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『スパイダー』(スピッツ)の音域と感想

 こんにちは。今回はスピッツの『スパイダー』(1994)を取り上げたいと思います。当ブログではで取り上げる楽曲では今のところ、一番古い作品になると思います。よろしくお願いします。


『スパイダー』(スピッツ)、Spider(Spitz) 


【地声最低音】mid1E(E3) ※Aメロだがmid2G#(G4)が入るので注意

m2G#[ちょっ]と老いぼれてるピア[] 


【地声最高音】hiA(A4) ※転調後の大サビ中心 

★だかm2G#[]hiA[]っと遠くまで 君を奪って逃m2G#[げ]hiA[]
★hiA[Oh]… Oh… Oh… Oh… [Oh]… Oh…(大サビ前の間奏部分)



【補足】通常サビ部分

★だかm2F#[ら]m2G#[も]っと遠くまで君を奪って逃mid2F#[げ]mid2G#[る]

『スパイダー』(スピッツ)










 まず、『スパイダー』についてです。この楽曲はもともと、スピッツの5枚目のアルバム『空の飛び方』に収録された作品でしたが、評判がよく、後にシングルカットされた作品です。この『スパイダー』の後のシングルが、スピッツの代表作の筆頭でもある『ロビンソン』です。いわゆるブレイク前夜の作品と言えると思います。

 この楽曲はスピッツのYouTube公式チャンネルでは2019年現在、およそ500万回の再生回数を記録しております。一般的な意味では代表的な作品とは言い難いのですが、ファンには人気の高い作品だと思います。
  また、サカナクションの山口一郎さんが『スパイダー』をフェイバリット作品として列挙し、GO!GO!7188は楽曲をカバーしております。更に、RADWIMPSや米津玄師さん、スキマスイッチなどがライブで披露するなど、どちらかというとアーティスト受けする作品と言えるかもしれません。

 スパイダーのサウンドはアコースティックギターのストロークから始まり、その他の楽器が加わっていきます。アコギおよびエレキギターの軽快なストロークが非常に活きた作品です。パワーポップ、ジャングルポップ、シティポップといったくくりになると思います。サカナクションの山口一郎さんは「ポップなのだけどポップ過ぎない絶妙なバランスの曲」だと評価しています。私はこれを「自分のこだわりをしっかり残しつつ、ちゃんと世間に届く作品にしたい」ということなのだと解釈しております。

 『スパイダー』の歌詞についてですが、恋に邁進する主人公の姿が描かれています。しかし、必ずしも美しい恋愛の姿ではありません。例えば、「洗いたてのブラウスが今 筋書き通りに汚されて行く」「可愛い君をつかまえた とっておきの嘘ふりまいて」といった歌詞に象徴されます。

 ポップなメロディーやリズム、ボーカルの爽やかな声質で悪意が薄められていますが、かなり積極的かつ強引な歌詞だと思います。そうした意味で絶妙のバランスで出来た楽曲ではないでしょうか。






 さて、『スパイダー』の音域についてですが、地声最低音 mid1E(E3) ~地声最高音 hiA(A4) でメロディーが構成されております。転調前だと最高音はmid2G#になります。一般的な男性の音域よりはやや高いといえると思います。
 
 場合によってはキーを1つか2つ下げるといった対応を取った方がいいと思います。それでも歌い慣れていない人には大変な楽曲かもしれません。その場合はキーを更に下げてください。スピッツの楽曲は音域自体はそこまで広くないので、歌いやすいキーを見つけて、練習するのもアリだと思います。

 『スパイダー』はスピッツのシングル曲の中では比較的手をつけやすい作品でもあります。同じ音域の曲に前回取り上げた『春の歌』がありますが、そちらよりも断然歌いやすいです。一つの基準として、mid2Fmid2G音域が使いこなせるように努力すると良いと思います。

 軽快なリズムでありますので、ラストのサビのhiA部分が少しかすれたり裏返ったりしても、mid2Fmid2Gといった音階が使いこなせるようになると、非常に様になってくる楽曲だと思います。一般的な音域の男性で、この楽曲にメドが付いてくるようになると、歌に自信を持っていいと思います。


 『スパイダー』は女性でも選択肢に入ってくる作品です(スピッツの楽曲の多くに言えます)。高い声が出ない人の場合は原曲キーでも構わないと思います。 一般的な女性の場合はキーを2~3程度上げる(#2~#3)と良いと思います。

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