい
③原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」に合いそう
④女性はキー上げ推奨
⑤メロは分かりすい。カラオケなどにもよさげ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする