こんにちは。今回はスピッツの『ロビンソン』(1995)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

『ロビンソン』(スピッツ)、Robinson(Spitz) 


【地声最低音】mid1F#(F#3)  
※Aメロ

[河]原の道を自転車で 走る君を追いかけた


【地声最高音】hiB(B4)  ※サビ

mid2G#[ふ][り]hiB[だけ]hiA[の][く][に]  
★君の手[を][は]hiB[な][さ]ぬように


【裏声最高音】hiC#(C#5) 

hiC#[ル]ララ hiC#[う]hiB裏声[ちゅ]うの風に乗る



【補足】mid2F#hiA辺りの注意点

★新しいmid2F#[季]節は なぜかせつない日々で(Aメロ)
★つく[り]hiA[上]mid2G#[げ][た]よ(Bメロ)
★誰も触わ[れ]hiA[な][い] (サビ冒頭)

『ロビンソン』(スピッツ)










 まず、『ロビンソン』についてです。この楽曲はスピッツのシングル曲として、1995年にリリースされました。同年にリリースされたアルバム『ハチミツ』にも収録されています。スピッツはこの『ロビンソン』によってブレイクし、世に広く知られることになりました。

 この楽曲はスピッツのYouTube公式チャンネルでも公開されており、2019年3月現在、再生回数が9100万回を超えております。1990年代の楽曲がこれほどの再生回数を記録するのは極めて異例のことだと思います。

 さて、『ロビンソン』のサウンドについてですが、前奏では、ギターの憂いを帯びたアルペジオが非常に印象的です。このアルペジオはサビ部分でも変則的に演奏され、ロビンソンの象徴的なフレーズにもなっております。
 ギターの三輪テツヤさんは、デビュー当初よりアルペジオを得意とする自分のスタイルに疑問を抱いていたそうですが、このヒットをきっかけに自信を持つことが出来たそうです。『ロビンソン』のヒットにより、スピッツのパブリックイメージも形成されていくことになります。

 個人的には、ベースギターの音色が非常に耳を惹きます。愁いを帯びたギターやボーカルとは対比的に縦横無尽な印象を与えます。こうしたベースのスタイルもスピッツの一つのスタイルと言えます。

 歌詞についてですが、春のラブソングです。「思い出のレコードと大げさなエピソード」、「片隅に捨てられて呼吸をやめない猫」、「ぎりぎりの三日月も僕を見てた」など草野マサムネさんの紡ぎ出す情景描写が光ります。
 
 個人的に好きなフレーズは沢山あるのですが、「待ちぶせた夢のほとり 驚いた君の瞳」です。待ちぶせた場所が「夢のほとり」というフレーズが非常に幻想的でだと思いました。一方、1番ではおなじBメロに「同じセリフ 同じ時 思わず口にするようなありふれたこの魔法」という言葉が使われます。この2つのフレーズは、日常の世界から、空想的な世界にいざなわれるトリガーになっているコトバだと感じます。





 さて、『ロビンソン』の音域についてですが、地声最低音mid1F#(F#3) ~地声最高音hiB(B4)、裏声最高音 hiC#(C#5)でメロディーが構成されております。図にも示すように、男性というよりも女性の音域に一致します。

 男性がこの曲を原曲キーで歌うのは至難の業だと思います。back numberなどのバンド、ONE OK ROCKなどのハード系のバンドでもこうした音域は登場しますが、性質が大きく異なります。恐らく、高い声が出る方でも、草野マサムネさんのような爽やかで柔らかな発声は難しいと思われます。原曲キーで歌う場合は、Bメロ辺りまで完璧に歌えたら上出来だと思った方が良い気がします。

 一般的な男性が歌う場合は、キーを3~4程度下げる(♭3~4)と良いと思います。それでも歌い慣れていない人の場合は非常に苦労するかもしれません。スピッツの楽曲の中でもトップレベルの難易度だと思います。そういう楽曲であると留意しておいてください。

 2002年に「羅針盤」というバンドがこの『ロビンソン』をカバーしています。キーは原曲ではない(原曲から♭7)のですが、非常に良い出来です。このカバーバージョンの方が、男性には参考になる気がします。かなりしっとりしたアレンジです。


 逆に『ロビンソン』は女性の方がしっくりくる可能性が高いです。地声最低音mid1F#(F#3) ~地声最高音hiB(B4)は、実はあいみょんさんの『マリーゴールド』と同じ音域です。スピッツの場合は、これに裏声の部分が登場します。難易度的には比較が難しいのですが、恐らくマリーゴールドの方が難しいように思えます。

 声が低い女性ならば、原曲キーでも十分だと思います。個人差がございますのでそれぞれ調整してください。歌詞内容的にも女性でも非常に映えると思います。