『夢を信じて』(徳永英明)
【地声最低音】mid1F(F3)
★m2D[いくつの]街m2A#[を] m1G[越]え]てゆく2D[の]だ[ろう]【Aメロ】
★m1G[あ]したへと続く 1G[こ]のみm1G–m1F[ち[は]
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で6回
★m2F–D#[夢を信]じ]て 生きてゆけばm2G–hiA[いい[さ]と【サビ】
【補足】mid2D#~mid2Fを含むフレーズ一覧
★m2D#[恋するこ]とさえ m1G[お]それD#[てた]き[のm2F[う]に【Bメロ】
★m2D[き]みはm1G[さ]けんだ1G–m2D[だ[ろ]う【サビ】
★(明日へ走れ 破れた翼を) m2D[む]ねにm2D#–D^[抱]き[し]め]て
まず、『夢を信じて』についてです。この楽曲は、1990年に男性シンガーソングライターの徳永英明さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、1992年のベストアルバム『INTRO.II』に初収録されました(徳永さん以外の作品では1990年に『TVアニメサウンドトラック ドラゴンクエスト 組曲ドラゴン伝説』の中に初収録)。ベストアルバムは『最後の言い訳』、『壊れかけのRadio』、『レイニー ブルー』などの人気曲を収録し、70万枚近いCDセールスを記録しました。
さて、『夢を信じて』は、フジテレビ系アニメ『ドラゴンクエスト』のエンディングテーマとしてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲は40万枚ほどのCDヒットを記録しました。德永さんのCDシングルとしては最も大きなセールスを記録した楽曲であり、紅白歌合戦でも披露されています。作詞は篠原仁志さん、作曲は德永英明さん、編曲は瀬尾一三さんによりなされました。
ちなみに、楽曲のリリース当時は『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(1988年発売)が社会的なヒットになっており、メディアミックスとしてのアニメにも大きな注目が集まりました。ドラクエシリーズは、以後日本のゲーム史に大きな足跡を残していくことになります。2024年の11月中旬にドラゴンクエストⅢのリメイクが発売されるということで、今回この楽曲を取り上げてみました。
『夢を信じて』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはやや高め~高めのレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすそうです。
同曲はサビを中心にmid2F~hiA等が登場します。ただ、ABメロについてもmid2Dやmid2D#等が連続するため、全体的にみると中高音に寄った曲です。最低音もmid1Fであり、男性曲としては高めです。こうした点を考慮すると、「標準より高めの音域の男性」の方が合いやすい曲です。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~4つ程度上げてみてください(「高音域が得意な女性」などはもっと上げてもよい)。今回は最低音がmid1Fと高いため、女性が原キーで歌えなくもないですが、女性の得意な声域を考えるとやはりキーを上げた方がより歌いやすそうです。
最後に『夢を信じて』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。今回は低音域が男性曲としてはやや高いので、その分歌メロも中高音に寄っている印象です。
次に、地声最高音hiAはサビで登場します。登場回数は6回程度です。このhiAに次ぐ地声高音としては、mid2Fがピークとなる場面が全体で8回程度登場します。今回は低音が意外と高い点なども考慮すると男性の音域としては高めであり、一般的な音域の男性はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。
『夢を信じて』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。今回は音域が滅茶苦茶には広くないため、ビギナー向けの調整も可能そうですが、人によっては大きなキー調整が必要になります。その点で違和感などを感じる人も多いかもしれません。
同曲はメロディーが分かりやすく、リズムなども取りやすいです。音域がマッチするのであれば練習曲にはおススメしやすいです。メロディーの良さが活きた曲ですので、歌いこなせると気持ちがよいと思います。最近のJ-POPなどと比べると取っ付きやすい印象です。
『夢を信じて』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~hiAといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はABメロではmid2D#等が多く、サビではmid2F~hiA等がよく見られます。一方、低音はmid1Fとやや高いため、中高音域が得意な男性の方が合いやすそうです。
こうした点を考慮すると、「標準より高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
【まとめ】
①サビが特に盛り上がるが、全体的にもやや中高音寄り
②原キーだと「標準より高め~高音域が得意な男性」などに合いそう
③女性はいくらかキーを上げた方が歌いやすい
④メロがよく、練習曲には向く