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『タイム・トラベル』(スピッツ)の音域

 こんにちは。今回はスピッツの『タイム・トラベル』(2011)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。なお、今回の楽曲はMVや音源が公式動画で公開されていませんので、添付動画はありません。その点はご了承ください。


『タイム・トラベル』(スピッツ)
『タイム・トラベル』(スピッツ)の音域








【地声最低音】mid1F(F3) 

m1F[や]2AA#[た]が] A#-A[君[の]家]【Aメロ】
m1Fm2FE[スフィンクスが眠[る]砂漠に君は]立ち【Bメロ】
m2D[下弦のつ][に]照らされm1Gm1F[て[た]


【地声最高音】hiA(A4) ※サビで計12回

hiA[Uh] m2Dm2E[時間旅行のツ[ァ][は]【サビ】


【裏声最高音】hiD(D5) ※ラストサビで1回

★君の手hiA裏ChiD[のな[かぁ[ああ]【サビ】

※直後のフェイクはhiD-hiE-hiFのコンボ

【補足】

★街の外れのふm2GEF[る][い])【Aメロ】
m2FED^[日](の][れ]るこ]
★(暗い廊下で君は無言の) m2GFE[手]ま]ね]きさ
★サフm2GFE[ラ]ン]い]ろのドアを開け[た]
★あm2D[あ][めm2F[の]な][ぁ] [あ][めhiA裏hiC[のな[か]【サビ】



 まず、『タイム・トラベル』についてです。この楽曲は、2011年にロックバンド・スピッツによりリリースされたシングル作品(配信限定のシングル)です。アルバムとしては、翌年に発売された『おるたな』に初収録されました。同アルバムは、カップリング曲やカバー曲などオリジナルアルバムには収録されなかった楽曲が収められています。アルバムは10万枚を超えるセールスを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。


 さて、『タイム・トラベル』はカバー曲であり、原曲は1978年に原田真二さんによりリリースされたシングル曲です。同曲も、原田さんの代表的なシングルの1つであり、26万枚を超えるヒットを記録しました(引用元)。この年、原田さんは1stアルバム『Feel Happy』が週間1位を記録しています。10代のシンガーソングライターが週間1位を獲得したのは原田真二さんが初めてであり、2025年現在、原田さんと尾崎豊さんと宇多田ヒカルさんしか達成していない記録だそうです(Wikipediaより引用)。
 スピッツが2011年にカバーしたバージョンについては、ドラマ『僕とスターの99日』の主題歌としてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲は配信部門で10万ダウンロードを達成し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました(ランキングデータブログBillion Hitsより引用)。


 『タイム・トラベル』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高め(体感的には明確に「高い」)レンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
 今回の楽曲はAメロBメロサビといった構造がある楽曲ですが、全体的にmid2D~mid2G辺りが登場します。また、低音もmid1F程度であることも考慮すると、中高音域が得意な男性の方が歌いやすい曲であると私は分析しました。発声は地声ベースですが、サビの一部で裏声が用いられています(アウトロでは裏声のフェイクが顕著)。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~4つ程度上げてみてください(高音域が得意な女性はもう少し上げてもよい)。ただ、今回の楽曲は、低音域がmid1F程度であるため、人によっては原曲キーがマッチする可能性があります。具体的には、「標準より低めの音域の女性」の一部は原曲キーを検討してもよいかもしれません。



 最後に『タイム・トラベル』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1FはAメロやBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内であり、男性曲としてはやや高めの低音となります。音域的には女性も歌えなくもないですが、女性の場合はキーを上げた方がより歌いやすいと私は考えています。

 次に、地声最高音hiAはサビを中心に12回登場します。このhiAに次ぐ地声高音としては、mid2Gがピークとなる場面が全体で8回、mid2Fが13回登場します。mid2D~mid2E辺りの回数なども考慮すると、男声の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3程度下げてみてください。
 今回の楽曲について、私個人としては地声hiAの部分については裏声で歌っても比較的合うのではないかと考えました。地声高音があまり高くない人などはhiAを裏声で歌ってみるのもよいと思います。

 『タイム・トラベル』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ビギナー向けの調整も一応は可能だと思いますが、人によっては一部歌いにくい部分が出てくる可能性があります。
 今回の楽曲はメロやリズムは比較的分かりやすいです。音域がマッチするのであれば、練習曲やカラオケにもよいと思います。サビ、アウトロのフェイクなど裏声の見せ場も多いので、裏声の練習にもよいと私は感じました。

 『タイム・トラベル』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~hiA(裏声はhiD~hiFまで)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はmid2D~mid2F辺りがかなり多く、要所でmid2G~hiAが登場します。低音も男性曲としては高めです。
 こうした点を考慮すると、「高音域が得意(or非常に得意)な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は考えました。また、「標準より低めの音域の女性」の一部は原キーがマッチする可能性があります(多くの女性についてはキーを上げた方がより歌いやすいと想定しています)。


【まとめ】

①AメロBメロは中高音と低音が混ざる。男性曲としては中高音寄り
②原キーだと「高音域が得意(or非常に得意)な男性」に合いそう
③メロやリズムは比較的分かりやすい。音域が合うのであれば練習曲向き
④回数は多くないが、裏声が映える場面が多い。裏声の練習にもよいかも

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コメント

  1. 名無し より:

    おお、これが来るとは…
    原田さんのとキーは同じはずなのでそちらも高音域が得意な人向けの楽曲になるんですかね?