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『大好物』( スピッツ ) の音域

こんにちは。今回はスピッツの『大好物』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

『大好物』(スピッツ)、Daikoubutsu(Spitz)
『大好物』(スピッツ)の音域







【地声最低音】mid1E(E3) 

m1Em1G[つ]ま]m2D[よう]じでつつくだけm1E[で]【Aメロ】
m1F#[と]きで凍えm1E[た]m2E[鬼の]耳も [あっm2F[た]か]くなり【Cメロ】


【地声最高音】mid2G(G4)  ※全体で12回


m2E[連れ]出してくれたm2F#m2G[の[ぉ]は]m2F[ふ]ゆ]の終わり【Aメロ】
m2Em2Fm2G[き[み[の大好]き]な]物なら【サビ】

m2E[つ]m2FEm2G[い][く] 色を[変]えながら
★(呪いの歌は小鳥達に彩られてく) やm2Em2Fm2G[わ[ら[かく]【Cメロ】


【補足】mid2Emid2Fを含むフレーズ一覧

★ぼm2Em2F[く[も多]分]明日には好き【サビ】
m2E[期]待は[ず]m2F[な]の]に いとおしく

 まず、『大好物』についてです。この楽曲は、2021年に4人組ロックバンド・スピッツによりリリースされたシングル作品です。2022年10月現在、スピッツにとっては最も新しいシングル曲になり、アルバムには未収録です。

 『大好物』はよしながふみさんの同名漫画を原作とした実写映画『きのう何食べた?』のために書き下ろされました。同作品は、ゲイのカップルの食生活などを描いた日常漫画で、2021年11月時点で、840万部の発行部数を記録しております。また、西島秀俊さんと内野聖陽さんが主演する実写作品についても評価が高く、映画の興行収入は15億円近くにまで達しました。

 『大好物』はミドルテンポの温かみのあるバンド曲で、ローズピアノが用いられております。歌メロはAメロサビCメロとシンプルな構成で、親しみやすいメロディーが続きます。作詞作曲はボーカル&ギターの草野マサムネさん、編曲はバンドと亀田誠治さんの共同で行われております。
 ちなみに、私個人としては、サビに登場する歌詞の【忘れられた絵の上で 新しいキャラたちと踊ろう】というフレーズが印象に残りました。現実の仲間だけではなく、ネットなどで知り合った顔の知らない相手なども含めた世界を想起させられます。

 『大好物』の音域的な特徴についてです。同曲は,、一般的な男性の音域よりも高めのレンジで歌メロが作られております(最高音はmid2Gですが、詳細は後述します)。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
 一方、女性が同曲を歌唱する場合、一般的にはキーを上げた方が歌いやすそうです。ただ、「標準より低い音域の女性」などは原曲キーでも歌えるかもしれません。個人的には、mid1Eなどの低いレンジ練習にはよさそうだと感じました(女性の場合)。



 最後に『大好物』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「やや高め~高め」です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、女性にとってはかなり低いため、標準的な音域の女性はキーを上げた方が歌いやすそうです。「標準より音域が低いため、女性曲だと選曲に苦労する」といった方は原曲キーでチャレンジしてみるのもよいかもしれません。

 次に、地声最高音mid2Gは全体的に登場します。登場回数は12回程度です。通常、mid2Gは一般的な男性の音域の範囲内といわれております。ただ、今回については、全体として中高音域の頻度が高く、またmid2F~mid2G辺りがロングトーンで登場します。そのため、見た目以上に高音感があるのではないかと思います。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『大好物』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。ただ、同曲は低音~高音まで満遍なく登場するため、キーを下げすぎると、逆に低音域が歌いにくくなるかもしれません。キー調整をしても難しいと感じた場合、別の易しめの曲と並行して練習してください。
 同曲は、メロディー自体は親しみやすいですが、慣れていないと一部音程が取りづらい部分があります。そうした点も留意しておいてください。

 『大好物』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~mid2G辺りをしっかり歌いこなせる力が求められます。最近のJ-POPの男性曲と比べると滅茶苦茶には高くないですが、全体として中高音の頻度が高いです。そのため、図で示す音域以上に高音寄りの曲です。そのため、「標準より高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと思います。


 『大好物』は親しみやすいポップであり、広い世代に受け入れられやすい楽曲ではないかと思います。個人的にはサウンドも歌詞も温かみがあり、印象的でした。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. 名無し より:

    ファンとしてはこのような記事は嬉しいですね。

    しかしこの曲本当に最高音がmid2Gとは思えないほどしんどいと思ったら、中高音域のフレーズやロングトーンが多いからなんですね。音域だけ見るとスピッツとは思えないほど低いように思えるのですが、歌ってみると歌いづらさが身に染みて分かりますね。

    • もりっしー より:

      名無しさんコメントありがとうございます。
      草野さんの歌詞はシンプルですが、非常に手が込んでると感じます。
      何かのインタビューで、「1つのフレーズから50くらいの解釈ができるような
      密度で歌詞を書いてる」と仰ってました。

      この曲はhiAなどは登場しませんが、mid2E~mid2G辺りが多く
      全体的に中高音寄りの曲ですよね。スピッツは音域以上に難しい印象です。